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…知って得するページ…

   ≪ 投資家の本性 ≫
2025/06/27(Fri)

2025/06/20 のコメントです。

日本のメディアは、海外の情報をアメリカのメディア情報をそのままにコピペ報道している。アメリカのメディア自体が偏った、あるいは買収?されての報道では真実は伝えられない。そのような裏事情も汲み取っての報道をしてもらいたいものです。

私の語録に『情報過多は迷いを引き起こす。マスメディアの情報の9割はノイズ(雑音)。時として、メディアにより真実が嘘の情報のもとに隠蔽されることがある』と。

さて、相場が乱高下したときには投資家の皆さんはどのように対処するでしょうか。「大幅に下げられたものの、翌日しっかりと戻したので助かった」、「恐怖におののいて慌てて損切りしたが、その後急激に戻したので失敗した。持続しておけばよかった・・・」など。

皆さんはどちらだったでしょうか。上記の対応はどちらが正しかったのでしょうか。結果論として、持ち株を持続したので損をしなかった方が正しいと思われますか?。急落場面では、空売りの買戻しが入るから持続しようと、明確な根拠のもとに持続されたのであれば持続は正解です。

しかし、あまりの下げの恐ろしさにあっけにとられ何もできなかったという投資家も多いのではないだろうか。そのような投資家が持ち株を持続したのは「たまたま、あるいは偶然、」に戻ったのでホッとしたなど。

そのような状況下、自分の売買ルールはどうしたのでしょうか。損切りルールは、なかったのでしょうか。もし、自己の損切りルールがあり、すさまじい急落のため、損切りルールが実行できなかったのであれば、これからの投資成果は危ぶまれると思ってください。

もし、しっかりとした自己の損切りルールがあり、それを実行できたのであれば、将来は明るいと思います。結果的に全値戻しになっても悔しい思いをしたかもしれませんが、これも結果論です。自己ルールの実行が正しいのです。

このようなサプライズはいつ起こっても不思議ではありません。相場の世界とは、そのような世界であるのです。相場の世界で長く継続して収益を上げていくには「たまたま、偶然」は通用しません。

相場の大きな変動ではパニック状態に陥り投資家(人間)の本性が現れます。その際の対処の仕方で勝敗が分かれます。これらのことを十分に理解して、今後の長い投資活動を続けて頂きたいものです。


『人間は、追い詰められたときに真の姿を現す。本心が出る。ふだんは皆良い人。よく見極めよ』




   ≪ 人工知能 ≫
2025/06/20(Fri)

2025/06/14 のコメントです。

最近話題のニュースに人工知能(AI)についての記事がある。特に自動運転車が注目されている。世界的に開発が加速する自動運転車は、行き先を指定するだけで自律的に走行する。近い将来、実用化されるのは間違いない。その場合、運転免許証はどうなるのだろうか・・・。

人工知能の発達により、経済も大きく変化してきます。人工知能により奪われる職業がリストアップされ話題を呼んでいます。

人工知能が奪う職業ランキング(15位)。1. 小売店販売員、2. 会計士、3. 一般事務員、4. セールスマン、5. 一般秘書、6. 飲食カウンター接客係、7. 商店レジ打ち係や切符販売員、8. 箱詰め積み降ろしなどの作業員、9. 帳簿係などの金融取引記録保全員、10. 大型トラック・ローリー車の運転手、11. コールセンター案内係、12. 乗用車・タクシー・バンの運転手、13. 中央官庁職員など上級公務員、14. 調理人(料理人の下で働く人)、15. ビル管理人、など。

最近知ったニュースとして、海外の新聞社では、人工知能が記事を執筆する動きが広がってきているが、日本の新聞にも「AI記者」が書いた記事が載った。中部経済新聞は創刊70周年記念企画として、AIと人間が協力して書いた記事を掲載した。新聞記者も人工知能により奪われる職業にリストアップされるのだろうか。

人工知能をはじめ「人と協調するロボット技術」が世界を切り拓き、ロボット・人工知能研究は世界の研究者から注目されているが、これらにより、今後は産業構造や社会生活が大きく変わってくるのだろう。

また、ビックデータと人工知能により、過去の膨大な情報データを集め、処理して無数の因果関係を解き明かすことによって、未来を統計学的に正確に予測することが可能となる時代は、すぐそこに来ているような気がします。

ビックデータ、人工知能とは程遠いものの、私も過去の膨大な情報データを集め、処理して無数の因果関係を解き明かそうと孤軍奮闘しているところです。過去25年分のデータをもとに分析、検証している毎日です。

最近分かったことは、効率的な投資とは「確率の高いところに集中投資をする」ということです。考えてみれば当たり前のことですが、その「確率」自体、過去のデータによるもので不安要素であることは間違いないところです。

では、このような観点(確率論)を踏まえた上で、実践的な運用はいかにすべきかという問題です。私の考えは、確率の高いところに集中投資して、もし、反対に行ったら即処分して、次の確率の高いところに再び集中投資をするということです。

これを繰り返すのです。結果的に確率論から考えれば確かに儲かるはずです。このようなシステムをプログラムしてシュミレーションしたところ、びっくりするような数値がはじき出されました。収益は急激な右肩上がり。

理論的に正しいことは証明されたと思いましたが、あくまでもシュミレーションの域を脱しきれないし、実践するには勇気が必要だ・・・。

こんな思いをしながら日夜研究に励んでいるところですが、ここでもやはり「すばやい損切り」が付いて回ります。人工知能がいくら発達しても確率的に損は発生するのですから。

私も人工知能には及ばないものの、できるだけ完全システム売買(人工知能?)の構築に頑張っているひとりです。



   ≪ 知識より想像力 ≫
2025/06/14(Sat)

2025/06/08 のコメントです。

相場の世界には絶対はない。相場の世界は売りと買いしかない。確実に分かっていることはこのくらいでしょう。あとは長期的な視点で見れば、勝率は50%前後であること、また、売り買い以外には休むということもある。この程度かもしれません。

相場はシンプルさゆえに難しい。勝率50%前後であるならばゼロサムゲームとなり、勝ちも負けも同じくらいで損するのは売買手数料くらいだろうと思う。しかし、現実は大きく異なる。その原因については今まで何度も解説してきました。

私の目指す投資とは「完全システム売買」である。システムの指示に従い何も考えず売買することです。なぜ完全システム売買を目指したかと言うと、第一に自分は相場には向いていない性格だと悟ったからです。初心者のころ裁量売買で大変辛い思いをしたからです。

完全システム売買を目指したころは「そんなことは無理だよ」と冷たい目で見られていましたが、相場の世界で生きていくにはこの方法しかないと固い決意で現在に至っています。その決意は今でも変わっていません。

しかし、その道のりは遠く、現在でも試行錯誤の連続です。新しいアイデアがでると昼夜問わず検証し、その結果にがっかりするという繰り返しです。あれから大分時間が経過しましたが、今では先物市場で完全なシステム売買で運用しています。成績はまずまずです。

一応、目指すところの完全システム売買で運用できるようになったにもかかわらず、人間の欲には限りがないようで、さらなるシステム開発にまい進しています。システム開発の初期は、すでに知られているテクニカル指標を使い分析、検証をしていましたが、結果に納得いかず、途中からは独自の手法の開発に入りました。

現在利用している分析指標もオリジナルであり、また、ご利用頂いている分析システムもすべて検証が済んだオリジナル指標です。

株式投資を実践している投資家も何度も壁に突き当たり、迷い苦しみ抜いて現在があるのではないだろうか。私とて同じです。何度やめようかと思ったことか。しかし、やめてしまったら今までの努力がすべて水泡に帰することは分かっています。

独自の指標を採用するということは、道しるべのない道を歩いているようなものです。解説する書物もなく、師匠もいないという暗中模索の中での開発です。真っ暗闇にほおり出された感じです。

物事を成就させるには努力が大切だと言います。努力とは繰り返すことです。しかし、そこに「何のために」という設定がなければいけません。目標無しの努力はあり得ません。目標あっての努力です。

そのような状況下で私が一番重要と考えたことは「想像力」です。今までの体験から学んだことは『想像力を働かすことは、知識を得ることより格段の価値がある。知識は我々を後押ししてくれるが、想像力は道を切り開き、未知の領域に導いてくれる』と言うことです。知識より想像力です。

成功することとは、確固たる信念と目標を持って想像力を働かせながら、繰り返し繰り返し努力するということなのかなと、ひとり思いにふけっているところです。



   ≪ 感情は成績に寄与しない ≫
2025/06/08(Sun)

2025/06/01 のコメントです。

日本列島には多くの災害も発生します。台風や地震が発生し、まさしく日本の歴史は災害との戦いであったといっても過言ではないでしょう。

自然災害は天災でもありますが、負の裏には正があるように災害に対して人々は助け合うという精神が育まれてきました。先の震災時でも災害時の日本人の行動に世界から賞賛されました。日本人の民度の高さは世界一であることは間違いありません。

最近は近隣諸国より日本パッシングが多いようですが、民度、素養の高い日本人として、また世界で一番長い歴史を持つ日本人として、自信を持って海外に発言していくべきと思います。

さて、最近の株式市場を見てみると、外部環境の不透明さもあって、今後の市場の展開が読みづらい状況にあります。私自身は相場の先読みはしませんので今後の展開などは気にしていません。日々の相場の変動で判定し、それらの変動に追従していくだけです。

私は現在でも相場の研究は欠かしません。最近は研究に没頭するあまり体調はいまいちです。私は今まで会社勤めをしたことがないので時間の管理が不得意です。気分が乗ると朝まで研究調査を続けるという状況です。

当然ながら私の仕事は運用とその研究です。運用については一日数分で終わりますので、そのほかのほとんどの時間は研究に費やしています。

ご存知のように、私の投資手法は短期のテクニカル分析です。テクニカル分析は過去のデータの検証となります。ある人からは「過去の検証をいくらしても将来は分からないよ」と非難されていますが、私は将来を予測して売買しているわけではないので心の中では「おせっかいはよしてくれ」と思うばかりです。

前記のにあるように「日本人の民度、素養の高さ」は過去の長い歴史から育まれたものであり、現在があるものと考えます。テクニカル分析も長い過去のデータにより現在の水準があるわけで、これらを検証することは意義のあることではないかとひとり思い込んでいます。独りよがりかも知れませんが・・・。

しかし、皮肉にも「民度、素養の高さ」と相場の上手さには相関はないようです。逆に、民度、素養の高さは投資判断の足を引っ張るようです。なぜなら、投資とは他人の裏をかいて儲ける行動だからです。だから日本人は投資には不向きなのだろうかと考えてしまいます。

投資は欲得の世界であるため、どうしても感情が前面に出てきます。投資では往々にして感情は成績に寄与しないことが分かっています。よって、投資家はこれらの点について改めて考えてみる必要があるでしょう。




   ≪ 一番シンプルな売買判定法 ≫
2025/06/01(Sun)

2025/05/24 のコメントです。

あるニュースから。『株式投資の経験の有無を聞いたところ、「現在もしている」が21.7%、「現在はしていないが、以前はしていた」が10.7%で、32.4%が株式投資の経験があった。「売買をしたことがない」は67.6%だった。株式投資の経験率をみると、男性や高年代層、世帯年収が高い層で高く、30代以上の男性は、約3割が「現在もしている」と回答した。

調査結果によると、個人投資家に金融資産の保有意向を聞いたところ、「国内株式」は「増やしたい」が52.0%で、「減らしたい」が11.1%、「増やしたい」という回答比率から「減らしたい」という回答比率を差し引いた「DI値」は40.9だった。「預貯金」では「増やしたい」が37.2%、「減らしたい」が5.5%、DI値が31.7、「国内投資信託」では「増やしたい」が17.0%、「減らしたい」が6.7%、DI値が
10.3、「金」では「増やしたい」が10.2%、「減らしたい」が0.2%、DI値が9.9だった。個人投資家がさまざまな金融資産の中でも国内株式に注目している様子が分かる。

株式投資をしている人の割合が年々減少傾向にある中、すでに投資を行っている多くの個人投資家は国内株式に期待しており、保有割合を増やしたいと考えているようだ。』

*注〕〔DI値〕とは、「良い/悪い」「上昇/下落」といった定性的な指標を数値化して、単一の値に集約する加工統計手法のこと。

つまり、現在、投資活動(株式投資)を行っている投資家は、さらに積極的に投資を行おうとする様子が伺えます。良い傾向だと思います。

さて、積極的に投資活動を行うからと言って、投資資金を増やせば良いという問題ではない。投資額を増やせば、それだけ儲かるという世界ではない。そこには運用するスキルが重要なファクターとなってきます。

いつも述べていることですが、投資には売りと買いしかない。テクニカル分析で分析指標をたくさん組み込んでもあまり意味はない。指標はせいぜい2、3の指標の組み合わせで十分でしょう。ひとつの指標でもかまわないと思います。それ以上の指標の組み合わせても、私の体験上、あまり意味をなさないような気がします。

投資の世界では、○○理論などと高尚にもてはやされることがありますが、あまり、それらの理論で儲かったという話は聞かない。もちろん投資基礎要因として理論が重要であることは分かります。しかし、実践向きでない難しい理論をかざされても私たちにはどうも・・・。投資には売りと買いしかないので、できるだけシンプルに捉えるべきではないだろうか。

そこで、一番シンプルな売買判定法をご紹介しましょう。これは以前の勉強会で説明したことがありますが、理論的根拠は希薄なものの、誰でも分かるシンプルな判定法です。

まず、A4のコピー用紙に判定したい銘柄の株価チャートを2枚印刷します。そしてその2枚を重ねます。下側の用紙をAとします。上側の用紙をBとします。

合わせた2枚の用紙の裏から光を当てます。そして、上側のBの用紙を少し右にずらします。下側の用紙Aを現在の株価の変動とします。ずれた用紙に後ろから光を当てると必ずAとBの株価チャートが交差するところがあります。これらはラインチャート(折れ線グラフ)にすると、より明確に判定できます。

Aの株価がBの株価を上に抜いたところが買いとなり、Aの株価がBの株価を下に抜いたところが売りとなります。これはすべて順張りになります。さらに、Aの用紙の右にずらす幅により、短期売買か中期売買か、あるいは長期投資に分けることができます。いかがでしょうか。



   ≪ 自分に合った手法に特化して ≫
2025/05/23(Fri)

2025/05/17 のコメントです。

投資活動を長く続けていると、自ずから自分の投資スタイルというものができ上がってくるものです。これは意識するしないにかかわらず、本来の自分の潜在的な性格に起因するものです。

短期売買なのか長期投資なのか、また、集中投資なのか分散投資なのか、逆張りなのか順張りなのか等の選択は、他人の話や書物からの知識にも左右されますが、最終的にはやはり自分の性格に合ったスタイルに落ち着くものです。

投資とは継続して行うことであり、その長期間の中で良い投資法だと分かっていても自分の性格に合わない投資手法や投資スタイルは苦痛に感じるものです。よって、その苦痛は長期間の中では続かず、最後にはそれらを排除し自分に合った投資手法なり投資スタイルに収斂していくものでしょう。

そこで、良い投資法だと理解していることは苦痛に感じても我慢して継続していくべきなのでしょうか。苦痛が長期間続くと当然ながらストレスが蓄積されます。良い投資法で収益を上げる(確実ではないが)か、ストレスの蓄積を天秤にかけることになります。みなさんはどちらを選択しますか。

投資の基本はファンダメンタズからが常識とされていますが、私はこのファンダメンタルズの分析が不得意です。ファンダメンタズの分析は企業業績の分析から世界経済の見通しまで多岐にわたります。その分析には多分に主観も入ります。

私には、これらの多くの情報を収集する能力もありませんし、その資料を分析するマルチ的な才能を持ち合わせていないことを自分では良く分かっています。では、投資の基本であるファンダメンタズを無視して投資の世界でやっていけるのか。

投資の世界にもあまりファンダメンタズの影響を受けない分野があります。そうです、短期売買です。売買が短期になればなるほどファンダメンタズの影響を受けなくなります。デイトレードなどはその典型かもしれません。

私は短期のテクニカル分析に特化しています。そして、その分析をさらに深く掘り下げていくことが私のライフスタイルとなっています。自分の好きなことは長時間作業してもあまり苦痛は感じないものです。

しかし、若い頃は徹夜も平気だったのですが、最近は気持ちだけ先走りして身体が付いていかないようで・・・。気持ちは歳を取らないが、体力がついていかない。しかし、愚痴を言っても始まらないので、自分の信じた道をひたすら歩んで行きたい。

余談になりますが、友人が「歳を取ると何もいいことはないなあ、髪は薄くなるしシワもシミ増えてきたし、体力もなくなってきたしなあ」とぼやいていた。確かにそのとおりではあるが、私は「知識と経験だけはあるだろう。さらに自由になる時間もあるだろう」と強がりを言ってみた。

自分に合わないことを長く続けてもうまくはいきません。ストレスが溜まるだけです。それなら自分に合ったことに特化して深く掘り下げて自分の能力を存分に発揮すべきです。



   ≪ 実践に勝る勉強はない ≫
2025/05/17(Sat)

2025/05/10 のコメントです。

ウクライナ・ロシア情勢が混沌としています。インド・パキスタン情勢も危険極まりない。中国は景気減速しているのにもかかわらず公表されている経済指標はデタラメ。まさにプロパガンダである。

中国による東シナ海、尖閣諸島の問題。また、南シナ海のほぼ全域を領海だと主張する中国。それを全面的に否定する国際司法の判決。中国は現在も国際ルールに従わないという強硬な姿勢を示し続け、中国が南シナ海で着実に進める実効支配の実態。

このような状況下、我々投資家も外部要因に目を離せないところです。しかし、一喜一憂しないことです。明日の相場など誰も分からないのです。相場の急変にはロスカットで対応すべきです。投資家は収益を上げるために行動しているのですが、儲けることより大損しないことを念頭に入れて対処すべきでしょう。

さて、相場に絶対はないわけですが、ある投資家が一定期間シミュレーションして、「これならいける」と意気込んで連絡してきた。もちろんテクニカル手法であるが、その手法をくどくどと説明して私に意見を求めてきた。

聞くところによると、分析期間は半年程度であるが「これがうまく行くんだよ」と嬉しそうに言う。まだ、実践はしていないと言う。しかし、私に言わせれば、半年程度のシミュレーションの結果でうまく行くはずはない。

シミュレーションも長ければよいと言うものではないが、半年程度では話にならない。このような短期的なシュミュレーションは、株価変動にテクニカル指標を合わせているに過ぎない。つまり、株価変動にテクニカル指標を最適化させているだけである。その指標の内容やテクニックを聞くまでもない。

このように小手先の分析は、投資初心者が陥りやすいものです。かつて、私もこの
ような罠に何度はまってしまったことか・・・。ちょっと相場から距離を置いてみ
れば、初心者でも分かることですが、投資経験の浅い投資家はどうしても近視眼的
になってしまうものです。もし、6ヶ月程度のシミュレーションでうまく行くなら、
もうすでに誰かが発見しているはずです。

投資はやはり実践から学ぶべきです。理論(シミュレーション)と実践には、それなりの乖離があるものです。私ごとですが、以前、株式の両建て売買をしていましたが、銘柄数も多く、また、システム売買のため寄り付きの成り行きでの注文であるため、自分の注文で値が変動してしまうという現象が起こり、やむなく先物市場へ転換しました。

しかし、最近は先物市場でも寄り付き値が異常に乖離する現象が見受けられます。このように些細なことですが、シミュレーションと実践では誤差が生じることもあり、繰り返し売買するとその差は次第に大きくなるものです。

私は、前述の投資家に「とにかく、それで実践してみてはいかがですか」と返答した。私があれこれ説明しても、入れ込んでいるため聞く耳を持たないようでしたので。ただし、ロスカットだけは絶対に入れておくようにクギを刺した。ロスカットを入れておけば大怪我はしないと思いますし・・・。

やはり、相場は実践です。机上の理論だけでなく、ある程度体制ができたら実践することです。そしてそこから学ぶのです。相場とは体得していくものです。実践に勝る勉強はありません。




   ≪ 損をする三つの特徴 ≫
2025/05/10(Sat)

2025/05/03 のコメントです。

一般的に、株式投資は確かに魅力的ですが、順当に資金を増やし続けることのできる人は、やはり一握りです。残りの人は資金を目減りさせたり、場合によっては大きな損失を被ってしまいます。これが株式投資の現実でしよう。

投資で儲けられる人と損をする人の違いは、今まで散々述べてきましたので、今更、ここで論じることもないとは思いますが、投資初心者の方もいらっしゃいますので、失敗する投資家の特徴を三点ほど紹介します。

まず、その第一は「思い込み」です。細部にわたり綿密な調査の結果、値上がりすると予想して買ったものの、意に反して値下がりしてしまった。そこで投資家は「こんなはずではない、待っていれば値が戻るだろう」という期待から、いつまでも保有してしまう。

誰でも予想に反して値下がりした時に、その事実を受け入れがたいものです。値下がりした理由は後からになって分かるものです。その時点では分かりません。そのため仕掛けた銘柄に思い入れが強くなり「業績も良くなるし、株価は安値圏にある」と自分に言い聞かせ固執してしまう。

相場では常に株価が正しいのです。それなのに自分の買値だけから株価を判断する。相場は言っていますよ。「あなたの買値など誰も気にしていませんよ」と。自分は正しいと思い込み「自分を信じて耐えよう」などと考える。正しいのは現在の株価であって投資家の買った株価ではないのです。相場の世界に神様はいないのです。

予想に反して値下がりした時に、自分の投資判断がミスだったことを認めることです。感情移入しないことです。株価がある程度のラインを切った時は、どんなに思い入れのある銘柄でもスッパリと売って撤退する思い切りが必要だといえます。

第二は「期待する」です。これは特に初心者の犯しがちなミスです。投資成果を過大評価し「1ヶ月に10%に回せば、1年で資金は2倍近くなる」などと過大な期待をします。短期間に一気に儲けようとすると投資手法は話題性のある銘柄やギャンブル的なものになりがちです。結果的に大きな損失を出すことになります。

冷静になって考えれば誰でも分かるものですが、初心者は相場に対する期待感が大きくなるため、過度に熱くなってしまいます。投資とは長期にわたって安定した収入を得ることを投資の目的にします。

第三は「手法を変える」です。損が出るだびに投資手法を変えてしまう。成績が悪くなると、従来利用していた株価や出来高、トレンドなどの分析手法に従わず、相場を自分で予想しようとしてしまいます。そして、さらに良くないことは、何度か損失を出すとすぐにそのやり方を諦めてしまうことです。予想しても明日のことは誰も分からないのです。

どのような投資手法でもパーフェクトなものなどありません。どんなに成功している投資家でも、すべての投資で利益を得ているわけではありません。利益を出したり損失を出したりしながらもトータルで利益を出しています。そのためには自分の信じたやり方を貫く強さも投資では大事なのです。

上記の3点、心当たりはありませんか?。



   ≪ 習慣づけ ≫
2025/05/03(Sat)

2025/04/26 のコメントです。

株式投資を行う者は誰でも成功したいと願う。その道で成功したいということは、投資に限らず、一般社会での成功も同じようなものではないだろうか。私は、投資で成功することは、一般的な「成功する」といった概念と同じことではないだろうかと考えています。

目標(成功)を達成するためには、とてつもなく長い時間と粘り強い努力を継続させることが必要になります。その過程の中には多くの失敗もあるだろう。やめたくなることもあるだろう。それでも、あきらめることなく継続して頑張ることが、一般的に言われる成功の概念でしょう。

成功するためのノウハウは巷にに溢れんばかりにあります。成功を収めた体験や手法が紹介されているようです。しかし、言わんとするところを突き詰めていくと皆同じではないだろうか。物事は常にシンプルなのです。

では、成功するために一番重要なことは何であるか。それは簡単です。「成功するまでやめないこと」。「えー」と言われるかもしれませんが、究極はこれだけでしょう。実にシンプルです。シンプルゆえに実行できないという側面もありますが、要は諦めないで継続するという単純なものなのです。

投資の世界で成功するためには「損切りすること」であろう。しかし、これもシンプルすぎて実行できない。これらの問題を突き詰めていくと、最終的にはそれぞれの個人の問題となってくる。もともと粘り強い人もいれば、飽きっぽい人もいる。

いくら素晴らしいノウハウ本を読んでも、いくら投資必勝本を読んでも最終的に実践するか否かは本人の問題ですので、今まで成功におぼつかなかった人は外部からの知識より、本人自身の内部改造が必要となってくるのではないだろうか。

本人自身の内部改造、つまり自己改革をするにはどうすればよいか。自己改革するために一番重要なこと、それは「習慣づけ」です。習慣とは毎日同じことを繰り返すことです。習慣づけをして自分を変えていくのです。私は自己改革するには、これ以外にはないと考えています。

では、投資で成功するためにの「習慣づけ」とはどのようなものなのでしょうか。上記にある一般的な成功の基本は「成功するまでやめないこと」。投資で成功するための一番重要なことは「損切りすること」です。

これらを組み合わせれば「損切りすることをやめないこと」となります。これが投資で成功するための基本であり原点なのです。非常にシンプルではありませんか。これを習慣づけして継続すれば投資での成功は間違いなしです。いかがでしょう。



   ≪ 付加価値を味方に ≫
2025/04/26(Sat)

2025/04/20 のコメントです。

ボラティリティの低下はリスク低下をもたらしますが、反面、収益の低下も招くことになります。投資では収益を上げることが一番の目的ですが、収益の低下となっても、リスクが増大するよりは良いのではないかと考えます。

株式市場は現在、大きなボラティリティが発生しています。大きなボラティリティは、リスクは大きくなりますが、それなりの収益を得ることができます。皆さんはいかがでしょうか。

投資とは将来を見極めることであり、結果論は何の役にも立ちません。しかし、これから先のことは誰にも分かりません。分からない状況で投資活動をするから投資家には常に不安が付きまとうことになるのです。

私は以前から相場の予想は一切しないと述べています。「では、予想もしないでどうして投資ができるのか」と質問されます。その答えは「現在の株価だけで判断している」ということです。

たとえば、相場変動が往来相場であったなら(実際には分からないのだが)、現在の株価が往来相場の下限近くであれば割安な水準にあるのではないかと判断できるでしょう。このように現在の株価の水準により割安か割高か判断できます。ここでは割安、割高の判定であって、これから先の予想はしていません。

しかし、この割安、割高の判定では失敗も多いのです。なぜなら、これらは往来相場であるという前提が付いています。もし、この前提が崩れたら失敗することになります。往来相場からブレイクアウトして、下降または上昇トレンドに入ったときなどです。

投資においては「たまたま」「偶然」では、長期的に収益を上げることは難しくなります。では、これらをクリアできる方法はあるのでしょうか。・・・ないと思いますが。

そこで、私の手法に限って説明しましょう。この方法が万人向けとは思っていません。私の投資手法は、順張りのトレンドフォローによる売買手法です。トレンドフォローもある意味では順張りであり、順張りも短期的な意味ではトレンドフォローであるとも言えます。どちらも相場の流れに沿った売買です。

たとえば、商品製造会社が売れそうな商品を開発しようと考えたとします。そこでまず、これから売れそうな商品は何だろうと市場調査をします。時代にマッチしたニーズの高い商品でなければならないことは必須です。

ある意味、ここでの商品開発と投資とは同じような意味合いを持つのではないだろうか。これから売れそうな商品と、これから値上がりしそうな銘柄と・・・。売れそうな商品とは時代のニーズに合った商品です。つまり時代のトレンドに乗った商品の方がトレンドという付加価値が付いて販売数を増やすことができるでしょう。

つまり、トレンドという付加価値を味方につけて、多くの商品を販売しようとすることが効率的と考えるはずです。投資においても同様に相場の流れ(トレンド)に乗って売買することが、より多くの収益をもたらすことになるのではないだろうか。

私の語録に『商機とは時代背景を読むことなり。時代背景に逆行し努力しても労多くして功少なし。ただ、時代の変化は早い。』とありますが、ここでの時代背景とはトレンドであり、そのトレンドに逆行すると成功もおぼつかないという意味です。これは私が投資体験から感じ取った内容です。

買い仕掛け後に株価が下がり、これはまずいとナンピンを入れる。一方、買い仕掛け後に株価が上がり、そこで再度買い増しを入れる。ナンピンと買い増し、どちらが精神的に楽だろう。精神的に楽な方は損をし、精神的に苦痛な方が利益を得る。どちらが良いかは、投資家の成績として明確に現れます。一考されたし。



   ≪ 自分の実力で ≫=
2025/04/20(Sun)

2025/04/13 のコメントです。

皆さんは今まで投資活動の過程で一番成績が良かった時を思い出してみてください。そして、その成績が良かった要因は何であったかを振り返ってください。

成績が良かった要因は投資家それぞれであると思いますが、その要因の多くは「大きなトレンドの発生」によるものではないだろうか。つまり、トレンドに乗って次から次へと売買し収益を収めた時ではないだろうか。

投資の世界は「勝てば官軍」的なところもあるのだが、その時の収益は何によってもたらされたのだろうか考えてみたい。収益は「自分の実力」それとも「トレンドの発生」、あるいは「偶然」によるものであるかを思い出してほしい。

もし、その収益が「自分の実力」であったならば、その後の相場変動にかかわらず、現在でも収益は右肩上がりとなっているはずだ。もしそうでないなら、その収益は「トレンド発生による偶然」ではないだろうか。

投資家は、この区別をしっかりと認識しておかなければなりません。「あの時は良かった」と懐かしい思い出話をしても、それが実力であったのか偶然であったのかを考えていただきたい。

あるヘッジファンド・マネージャーは、下降相場になり、リターンが低迷し、顧客資産は流出してファンドの閉鎖を決めた。「良いことにも終わりが来るということが、最近、我々にとって明白になった」と顧客宛ての書簡に記した、という記事があった。トレンドが思惑と反対になれば、個人投資家もプロも同じようなものだ。

私の語録に「追い風を自分の実力と錯覚するな。追い風はいつか逆風となる」とあるが、これは、私自身の体験のもとに、自分自身に対する戒めとして、今でも心に刻んでいます。

勝利は実力で勝ち取りたいものですね。



   ≪ 努力に無駄はない ≫
2025/04/13(Sun)

2025/04/06 のコメントです。

最近、特に日本のサッカー界は世界で目を見張るような活躍しています。男子サッカーもさることながら、女子サッカーも世界で大いに活躍しています。

選手たちは過酷な競争を勝ち抜き、出場の機会を得て頑張っています。しかし、勝負(競争)とは厳しいもので、懸命に努力してきたにもかかわらず出場の機会を得られない選手がどれだけいることか・・・。

長い間練習を積み重ねて、やっとの思いで出場の機会を得たものの、不甲斐ない結果で終わってしまうこともあるでしょう。このことだけをみると、今までの努力もむなしいような気もしますが、私は、そこまでたどり着くまでの過程に価値があると考えています。

私の語録に「結果に依存しすぎると、人生は意味を成さなくなる。結果とは関係なく、そのプロセスの中に、いかに楽しみ、喜びを見いだすかである」とあります。つまり、努力し続けることに価値があり、その過程において人間的な成長が育まれるものと考えます。

投資の世界のように、努力しても期待する結果が得られないことも多い。しかし、努力しなければ何も得られない。私も長い間投資の世界に身を投じ頑張ってまいりましたが、たしかに努力に対する見返りはごく少ないものです。

しかし、ここであきらめたら今までの努力がすべて無駄になります。紆余曲折の努力の中に、投資以外の何かを発見することもあります。人生における何か大切なことを見出すこともあります。

努力することにより、結果的には本来の目的を達成できなくても、目的以外の貴重な体験を得ることができるものです。これは私の経験上、間違いないところと考えています。つまり「努力に無駄はない」ということです。トータル的には必ずや努力に見合った、いや、それ以上の何らかの見返りはあるものです。

たとえオリンピック選手がメダルを取れなくても、そのプロセスの中に人生における大いなる財産を築いているに違いありません。結果をあまり考えすぎず、今できること、今しなければいけないことをしっかり積み上げていくことが大切なのではないでしょうか。あきらめず決して断念しないことです。そしてチャレンジすることです。



   ≪ デイトレードについて ≫
2025/04/05(Sat)

2025/03/29 のコメントです。

私自身はデイトレードは行いませんが、デイトレードについてのご質問が多いため私なりの基本的な考え方を説明してみます。デイトレードについては、多くのノウハウ本が氾濫していますが、投資の基本だけはしっかり身に着けてから実践に入っ
てください。

株式投資の三要素は、相場観測、銘柄選択、売買テクニックですが、デイトレードは一日での手仕舞いですから相場観測はあまり必要ないようにも思えますが、デイトレードにおける相場観測は、トレンドの方向性の確認程度は必要かと思われます。

次に銘柄選択ですが、取引されるている銘柄も多くありますので、その中から銘柄を見つけ出すには何らかの基準が必要です。まず銘柄選択時には、出来高(取引量)が多いことが必須となります。株の売買をする場合、出来高の多さは非常に重要です。日中の取引銘柄の出来高がどう変化しているかにも注視しなければなりません。

出来高の多い銘柄は、出来高の少ない銘柄に比べチャート上の出来高の増減がはっきりしています。この増減に慣れてくると、それに伴って次に株価がどう動くのかある程度理解できるようになります。

続いて、株価の値動きの幅が大きい銘柄を選択します。出来高が多い銘柄でも、値動きの悪い銘柄もあります。銘柄によって出来高はランキング上位に入っているにもかかわらず、値動きはほとんどしていない銘柄もあります。いわゆる低位株と呼ばれる銘柄ですが、1日の値幅が3円から10円程度で、何千万株も取引される銘柄です。このような銘柄は資金力のある証券ディーラーなどに好まれますが、個人投資家には向きません。

デイトレードで扱う銘柄は、値動きがある程度激しい銘柄、一日の値動きの幅がその銘柄の株価に対して5%以上の銘柄を扱うことが多いようです。なぜなら、一日で利ザヤを稼ぐデイトレーダーにとって値幅の広さが重要だからです。

例えばA社の株価が現在3000円で前日の高値が3150円、安値が2950円だった場合、(高値3150−安値2950)÷3000 =0.066。つまり6.6%の値動きがあることになります。これくらいの値幅があれば十分利益を得ることが可能となります。従ってデイトレードをするなら必然的にこのような動きの銘柄を選ぶことになります。

次に、板に注文がしっかり入っている銘柄の選択となります。板とは現在の値段に対して、注文がどれぐらい集まっているかを示す買い注文と売り注文の集合体のようなものです。値動きが荒い銘柄でも、この板の注文がしっかり入っているような銘柄はチャートの動きがわかりやすくなります。

以上が銘柄を選ぶコツとなります。このような特徴を揃えた銘柄の選択となります。銘柄選択は、公開された出来高ランキング上位銘柄などから選択すると容易に選ぶことができるでしょう。また、銘柄選択時には株価の値段によって、5円刻みだったり、10円刻みだったりしますので呼値には注意してください。

銘柄選択ができたら次は実践に入りますが、その前に売買のルールを決めておかなければなりません。

第一にはやはりリスク管理です。つまり損切りの徹底です。損切りはデイトレードにおいて絶対に不可欠な行為です。デイトレードのノウハウ本やウェブサイトでも損切りの重要性は記載されています。損切りについては、いまさら詳しく述べる必要はないと思います。

さらに、ポジションサイズも決めておかなければなりません。ポジションサイズは、現在用意している投資金に対して、どのくらいの資金を一回のトレードにつぎ込むかということです。

デイトレードを始めた初心者が、投資金をフルに使用して取引を行ったならば、おそらくポジションを持った後、心理的に大きな負担がかかるかもしれません。身の丈に合ったサイズで取引するべきでしょう。

またレバレッジをかけるか、かけないかという問題も発生します。これらについても投資家の経験や熟練度によって決めるべきです。たしかに扱う資金量が大きくなれば、当然ながら利益も大きくなりますが、その分損も大きくなります。あせらないことです。

続いて利食いについてですが、利食いについては常日頃から述べていますが、投資では一番難しいのではないかと思います。一発で最高の利食いは難しいので、分割決済などで対処してはいかがでしょうか。

ある投資家が言っていました。「利食い幅と損切り幅を同じにしているんだよ」と。一瞬、それでは儲けが出ないのではないかと思いましたが、彼いわく「勝率を上げるんだよ」と言う。確かにそのとおりではあるが、どのようにして勝率を上げるのだろうか。いろいろな売買法があるもんだなと感心しました。

デイトレードには向き、不向きがあるため、積極的にお勧めするものではありませんが、いずれにしてもルール厳守で挑みたいものです。



   ≪ 投資技術の以前に ≫
2025/03/29(Sat)

2025/03/22 のコメントです。

当コメント欄は株式投資に対しての解説であるのに、あまり技術的な解説がないのではないかとの質問がときどきある。まさにご指摘のとおりです。私自身もテクニカル派を自認している立場からもっと投資技術の解説するべきであると思うのだが。

ここで言う投資技術とは、相場観測や銘柄選択、売買テクニックであろうが、私としては、これらの技術を習得する前にもっと大事なものがあるような気がする。たとえば、投資技術の上からここで損切りしなければならないとしても、それを確実に実行できなければ何にもならない。これでは絵に描いた餅になってしまう。

誰でも投資技術を身につければ即収益に繋がると思い、投資セミナーに出かけて行き、また、投資指南書をむさぼるように読む。その内容の真贋は別として、それらを習得して現実的に収益を上げられただろうか。何が間違っているのだろうか。

投資は投資家の最終決断によって実行される。その実行時の投資家の心理状態を考えてみよう。もし、その投資家がトータルで収益を上げているならば、損切りも容易にできるであろう。しかし、技術的にはここで損切りしけなければならないことは分かっているが、損失額を計算すると大きな損失となり損切りを躊躇してしまう。

投資の世界では、このようなことはよくあることで、大きな損失になる前に何らかの手立てはなかったのだろうか。大きな損失を被らないためにも確固たる投資技術も必要なのだが・・・。

さて、投資家は大きな損失を被ると「こんなはずではなかったのだが・・・」、あの時ルールを守っていればと後悔し心が折れてしまう。しかし、その後悔は何度も繰り返しやってきていまだに改善されない。何が悪いのか。

ある資料に「心が折れやすい人と逆境に強い人の思考習慣の違い」について書いてあった。心が折れやすい人の思考習慣には次のような特徴が共通して見られるとのことです。

「いつも誰かと比較して自分の欠点ばかり見ている」「相手の嫌な面ばかり見て、相手が全て悪いんだと思い込んでいる」「漠然とした不安や心配を堂々巡りさせている」「視野が狭くいろいろな視点から物事を見つめられない」「物事を先延ばしにして、行動できない」「自分ではどうしようもない環境にばかり愚痴をいっている」「完璧にやろうとしすぎて疲弊する」「過去の失敗にずっとクヨクヨしている」

皆さんはいくつ当てはまっているでしょうか。私としては、悲しいかな、ほとんどの項目に当てはまっている。誰でもいくつかの項目は合致していると思います。これらの「心が折れやすい人」が克服する方法は、市販のノウハウ本などにいろいろと書かれているので今更ここで述べる必要もないでしょう。

要は、追い詰められたときにどう対処するかである。誰でも追い詰められると、心が折れ、ネガティブになり最後にはパニック状態になる。これでは投資に限らず何事でもうまくいかない。

私はこのような考えています。どのような冷静な人でも追い詰められると正しい判断ができなくなる。では、追い詰められる状況をいかに回避するかである。投資には絶対はないが、追い詰められる状況をできるだけ作らない方法を考えてみてはいかがだろうか。

「追い詰められる状況を作らない」ということは、究極的に投資の世界では「大損しない」ということではないか。投資では損失は避けられないが、大損は避けられるような気もする。

大損を避けるにはどうすれば良いか。これは簡単なことです。「こまめな損切り」です。そんなことは分かっているとブーイングされそうですが、物事を突き詰めていくと、究極はシンプルでやさしいことなのです。投資の世界は、売りと買いしかないので何も複雑に考える必要はないのです。シンプル・イズ・ベスト。 

上記のように、投資で成功するためには投資の技術的な問題以前に、投資家自身が克服するべき問題があるような気がします。このようなことから、当欄では投資技術以前の問題をテーマとして多く解説しています。この点をご了承ください。



   ≪ 感情を排した投資 ≫
2025/03/22(Sat)

2025/03/16 のコメントです。

ストレスは投資家にとって厄介なものとなる。ストレスと投資収益は表裏一体のものであり、投資活動を続ける限りストレスは切り離せないものである。そこで、このストレスに関して、学者たちが研究した文献がありましたので紹介しましょう。

ケンブリッジ大学のジョン・コーツ氏とジョー・ハーバート氏は、ロンドンの株式市場で働く複数の男性フロアトレーダーからさまざまな種類のホルモンを採取、その量を測定した。その調査は、ホルモンの分泌パターンが市場の動きやトレーダー個人の成績(またはその両方)と関連があるかどうかだった。

研究の結果、2つのことがわかった。そのうちの一つはコルチゾールに関するものだった(コルチゾールはヒドロコルチゾンとも呼ばれる。副腎皮質ホルモンの一種である糖質コルチコイドの一種)。

ストレスを受けると、コルチゾールの分泌が促進されるという。肉食獣に襲われそうになった動物が逃げるときのようなストレスを受けた場合、コルチゾールは命を守る役割を果たす。だが、人間ならではの慢性的な心理的ストレスにさらされれば、長期的にコルチゾールの分泌量が増え、ストレス関連の疾患にかかるリスクが高まる。

では、トレーダーのコルチゾールの分泌量はいつ増えたのだろう。損失を出したときと思うかもしれないが、実はそうではない。コルチゾールの量が増えたのは市場の変動率が高いときだった。物事をコントロールできないときや状況が予測できないときに心理ストレスが生じることを考えると、非常に納得がいく。

コルチゾールは全身に影響するだけでなく、認知や感情、行動にも及ぶ。コーツ氏とハーバート氏はこの結果から、「コルチゾールの量が増えると、トレーダーの意思決定にどのような影響があるのか」という極めて重要な疑問を思いついた。

これこそコーツ氏とその同僚が今回の研究で取り組んだテーマである。この研究結果も米国科学アカデミーで発表された。

コーツ氏らはボランティアの被験者にコルチゾールを投与した。投与量を慎重に調整して、08年の研究で観察した中程度のストレス状態を作り出し、その後、被験者にリスクを伴う金融ゲームをしてもらった。

どのような結果になったのだろう。コルチゾールの量が一度上昇しただけでは何の変化も起きなかった。しかし、8営業日続けてコルチゾールを投与すると、被験者は金融ゲームをする際にこれまでとは違った行動を見せるようになった。期待収益が低くなり、同じような投資の仕方を繰り返すようになった。言い換えれば、被験者はリスクを取りたがらなくなったということだ。

これも過去の研究と一致している。被験者がある方法で難しい課題にうまく対応できるようになったとしよう。突然、その方法で対応できなくなったとしたら、被験者は新しい戦略を試みるべきなのだろうか。

おそらくそうだろう。しかし、こういう状況に直面すると、私たちは新しい方法を試さず、これまでのやり方に固執することが多い。幸運を祈ったり、勝負下着を身につけたりして、同じことを何度も繰り返す。繰り返すスピードは速くなり、回数も多くなる。

これまでの研究で、人間も実験動物もストレスとコルチゾールによってこのように物事に固執することが明らかになっている。こうした結果は気がめいるような生物学的事実にも裏付けられている。ストレスが続いてストレスホルモンにさらされると、意思決定において重要な役割を示す前頭葉が萎縮してしまうのだ。

市場の変動率が高くなると、ストレスホルモンの分泌量が増えて、その結果、人々はリスクを回避するようになる、とはどういうことなのだろうか。トレーダーにとってプラスなのだろうか、それともマイナスなのだろうか。

コーツ氏も強調しているように、最も重要なことは、我々は物事をできるだけ効率的に行う機械ではなく、あらゆる行動が生物学的な見えない手に操られている生命体であるということだ、と結論付けている。

以上が学者の研究結果であるが、要は「我々は物事をできるだけ効率的に行う機械ではない」と言うことであろう。我々は効率的に行う機械ではないため、結果的に相場では負けるということを証明しているのだろうか。

人間には感情がある。感情は機械ではない。よって効率的な投資はできないということなのだろう。では、この逆説的な行動では投資で成功を収めることができるということなのだろうか、つまり「感情を排した投資」である。

投資家は、これらの点を十分に踏まえて投資活動を行うべきであると思います。



   ≪ 負け組 ≫
2025/03/16(Sun)

2025/03/08 のコメントです。

もう何年も投資をしているのに一向に勝てない人には、どんな問題があるのだろうか。あるデータより検証してみたい。現在の自分の投資手法と照らし合わせて考えてみてはいかがだろうか。

投資家1万人の調査データ(ザイ・オンライン)をこまめに調べ、資産1億円未満で直近1年の成績が0%以下の人を負け組と定義し、勝ち組の人と比べてみた。

負け組の平均年齢は51.5歳とやや若めで、株や投信への投資年数が浅め。日本株での過去1年の実績は0.6%増と、80%増の勝ち組と比べるとかなり低い成績だ。また、投信を買っている人はわずか20%に過ぎず、低コストのネット証券で投資をしている人も28%と3分の1以下で、コストに気を配らない投資家が多いことがわかった。

投資スタイルでも、勝ち組との差が顕著に出ている。たとえば、「投資のタイプ」では、株では株主優待狙いがダントツで、投信でも分配狙いやローリスク・ローリターン狙いが多い。さらに、「1年間で許容できる損失」については、「元本割れは許容できない」人が48%と、リスクを回避する志向が強いことも判明した。

さらに、驚くべきは「投資のルール」で「守っているルールがない」という人がダントツに多かったこと。「分散投資」はかろうじて20%近くになったが、その他の項目はおおむね10%以下。また、「銘柄選びのポイント」では、「株主優待」と「配当利回り」の2つのみが30%を超え、勝ち組に多かった「相場全体の動き」はなんと0%。非常に狭い視野で銘柄を選んでいる。そして、「会社名を知っているかどうか」を重視している人の割合も、勝ち組と比べると多いのが特徴だ。

「儲けるためのポイント」でも、売買タイミングよりも、「銘柄選び」と答える人が多く、さらに「収支の確認頻度」は、株式投資においても「1日に1回」はわずか24%で、銘柄選びをした後はほったらかしにする人が多い。総合してみると、「リスクは回避したいけれど、買ったあとはほったらかし」という矛盾する行動が負け組の特徴だ。

元本割れを許容できない人は投資が何なのかがわかっていない。投資はリスクを前提で、どう収益をあげていくかを考えなければならず、買った後にほったらかしにするのは愚の骨頂です。また銘柄選びだけに固執するのもダメ。株主優待、配当、知っている株かどうかだけで銘柄を選ぶのは、負けて当然です。

上記のように、負け組にはそれなりの理由があります。投資には「絶対」はないわけですので、投資でやってはいけないことを消去法で除いていって、やはり自分の投資手法を確立していくべきでしょう。



   ≪ 大いなるチャレンジ ≫
2025/03/08(Sat)

2025/03/01 のコメントです。

株式市場では突発的なニュースやサプライズがあるため、すべてが理論的な変動となるとは限りません。誰でも自分が買った位置から株価を見ています。よって、売買の一番多い価格帯が節目(抵抗線)となりうるわけです。

さて、当コメントを閲覧されている方で、まだ株式投資をしていない、または、現在はお休みしている方も多いのではないでしょうか。「株式投資は怖いから」「以前にだいぶ損をしたので」などの理由で市場に参加していない方もいることでしょう。

たしかに、株投資には元本保証がありませんから、投資金がゼロになる可能性は否定できません。その事実を多少なりとも理解している方は、「株は恐い」と感じるのでしょう。

また、年齢を重ねるにつれ新しいことに挑戦する意欲が失せてくるのも事実。株を始めることに関し「煩いが増えるのはいやだ」という方もいるでしょう。人というのは、年を取れば取るほどリスクを嫌がりますし、なるべくシンプルに生きたいと感じるものです。

しかし、「守りだけでは堕ち行くだけ」という話もあります。常に向上心は持つべきであると思います。格言に「夢を失ったときに、はじめて老いる」とあるように。

株は恐いと感じるのも無理はありません。もちろん無鉄砲に株投資をするのは間違っています。時間的にリスクのとれる若いうちに株投資を始める方が賢明だという話もありますが、私は「チャレンジに年齢や時期は関係ない」と考えています。株式投資では、良くも悪くも一般社会では体験できないような感覚が味わえるのも魅力のひとつでしょう。

株式投資に限らず、何か新しいチャレンジをするときにはワクワクします。考え方もポジティブになります。この前向きの高揚感が若さを保つ秘訣でもあります。

私が見ている限り、退職後は夫婦で旅行に、あるいはゴルフ三昧にと大いに人生を満喫しているように見えます・・・が。それはそれで良いのですが、私から言わせていただければ、あまりにもワンパターン過ぎないだろうか。私には、旅行、ゴルフは大いなるチャレンジとは思えないのです。周りがみんなそうしているから、何の抵抗もなく自分も右にならえとなるのでしょうか。

こんな話をすると「人にはそれぞれに価値観があるんだから、あんたには言われたかねえよ」となるでしょうが、私としては、株式投資に限らず、もっと想像力を働かせた大いなるチャレンジはいかがなものかと考えます。「想像力は道を切り開き、未知の領域に導いてくれる」のです。

あるアンケートに「晩年になり、今、一番後悔していることは何ですか」との問いがありました。その答えのトップはなんと「チャレンジしなかったこと」だったそうです。



   ≪ 集合と分散 ≫
2025/03/01(Sat)

2025/02/22 のコメントです。

ニュースに下記のような記事があった。

『億万長者やそれ以上の富裕層を名乗ることができるのは、世界人口のわずか1%だが、その人々が世界の富のほぼ半分を占め、しかもその割合が増加していることが、7日に発表された新しい報告で明らかになった。しかも、その割合は2013年の45%から着実に増えており、格差が世界中で広がりつつあるとする経済学者らの不安を裏付けている。一方、残る53%の資産を、世界人口の99%で分けていることになる。世界の富裕層にとってオフショア金融センターは依然として重要で、タックスヘイブン(租税回避地)には約10兆ドル(約1070兆円)があり、この額は昨年約3%拡大した。』

このような記事を読んで皆さんはどのように感じられたでしょうか。「自分には関係ないよ」「困ったものだ」「何とか是正しなくては」などと、意見はまちまちであると思います。

今後の世界の経済はグローバル化し、ТPPに代表されるような聖域なき関税撤廃による自由化が進んでいくものと考えます。このような状況を客観的な視点から見た場合「グローバル化」「関税撤廃」「自由化」と、文字だけ見れば理想的とも思える。

しかし、それぞれの国には風土的特性や経済的格差があるのも事実であり、これらを無視した自由化には問題が生ずることになりはしないか。事実、EUの加盟国ででも、このような問題は取りざされている。

上記の記事にあるように、世界人口のわずか1%が、世界の富のほぼ半分を占め結果になるのは、グローバル化や自由化がもたらしたとも考えられる。経済学者たちは、このような格差が今後ますます広がるのではないかと危惧している。

EUは東側諸国や西側諸国に対抗する意味で、また、グローバル化や自由化に対して、さらに強力な結びつきが必要となってEU(欧州連合)を結成することになったわけです。

このように、弱い者はみんなで集まって(集合)団結して強い者に対抗する。そこで、ある程度力が付いてくると、今度は自己主張が強くなり分裂(分散)することになります。過去の世界の歴史を見ても多くはこの繰り返しです。これは宇宙の成り立ちと同じように「集合と分散」を繰り返すことになります。自然の摂理は皆同じ。森羅萬象、皆どこか似ているものです。

上記の「世界人口のわずか1%が世界の富のほぼ半分を占め、しかもその割合が増加している」が、さらに進んでいけばどのように状況になると思われますか。それは「分散」という結果になります。もし、100人中、一人しか食べるものを持っていないとすると、その後どうなるかは想像できますね。

「グローバル化」「関税撤廃」「自由化」は、すばらしいものですが、そこに規律や責任がなければならない。人間は一人では生きていけないのですから・・・。

投資の世界にも確実に「グローバル化」「自由化」が進んでいます。現在の投資市場はさらにグローバル化され、海外の市場でも売買は可能です。投資家の精通した市場での売買ができます。また、多くの指標も上場され売買が自由です。投資家にはメリットのある売買手数料も自由化されています。

しかしながら、投資家は自己規制して自分を見失うことなく「グローバル化」「自由化」の波に飲み込まれないようにしたいものです。自己ルール厳守(自己規律)です。


『欲深き人の心と降る雪は、積もるにつれて道を忘るる 』



   ≪ ストップロス(逆指値) ≫
2025/02/22(Sat)

2025/02/15 のコメントです。

投資市場は経済指標などが発表されると一時的にも大きく変動する。株式市場も同様ではあるが、特に為替は米国の雇用統計発表時には大きくぶれる。これらにより、笑う者、泣く者に分かれる。投資市場は歓喜と絶望の世界でもある。

為替の取引を行う友人は、この雇用統計発表時が最大のチャンスと見て売買しているようだ。その成果については聞いていないが、現在でも売買を続けているので、それなりに収益を上げているのだろうと思う。私には真似のできないところである。

たしかに、雇用統計発表時には極端な動きをするので面白い。しかし、ハイリスク・ハイリターンであることには違いない。くれぐれも注意して取引されることを願うばかりです。

米国の雇用統計発表(日時)は事前に分かっているので、それなりの対応ができる。しかし、予測もしない経済指標発表や事件、事故などのサプライズには事前に対応(心の準備)ができない。しかし、投資市場とはそのような場所なのです。

サプライズはいつ何時、何が起こるかわからない。日中は仕事をしているし、夜は寝ている。「どれどれ、今日の成績を見てみようか」とパソコンを覗くと、とんでもない価格になっている。間違いではないかと再度確認するが、とんでもない価格が正しい価格だったなどの経験はなかったでしょうか。

投資市場は何があってもおかしくない世界です。ファンダメンタル派は、このような価格になるのは理論的にもおかしいなどと言っても、どのような価格でも投資市場では常に現在の価格が正しいと受け止めるべきです。

このようなサプライズに対応するのがストップロス(逆指値)であろう。為替の運用者には当然であると思われますが、株式投資においてもストップロス(逆指値)は必須です。ストップロス(逆指値)を取り扱わない証券会社もあるようですが、投資の世界では何があるか分からないため、ストップロス(逆指値)が採用できる証券会社に変えるべきでしょう。

「自分は長期投資であるからストップロス(逆指値)など必要ないよ」という投資家もいるかもしれませんが、私としては、長期投資であっても必須ではないかと考えています。買い専門の長期投資でもある程度の水準を切ってきたら一旦処分して、再度、その価格になったら買い直すなどの措置をとるべきだと思います。なぜなら、投資の世界は魑魅魍魎の世界でもあるのですから・・・。

私は現在、先物市場で売買していますが、ストップロス(逆指値)は絶対必要です。先物市場は日中取引と夜間取引があるため、それぞれの取引にストップロス(逆指値)を入れて売買しています。

ストップロス(逆指値)を入れた売買では「どれどれ、今日の成績を見てみようか」とパソコンを覗くと、すでにストップロス(逆指値)に引っかかり持ち株がなくなっていたということもしばしばあります。これで良いのです。



   ≪ 実践の難しさ ≫
2025/02/15(Sat)

2025/02/08 のコメントです。

「長年投資活動をしているが、一向に儲からないなあ。昔は大きく儲けたこともあるんだがなあ・・・」とぼやいている投資家も多いはずです。投資の世界であるから儲かる時もあるが損する時もある。大事なのはトータルの成績である。現時点でトータルマイナスであれば問題である。

よく聞く話であるが、ボクシングの試合で自分が苦しいときは相手も苦しいんだよ。スポーツは、おしなべて我慢比べのようなものである。では、自分の成績が悪い時、他の投資家はどうなんだろう。

だいぶ昔の記事ではあるが、現在にも通じるあるニュース記事を紹介しよう。
『市場全体が上がっても下がっても利益を上げる「絶対収益」を追及するヘッジファンドですが、リーマンショック後の2009年頃から収益が上がらず苦しむところが増えています。ヘッジファンド全体の投資収益率はこの7年間、株価指数「S&P500」にも大きく負け続けているのが実情です。昨年(2015年)も、「S&P500」の年間投資収益率がマイナス0.7%であったのに対し、ヘッジファンド全体のそれはマイナス1.0%と下回り、またも敗北を喫してしまいました。ヘッジファンドは顧客から、投資残高に対し平均年1.5%の「運用報酬」と、年間の運用益に対し平均20%の「成功報酬」を取っています。株価指数に連動するよう構成され、タダみたいな運用報酬しか取らないインデックスファンドやETFにすら負け続けるのであれば、存在意義が疑われます。事実、世界のヘッジファンドには現在3兆ドルの運用残高がありますが、今年は初めてETFの運用残高に抜かれる見込みです。まあ成績がこのありさまでは致し方ないでしょう。2015年の運用成績が悲惨だったファンドに「グリーンライト・キャピタル」があります。主宰者はデビッド・アインホーン氏、アクティビストとして有名な人物です。同ファンドは株式のロング・ショート運用を行っていましたが、2015年は何と20%ものマイナスだったようです』

やはり、自分が苦しい時は相手?も苦しいようです。ではなぜ、継続的な収益を上げることが困難なのでしょうか。

ある投資家と話をする機会があった。彼もまた成績が振るわないようであった。彼から「どうすれば継続的な収益を上げることができるのだろうか」と、決まり文句のような質問をされた。

私は「畑に種を蒔いた。しばらくすると芽が出てきた。君なら次に何をするか」と尋ねた。すると彼はポカーンとして、うーんと考え込んでしまった。さらに私は、「誰にも負けないような収穫を得るには何をするべきか」と質問した。

彼は「肥料をたくさんやるべきか」とつぶやいた。ここで言う「肥料」とは、投資の知識であろうか。「では、知識がたくさんあれば投資で収益を上げることは可能か」と質問した。知識のある経済学者はみな億万長者になってもいいはずだ。しかし、そのような話を聞いたことはない。さらに彼は考え込んでしまった。

「より良い収穫を上げるには、元気な芽をのこして、あまり育たない芽は間引きするんだよ。そうすれば、元気な芽に栄養が回ってすばらしい果実を摘むことができるのではないか。これは投資とまったく同じことではないか。それなのに、最初に出てきた芽を次々と刈り取ったのでは果実がならないのでは・・・。あまり良く育たない芽は間引き(損切り)するんだ。そして、元気な芽だけを残してすばらしい果実(収益)を育てるんだよ」と話した。

彼は言った。「それは分かっているができないんだよなあ」と。つまり、理論は分かっているが実践ができないということであろう。投資とは理論と実践であり、どちらが欠けてもうまく行かない。理論と実践は車の両輪であり、継続的な収益を上げられない原因はここにあるのではないだろうか。

実践とは投資家自身の行動である。この行動は投資家自身が決めるものであって、誰も助けてはくれない。では、理論に沿った実践を実行するにはどうすればよいか。この課題は、投資家自身の潜在的な性格に起因するところが多く、一筋縄では解決が難しいところでしょう。これらについては、またの機会に解説したいと思います。




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