2022/03/25 のコメントです。
企業業績が回復すれば、株式投資の基礎要因であるファンダメンタルズにも変化が起こる。当然ながら、ファンダメンタルズに変化があれば、株価にもその変化が先取りされて現れてくるが、最近は新資本主義への国民への期待感などがあったが、ウクライナ、ロシア紛争でリセットされてしまったような感がある。
現在のような乱高下には、当然ながらそれなりの原因や背景があるわけですが、今回の紛争が大きく影響しているのは否めない。株式市場を大局的にみれば、ある程度需給のバランスによって変動しているものの、今回のような突発的事案は読みきれない。
市場はこのところの反発で多くの株式投資家が一息ついたに違いありません。「今まで苦しかったが、辛抱のしがいがあったよ」などとの話を聞く。「夜明け前が一番暗い」という話もあるように、やはり続けることの大切さを思い知らされたような気がします。
さて、当研究所にはいろいろな質問が寄せられます。しかし、その質問の大多数は「御社のシステムの勝率は?、年率は?」が大部分を占めます。投資家サイドの関心はこれらが一番重要であることは理解できます。
しかしながら、これらの質問の返答には大変困ってしまいます。たとえば「年率は?」については、現実的には相場しだいということになり、何とお返事して良いのか困ります。投資家サイドは高い年率を期待しての質問とは思いますが、現実的に平均してみれば期待するほどの高い利回りにはなりません。
投資ファンドであっても、長期的に平均すれば年率2〜3パーセントだという。彼らは大きな資金で運用するためこの程度の利回りでも十分だと言っています。たまに、ファンドの運用で2桁の利回りを達成したなどのニュースを聞きますが、これらはごく一部で、たまたま追い風に乗ったものであり、実際にはマイナス利回りのファンドもあり、平均すれば利回りもそう高くはなりません。
しかし、投資家は市場に夢を抱いているため高い利回りを期待します。夢は夢として、もう少し足を地に着けて現実的な判断をしていただきたいと思います。投資利回りは、市場金利ベースに対して、どのくらいのパフォーマンスを得られるかというレベルで判断するべきです。
また「勝率は?」に対しては、「50%前後です」と答えると、「それじゃダメだ」と言われます。実際に私の運用における勝率は30%強でしかないのに・・・。よく投資の広告に「勝率80%以上!」などとして宣伝しているところもあるようですが、私からすれば眉唾ものでしかありません。
上記のような質問に対して、「当研究所のシステムでは、皆さんが期待するほどのパフォーマンスは得られません」と答えています。すると「そうですか」と話は終わってしまいます。私はそれはそれでよいと思っています。
誰でも投資の世界には夢を抱き、期待に胸を膨らませて参入するものですが、特に新規参入者の皆さんには、もう少し現実的な目で投資の世界を見ていただきたいと思うところです。 |