2021/06/04 のコメントです。
私は常々「世の中の常識は非常識」と述べています。これは極論であり、長期的スパンでの見方ですが、あながち間違いでもないような気がします。
投資の世界では「長期投資」「ブランド投資」が投資の正道と言われています。しかし、私はかねてから「投資の世界で誰でも考えそうなことは通用しない」とも述べています。これらは、私の長い投資体験から感じるものであって、思考をめぐらして述べているものではありません。
投資の世界では、大多数の投資家が損をしていると言われています。やはり、ここでの「大多数」は「誰でも考えそうなことは通用しない」ということを裏付けしているのではないでしょうか。そこで、概念的ですが、大多数ではなく少数派に入れば投資で収益を上げることができるのではないだろうか・・・。
理屈の上では確かにその通りだと思います。しかし、思い通りにならないのも投資の世界です。常識が大多数であれば、非常識は少数派になります。誰でも考えそうなことは大多数であり、誰も考えそうにないことは少数派となります。
「理屈をこねているだけじゃないの」と思われるでしょうが、少数派とは非常識で誰も考えそうなことを考えない人ということになってしまいます。これでは、まるで変人です。「変人」の部分は、私にぴったりなような気もするのですが・・・。
投資の世界にはもうひとつ常識というものがあります。それは「信用取引は危険だから絶対にしてはならぬ」という教え(常識)です。同様に「空売りは危険だ」という常識もあります。確かにその通りでしょう。しかしながら、その危険の意味を深く理解している人は少ない。
信用取引の危険の意味はレバレッジにあります。株式の取引でのレバレッジは3倍程度です。これはリスクの許容範囲内であると思います。銀行から融資を受けて不動産を購入するときも同じようなものでしょう。この3倍程度のレバレッジは、過去の歴史において適正と判断して銀行などでも採用しているのでしょう。しかし、金融先物などはその何倍ものレバレッジが可能です。そこに問題があるのです。
信用取引のメリットもないわけではありません。もし、バブルの時期に買った株式を現物で後生大事に持続していて、それも大きく引かされて塩漬けに・・・。もし、バブル期に信用取引での売買であったなら、とうに6ヶ月の期日で処分されています。どちらが良かったでしょうか。
また、空売りは信用取引でしかできません。またまた結果論ですが、もし、バブル期以降に空売りを実行していたならば、現在のような状況にはならなかったのではないでしょうか。
「株式投資は買いから」ということも常識ではないでしょうか。現在は大底圏だから買いから入るのだと思っても、すでに塩漬け銘柄を多く所有しているので動きが取れない。短期売買においては「大底での買い」も常識の範疇なのです。
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