2021/11/20 のコメントです。
株式市場の変動は、現在の経済状況や世相を表す指標でもあるわけです。タイムラグはあるものの景気が悪くなれば下がるし、景気がよくなれば上昇となります。そのため、それぞれの経済研究所や格付け会社が今後の景気動向を必死になって調査しています。そこで今後の見通しを立てて、各企業の格付けなどを行っているわけです。
これらの格付けはおおむね当っていると思います。大手機関投資家などは、これらの格付けを参考に投資を行っているようです。企業のレーティングが公開されていますので我々個人投資家も活用することができます。
しかし、これらの格付けと株価の変動を的確に結びつけることは難しいものです。もし、格付けと株価変動が一致していれば誰でも儲かることになります。どのタイミングで仕掛けに入り、どのタイミングで決済するかなどの判断の難しさもあります。
株式投資で難しいことは、買い時ではなく売り時にあります。たとえば、投資家自身が四季報や格付けなどで業績上昇銘柄をタイミング良く仕掛けたとします。その後、株価は順調に値上がりして、いざ利食いしようと考えたときに何を基準に利食いをするかという問題が起こります。
個人投資家の利食い基準の多くは、その利幅にあると思われます。投資家がそれぞれ納得できる利幅で利食いするはずです。はたして、それは正しいのでしょうか。仕掛け時は綿密に調査し仕掛けに入るのですが、決済時には投資家の納得する利幅では何か片手落ちのような気がしませんか。
もし、仕掛け時に綿密に調査して仕掛けに入るのであれば、決済時にもさらに綿密に調査して決済するべきではないでしょうか。しかし、投資家は悪材料が出てからの決済では決済のタイミングが遅きに失すると言います。
しかしながら、納得できる利幅で決済したものの、その後さらに大きな上昇となって「もう少し持続しておけばなあ」と思ったことはなかったでしょうか。相場全体に大きなトレンドが発生した場合には、このようなことがしばしば起こります。2割の利幅で、良かった良かったと思いきや、その後株価は2倍にも上昇してしまった・・・。
私はファンダメンタル派ではないので何とも申し上げられませんが、やはり、仕掛け時に綿密な調査をして仕掛けるのであれば、決済時もある程度、ファンダメンタルズを考慮されて決済するべきではないでしょうか。
なぜそのようにするべきかと申しますと、仕掛け時はファンダメンタルズで、決済は投資家の納得する利幅では、あまり理論的ではない。また、決済が投資家の納得する利幅では、結果的に「利益限定」となってしまいます。利幅が大きく取れる機会を放棄している、などが挙げられます。
ここで問題になるのは、やはり「利益限定」ではないでしょうか。「利益限定」は、結果的に投資家の収益にはつながらないものです。投資においての必勝法は「損小利大」ですから、「利大」となる手法でなければ最終的には利益を得られません。
ファンダメンタルズで仕掛けたのであれば、やはり決済時もファンダメンタルズを考慮した決済が理論的であり、正しい手法であると思います。このような場合、具体的にどのような対策を採ればよいのでしょうか。
企業のレーティング等を参考に仕掛けているのであれば、格付け会社などが発表している理論的な目標値などを参考に決済するべきではないでしょうか。いずれにしても決済のタイミングは難しいものです。
仕掛け前は、仕掛けるか止めるかの自由がありますが、仕掛け後には、必ずどこかのタイミングで決済しなければなりません。そのためにも、決済のタイミングについてもう一度考えてみてはいかがでしょうか。
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