2023/11/11 のコメントです。
私は時々、相場とは何ぞやと考える時があります。しかし、今でも明確な答えが出てきません。常々申し上げていますが、相場の世界は答えのない世界であり、歓喜と絶望の世界でもあります。
このような世界では、正しいという答えがないのだから何を言っても罰せられることはない。相場上昇となって○○円になると強気の予想して、たとえ、それが外れたとしても大して責められない。つまり、答えがないのだから何でもアリと言うことなのだろうか。投資の世界とはそのような世界なのだろうか。
ある株式セミナーの責任者が「今まで何百人もの講師を呼んでセミナーを行ったが、本物の講師は一割にも満たないなあ」と言っていた。では、そのほかの講師のセミナーを受けた受講生はどうなるのだろうか。そこに責任はないのだろうか。私が考えるに、分かっていない講師の話をもっと分からない受講生が聞いているのだから文句も出ないのだろう・・・。まったくナンセンスな話しだ。
書店に並ぶ投資雑誌においても同様であろう。相場が動意づいてくると、売らんがためにカリスマ投資家を仕立てて記事を書く。出版社と投資家の間には利益は相関しない。このことは理解しておくべきである。
私も今まであらゆる投資雑誌を読んできた。しかし、最近はこの手の本は一冊も購入していない。ある程度、投資の本質を理解してくると、これらの投資雑誌は、ほとんどいい加減なことが分かる。投資雑誌は投資家を「簡単に儲かりますよ。こんなに儲けている人がいますよ」と投資家を煽るだけです。出版社は本が売れさえすれば良いのです。そこに投資家に対する責任がないのです。
しかし、私が今まで読んだ中で一番印象に残っている本があります。それは「あなたも株のプロになれる―成功した男の驚くべき売買記録」(立花義正著)である。本物はこの一冊ぐらいでしょう。
著者である立花氏がさんざん苦労して学んだ売買手法が記載されています。この本には売買譜も記載されていますが、私が何度読んでも建玉の入れるタイミング、建玉をはずすタイミングは分かりません。彼独自の判断ではあると思いますが、その根拠は分かりません。もちろん、そのあたりのノウハウは公開できないないのは分かりますが・・・。
文章の中に、押し目買いについて記載されています。「高値から二本目の陰線から買い下がる・・・」などと書いてあるので、これは酒田五法の押し目買いの手法であると想像できます。また、買い下がりの建玉も2-3-5などと、建玉数に変化を付けての買い下がりです。このあたりは酒田五法の手法を自分なりにアレンジしたものではないかと想像します。さらに、彼は「パイオニア」一銘柄のみの売買です。
彼の手法を全体から見ると「つなぎ売買」であることが分かります。「つなぎ売買」は投資手法の最高峰と言われています。売買譜より内容を詳細に見ると「これだけ利益が上がったから利食いする。これだけ損をしたから損切りする。」という概念はないように見受けられます。ひたすら建玉の操作だけです。いかに有利に建玉を入れるかに専念しているようです。これらの点は、一般投資家との視点の違いが分かります。
利食いも損切りも考えない建玉の操作だけの売買。皆さんは理解できますか。このように世の中には多彩な投資手法があることを理解しておくべきでしょう。長年投資活動をしていても儲からないと嘆いている投資家は、このあたりで投資の視点を変えることも必要ではないでしょうか。
拙者の格言
『現在の苦境を嘆く。それは過去の最良の時と比較しているからである。だからいつも不満を言う、愚痴をこぼす。視点を変えろ。最良のときはこれからくる。』
|