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…知って得するページ…

   ≪ 分からないことはやるな ≫
2023/02/18(Sat)

2023/02/11 のコメントです。

私の語録に「欲しい物があったら必ず自分で取りに行け。外部のささやき、甘言はすべて拒否せよ。外部のすすめで失敗すると「恨み」だけが残る」とある。つまり、人の勧めには安易に乗るなということです。

「人の勧め」、つまり、セールスなどが昼夜に関わらず攻勢してくる、「これは有利ですよ。これは儲かりますよ」などと、いかにその商品がすばらしいかをまくしたてる。BSチャンネルのコマーシャルなどはその典型かもしれません。これらのコマーシャルも毎日毎日見ているとサブリミナル効果となり潜在意識にインプットされ洗脳されてしまう。

『サブリミナル効果とは、意識と潜在意識の境界領域より下に刺激を与えることで表れるとされている効果のこと』

人に勧めることは、勧められる人にもメリットもあるかもしれませんが、一番メリットがあるのは勧める側であることを自覚しておかなければならない。勧める側に何のメリットもないのに勧めるわけはありません。ボランティアではあるまいし。ともかく、日本人は、お人良しで疑うことことを知らない。「振り込め詐欺」がなくならないのもその辺りにあるのでしょうか。

さて、これらと同様の話ですが、我々の業界でも一時期NISA(ニーサ)の売込みが激しかった。NISAとは、小額投資非課税制度というもので、最高100万円までの株や投資信託などの運用益や配当の利益に税金がかからないシステムである。

誰彼かまわず、100万円までの投資ならどれだけ儲けても税金はナシにしてやるからと、うまいことを言って口座数を増やしてるのです。日本の眠っている金融資産が1600兆円あると言われており、そのお金をわずかな定期預金の利子で増やすよりは株でもやって増やせという、まさに国策事業です。

当然ながら私のところにもNISAの誘いがあった。私は言ってやった。「私は人の勧めは一切受け付けないことにしています。これを信条として生きていますから・・・」と言ったら、その後一切勧誘はなかった。

NISAは一般市民に投資に関心を寄せるためとも言われていますが、NISAにはいろいろ問題があり、制度を変えるべきという考えの人が増えてきました。どういう状況なのか考えてみましょう。

人間の心理としては、口座にお金を入れたら、早速何か株を買ってみたくなるはずです。現在、株価はやや下降ぎみであり、NISA口座のほとんどのお客さんは、含み損を抱えている気がします。

NISAに100万円のお金を口座に入れると、無税としての取引可能額は現物の100万円のみなのです。従来の株取引は回転売買と言って、100万円分の株を買って、それを失敗して95万円で売れば、また95万円から、別の買い物ができた。NISAはその再利用が非課税としてはできないわけです。

つまり100万円で、年に1回か2回のチャンスを的中させて、それで利益確定を狙うことはトップディーラーですら困難なことを全くのビギナーに強いているのです。

個人投資家が含み損を抱えている現在ですが、大手企業側は安定した株の引き受け先が見つかってひと安心していることでしょう。仕方ないので各企業の優待券とかもらって気長に待つしかありません。結局、NISAは各企業や証券会社に非常に有利だったということです。

以上のように、人の勧めには慎重に対処するべきであり、安易に乗らないことです。もしあなたが、何の知識もなくセールスの「儲かりますよ」の言葉を信じ、その話に乗って失敗したらどうしますか。

資産が多くあれば「仕方がない」で済ますことができるでしょうが、もし、虎の子の資金を投入して失敗した場合はいかがでしょうか。怒り狂って「だまされた」となるでしょう。人を恨むことは勝手ですが、欲をかいてその話を受け入れた無知だった自分にその責任の半分はあることを忘れてはいけない。

結論としては「人の勧めには乗るな。分からないことはやるな」ということです。やるなら自分で勉強して納得してから始めるべきです。



   ≪ 何かが間違っている ≫
2023/02/11(Sat)

2023/02/04 のコメントです。

株式市場は現在もちあい状況にあります。株式投資は流れに沿った売買が効率的と考えますが、現状ではその流れがない。流れがなければ儲けることもできない。これらのこう着状態は内外要因の不透明さにあると考えられます。

もちあい期は、市場エネルギーの調整や蓄積の期間であり、株価の変動には必ず付いて回るものです。もちあい期間が長ければ長いほど、休養十分となりその後のブレイクは大きなものとなります。

さて、一般的に今後の株価を予想する場合、現在の状況をベースとして、業績が増益となるか減益になるか、さらに増益となった場合、その増益幅はどのぐらいであるかなどを検討し、株価が上昇するか下降するかの予想をたてるのが通常であろう。

企業業績が増益となれば株価は上昇し、減益となれば株価は下降する。当然のことです。これらは理論的であり普遍的なものであろう。もし、これらが正しいとすれば株式投資で損をする人はいなくなるはずです。

しかし、株価の変動も世の中の動きもすべて理論どおりには動いていないように見えます。理論どおりに動かないのは、当然ながら理論以外の多くのファクターが存在しているからである。これらが作用して「理外の理」となるのではないかと考えます。

私は、その多くのファクターのなかで多くを占めるのは「人間の気持ち」ではないかと思います。景気も気持ちしだいという人もいます。たとえば、投資市場には万年強気派と万年弱気派がいる。また、評論家にも強気派と弱気派がいる。万年強気派が強気派の評論家の記事を読めば、当然ながら「行け、行け」となる。

投資においては強気派でも弱気派でもどちら良いのですが、投資には絶対的なものはなく、通常は、現在自分が置かれた状況によって強気になったり弱気になったりするものです。本来、投資の世界には強気も弱気も存在せず、ただ、出された数値を客観的に見て判断し行動するだけのものではないでしょうか。

私が常日頃から申し上げていますが、投資において一番難しいことは「投資家の感情のコントロール」なのです。人間にはそれぞれ異なった感情を持っています。生まれたときからすでに備わっている感情もあるかもしれません。強気も弱気も個人個人が持ち合わせた感情なのです。これが個性でもあるのです。

投資において一番難しいことは「投資家の感情のコントロール」であると述べてきましたが、投資のために個人個人の感情や個性を変えることは、まずできないと思います。経験や体験によって多少の感情はコントロールできたとしても人間を根本から変えることはできません。

今まで弱気派だった投資家が何らかの方法で強気派となったとしても、追い詰められ究極の選択を迫られた場合、結局は元の弱気派に戻ってしまうでしょう。よって、人間の本質は変えられないのではないかと考えます。

投資においては、強気派でも弱気派でもかまわないと思います。強気派が儲かって、弱気派が儲からないということはまったくないと思います。強気派は相場上昇期には儲かりますが、下降期には大損するかもしれません。反対に、弱気派は相場上昇期には損をしますが、下降期では空売りで大儲けするかもしれません。つまり、強気派、弱気派は投資の成果にはあまり影響しないと考えます。

以上のように、強気派でも弱気派でも投資の成果にはあまり影響しません。本来、投資の世界には強気も弱気も存在しないということになります。では何が投資成果に影響してくるのでしょうか。

投資家個人の性格は変えることはできないし、また、性格(強気、弱気)が投資成果に大きく影響してくることはないことが分かった。では、他に何があるのだろうか。

我々投資家は、売り買いの判断するときには、外部の資料や情報によって判断を下すことが多いのではないでしょうか。たとえば、会社情報や四季報、テレビのニュースや新聞、仲間同士の情報交換などによって判断を下すことが多いようです。

もし、仮にそれらの情報がすべて間違っているとしたらどうなるでしょうか。それらの情報を信じて売買した投資家の多くは損をすることになるでしょう。会社情報や四季報で「来期増益」となっていてれば、それは正しいでしょう。しかし、それらには6ヶ月から9ヶ月のタイムラグがあることをご存知でしょうか。また、我々がそれらを知りえる前に知っている人がいることをご存知でしょうか。

逆説的に、結果的に損をしたということは、それらの情報は誤りだったといえるのではないだろうか。これらは極論、暴論ですが、当たらずしも遠からずといったところではないかと思います。

現在受けている投資情報は「我々は末端の受信者」であること。情報源の真偽のほどは分からないこと。情報により株式投資を行う投資家には、これらのことを十分に見極めて判断する必要があります。よって、投資の成果は投資家の強気や弱気などに起因するものではなく、まずは情報の真偽を判定することではないでしょうか。

まわりくどい話となってしまいましたが、突き詰めると、投資で儲からないのは何かが間違っているということです。その間違いをいち早く見つけて修正できる人が勝者となるのです。



   ≪ 常にニュートラルな立場で ≫
2023/02/04(Sat)

2023/01/27 のコメントです。

昨年の株式市場は長いもちあいの状態にあった。もちあい幅も大きくなく、これでは儲けたくても儲けられない。このような状態の中で、投資家は「儲からないのは何が原因なのだろうか」と大いに悩む。

我々、短期売買の投資家は利幅を求めて売買しているのであるが、その変動幅が小さく行ったり来たりでは儲かるはずもない。儲からない原因は現在の相場変動にあるのです。その手法や考え方に原因があるのではありません。焦らないことです。

あるウェブサイトの投資の欄に「このような相場では逆張りで売買し、相場にトレンドが発生したら順張りで行くのです」とあった。まさにその通りである。しかし、何か抜けていませんが?。「トレンドが発生したら・・・」は何を持って判断するのでしょうか。まったく無責任なアドバイスである。

さらにひどいのは、「上がると判断したなら買って、下がると判断したら売ることです」などと堂々と言っている。まったくひどい話である。このような記事が株式投資記事のトップに掲載されている。

また、面白いコラムがあった。「日経新聞の推奨銘柄は全部下がる」と。まさに投資の世界は玉石混淆である。このように投資業界では何を言っても咎めがない。なぜなら、投資の世界には答えがないからなのでしょうか。

相場の世界とはこのような世界なのですから、正しい情報も間違った情報も入り乱れて混在しています。よって、投資家はこれらを取捨選択しなければならない。とは言っても、これらの判断は個人投資家には難しいものがあります。

人間の心理として、自分に興味のあるものには目が行くが、それ以外のものはスルーするものです。たとえば、相場が急落して持ち株が大きくマイナスとなった時などには、いつ反転するかなどの記事を真剣に読みます。反対に、さらに急落するなどの記事は恐ろしくて見ることができません。これが人間の心理というもです。

逆に相場が急上昇となったときは、どこまで上がるかの記事に目が行きます。つまり、自分の置かれた状態によって、その視点が変わってくるということです。このことを十分理解しておく必要があります。

以上のように、市場の変動や持ち株の損益によって投資家の心理は大きく変わってきます。人間の心理からすれば当然のことですが、このことは、すなわち相場に振り回されていることになるのです。相場に振り回されていては儲かるはずもないことは誰でも知っていることです。しかし・・・。

私はほとんどテレビは見ませんし、新聞などもあまり見ません。もし、テレビと新聞からしか情報を得ていないとすれば、そのテレビと新聞の情報が知らず知らずのうちに、それらがすべて正しいと洗脳されてしまいます。

反論もあると思いますが、私は現在のテレビ報道のほとんどは「やらせ」であるし、新聞などは偏った報道であると思っています。日本の報道は大きく間違っていると思いませんが、今話題となっているウクライナ・ロシアや中国の問題は、それぞれの国のプロパガンダによって洗脳された結果によるものと考えています。

このように「知らず知らずのうちに・・・」というのは怖いもので、結果的にそれらがすべて正しいと洗脳されてしまいます。

つまり、私が申し上げたいことは「投資の常識は非常識」ということです。投資の常識を信じて投資活動を行っても儲からない。儲からないということは、その考えが間違っていることです。間違っているということは、間違った情報によって行動しているからです。

投資の世界に限らず、世の中は常に客観的にニュートラルな立場で判断する必要があるのではないでしょうか。



   ≪ マスメディアの功罪 ≫
2023/01/27(Fri)

2023/01/21 のコメントです。

信用取引の評価損率が追証ギリギリになると、投資家は不安を感じてきます。その不安を解消しようと投資家はあらゆるメディアを検索し、今後の見通しなどの情報収集に必死になります。これらは不安から生ずる当然の無意識な行動であり、メンタル面での不安を解消するのには、ある程度の効果があると思われます。

しかし、情報化社会となった現在では、多くの情報が氾濫し、その真偽のほどを確かめるのも難しいものです。これらの情報は、受け取る側の状況や心理状態によって大きく変わってしまうものです。

株式投資であまりにも大きな損失を被り、パニック状態のところに「この銘柄は絶対」などの記事があれば、ついつい信じ込んでしまうものです。これが人間の心理というものでしょうか。人間は言葉で聞くより活字になった情報を信じる傾向が強いとも言われています。どのような人がどのような立場で書いているのか分からないのに・・・。

相場暴落時では『株式市場が大きく下がれば下がるほどチャンスとなります。株式市場が大きく下がったら「目をつぶって買う」という投資戦略を取るのが、金融恐慌相場の鉄則ということになります』などの記事もある。まるで清水の舞台から飛び降りろとでも言うのだろうか。誰が書いているのか顔を見たいものである。相場の鉄則は損切りぐらいなものだろう。

予測が外れても解説者は「ごめんなさい」で済むが、それを信じた投資家はそうはいかない。解説者の記事を見て投資して失敗すると、当然ながらその解説者を恨む。自分がその情報を受け入れたという自己責任も忘れて・・・。恨みからは得られるものは何もない。

不安を解消するのに情報収集をすることは良いとは思いますが、その際には、情報を受け取る側が常に客観的で冷静な状態でなければ正しい判断ができないと考えます。しかし、冷静であればこれらの情報に耳を傾けることもないのだが・・・。不安な状況であるから情報収集に走るわけですから、ここに矛盾が生じてくるわけです。

そこに矛盾が発生し、矛盾は悪循環を引き起こす。悪循環は投資の世界においては損失を意味することになります。

一般的に問題を解決・決断する場合には、プラスの面とマイナスの面の両方から判断しなくてはなりません。株式投資の場合は、たとえば「ここは大底だから買いに入ろう」と判断した場合、情報収集も自分にプラスの情報を意識的に見るようになってしまいます。しかし、投資にはリスクもあるわけですから、万一、反対の展開になったら「このようにしよう」という対策も同時に取っておかなければなりません。

要するに、投資家は「常に客観的で中立的な立場」から市場を判断しなくてはならないということです。さらに言えば、できるだけ少数派の意見にも耳を傾けねばなりません。往々にして相場の世界の情報は、市場の動向に追従し、振り回されて極論に走る傾向があるため注意しなければなりません。

私は常に相場の世界から社会を見ています。すると、一般社会にも大きな矛盾があることが良く分かります。感じることは、現在の社会は情報化社会であり、その多くはマスメディアからの情報であり、これらのマスメディアの報道の仕方によっては、善悪は別としても社会を大きく変化させてしまうことにもなります。

さらに、マスメディアであっても、ひとつの利益追求の企業であることを理解しておかねばなりません。利益を上げるためには大衆に迎合した記事を書くことになります。これではマスメディアの本質である真実の報道とかけ離れます。

以上のように、我々投資家の正論としては、マスメディアなどの情報に振り回されることなく、信念を持って客観的で冷静な投資スタイルで挑みたいものですが、これがなかなかできないものです。

昨今では中国のシャドー・バンキングやウクライナの問題がクローズアップされています。この問題がどのように波及してくるか分かりませんが、マスメディアでは、この問題に対して一様に距離感があるようで、大騒ぎしている割には他人事のように感じられます。しかし、これらは単にタイムラグの問題でしかなく、実体経済への負の影響が表面化したら一気に日本の危機が深まることは歴然としています。そのためにも、我々は今からその対策を講じておかなければなりません。

さて、投資の世界で利益を上げ続けられるということは、翻って、大きな損を経験し、それらを苦悩の末に乗り切った先にあるものです。最初から勝ち続けるような投資家は、結局どこかで大きくやられてしまいます。しかも最初に負けた投資家よりも大きくやられることになるのです。しかし、負けることは決して嬉しいことではありませんが負けることも時として必要であると思います。

負けは負けでも、他力本願による負けと自分で判断した後の負けでは大きく異なります。前者では恨みが残り、後者では体験が残ります。

負けた時は誰でも落ち込むのが自然です。無理に強がる必要もありません。落ち込む時はとことん落ち込んだらいい。これが自然体である。そして、落ち込んだ後は失敗を糧に前進すればいい。一番よくないのは、落ち込んだままの状態でいつまでも失敗を引きずることです。これでは更に失敗を招くことになります。

失敗を忘れるということではありません。同じ失敗を繰り返さない為にも負けたことは忘れてはならない。判断を誤ることは正常なことです。それを修正しないことが良くないのです。

投資活動がうまく行かなくなると、つい情報収拾に走ったり、他の手法に目移りする。しかし、どこにもおいしい情報や必勝法などありません。自分の過去の売買から学ぼうとしない人間は進歩はない。求める答えは自分の手の内にあることを理解するべきです。負けた売買は貴重な財産です。そこから学ぶことにより、将来における失敗を駆逐することができるのです。よって、自己判断の失敗は成功と同等の価値があるのです。



   ≪ 自分を見出す ≫
2023/01/21(Sat)

2023/01/14 のコメントです。

多くの投資家が投資活動を振り返ってみると「大きく儲かったときもあった。しかし、トータルすれば損となっている」。多くの投資家はこのように答えるでしょう。過去に大きく儲けたときのことが忘れられず、今でも夢をもう一度と考え試行錯誤しているのではないでしょうか。

ギャンブルにおいても、最初に大儲けしたためはまってしまったという話はよく聞きます。こうした点では株式投資もギャンブルも似かよっています。しかし、株式投資とギャンブルは本来は次元の異なるものです。

しかしなぜ、上記のように株式投資とギャンブルが似かよってしまうのでしょうか。これらの共通点は「最初に、または、過去に儲けた」という点です。この点を掘り下げていくと、そこに「偶然」「ビギナーズ・ラック」という共通点が見出せます。

つまり、過去に儲けたことは「たまたまや偶然」だったのです。相場が大きく上昇したときには大きく儲けることができたが、相場下降期には損を出したなど、つまり「出たとこ勝負」となっています。

株式投資とギャンブルとは異なるものの、そこに何が欠けているか気がつきませんか。それは「相場しだい」「運しだい」となっているところです。そこに「自分」がないこと気づきませんか。

株式投資もギャンブルもそこに「自分」がなければ、いつも相場や運に振り回されているだけです。だから「勝ったり負けたり」となるのです。では、そこに「自分」を見出すとはどのようなことなのでしょうか。

私はギャンブルはしませんが、ギャンブルを好む知り合いはいます。そのような人から話を聞いていると、皆それなりの自分のスタイルを持っています。あるギャンブラーが言っていました。ギャンブルに入る前に、まず「場」の雰囲気を読むそうです。そして、その流れを読むのだと言うのです

その流れの中に必ず「勝ち馬」がいるそうです。つまり「ついている人」がいます。そのついている人に乗るのだそうです。勝っている人と同じように賭けるということです。勝っている人の動向を見ながら「場」の雰囲気を観察していきます。もし、その人が負けが続くようであれば、次の「勝ち馬」に乗り換えるそうです。

これらもギャンブラーの嗅覚に依存することになりますが、そこに「自分」があります。自分なりのセオリーがあります。ギャンブルの場合は、そこに明確な根拠があるわけではありませんが、ギャンブラーには、ギャンブラーなりの洗練された嗅覚や流れを把握するスキルを持つことによって、他のギャンブラーより勝ることができるのでしょう。そこに自分で判断するという「自分」があるのです。

では株式投資の場合はいかがでしょうか。やはり投資においても「運」や「偶然」に任せるのではなく、そこに「自分」を見出すべきでしょう。つまり、投資に対して自分なりのスキルを見出すべきです。そうすることによって相場に振り回されることなく、自分なりの投資スタンスで相場を見ることができるのではないでしょう
か。

相場を客観的に見ることができることによって「運」や「偶然」が排除でき、相場を自分のものにできるのです。



   ≪ 両刀使い ≫
2023/01/14(Sat)

2023/01/06 のコメントです。

短期投資家は変動の幅、つまりキャピタルゲインにより利益を得ようとしています。変動(ボラティリティ)が小さければ利幅も取れません。逆に変動が大きいと大きな利幅を取ることができます。しかし、そこには大きな利幅同様に大きなリスクも発生します。

我々投資家はボラティリティが大きくても小さくても投資活動を続けていかなければなりません。継続することにより利益が積み上がるものであるし、継続は力なりでもあるのですから・・・。

さて、相場変動には「上昇」「下降」「もちあい」の3つしかない。上昇と下降は株価チャートを見ればすぐ分かる。しかし、もちあいについては、どのような変動幅をもちあいにするかによっても異なるものです。

このもちあいは結構多いものです。昨年は大きなもちあい相場と言えます。相場上昇となっても途中では、中断もちあいなどが発生するものです。これらのもちあいの数により二段上げ、三段上げなどと表現します。相場下降においても同様です。もちあいとは、上昇または下降途中の踊り場であり、エネルギーの蓄積場でもあるのです。

相場の半分以上はもちあいであるという説がある。また、もちあいは相場全体の70%にも達するという人もいる。これらの数値は別として、とにかく、もちあいは結構多いものです。

ご存知のように、もちあい期は株価が行ったり来たりで成績もパッとない。もし、このもちあい期が相場の半分であって、その間の成績がプラス・マイナス、ゼロであったとします。すると、収益を上げるためには、もちあい期の残りの半分で上げなければなりません。概念的に残りの半分の半分、つまり相場全体の期間の4分の1が上昇、残りの4分の1は下降となります。ここでよく考えてみてください。

もし、買いオンリーの投資家は、収益の上げることのできる期間は相場全体の4分の1の期間しかないということです。しかも、その4分の1の期間で上昇を底値から天井まで取ることは不可能でしよう。せいぜい取れるのは、底値から天井までの幅の半分程度でしょう。それ以前に、相場上昇期を判定することは困難を極めます。

以上のことから、客観的に見ても投資における成功の確率は非常に低くなります。ですから「儲かったときもあるが、全体では儲かっていない」となるのです。

さらに、相場格言に「三日天井、底百日」という言葉もあるように、上昇局面より、下落局面のほうが長いの一般的です。ということは、儲かる期間がさらに短いということになり、結局、儲かる投資家は5%に満たないということになるのです。以上のような相場メカニズムから考えると、この「5%」の数値も間違いではないような気がします。

ここまで長々と説明して、私が何を言わんとしているか・・・。それは、上記のように相場全体の変動メカニズム(上昇、下降、もちあい)は変えることはできません。であるならば、このような相場環境の中で投資家はいかに収益を上げていくかということです。

その答えは無いように思えます。しかし、考え方によっては、もちあい期では収益を上げることはできないものの、残りの半分の上昇、下降期では収益を上げるチャンスがあると言うことです。あくまでもチャンスではあるのですが・・・。

つまり、買いと空売りの両刀使いです。買いは上昇期に、下降局面では空売りで儲けるチャンスが発生します。ただ、上昇、下降の判断は難しいのですが、これらを解消する手法のひとつに「順張り」があります。つまり、流れ(トレンド)に乗って売買することです。それが結果として、トレンドを判定することになるのではないでしょうか。

とは言うものの、相場はなかなか理論通りには行かないものです。しかし、せっかく与えられているチャンスを自ら放棄する必要はないと思います。ショックなどで暴落があった場合などには「買っていなくて良かった」と思うのではなく、空売りで果敢に収益を上げるべきです。これでこそ投資家です。

結論、やはり買いオンリーでは収益のチャンスが少なくなります。相場の判定は難しいものの、買いと空売りのを使い分けて売買することにより、スキルの上達とともに収益のチャンスが広がるのではないでしょうか。



   ≪ 損切り幅 ≫
2023/01/06(Fri)

2022/12/23 のコメントです。

投資家は常に不安の中で売買しています。特に最近は、ロシア・ウクライナの問題や中国のシャドー・バンキング、金利の変動など不安材料が多く見受けられます。そのためか、最近は一日の株価変動幅が大きくなっているようです。

そのような中で売買するのですから投資家も気を緩めることはできません。このような環境の中、投資金の多くが買い一辺倒のスタンスであったなら、さぞかし緊張も高まるでしょう。ある意味で投資とは、ストレスとの戦いでもあるのです。

さて、投資運用における最大のリスク管理は「損切り」にあることはすでにご存知であると思います。投資の世界には常にリスクが付きまとい、いつ何時○○ショックが起こるかわかりません。投資家は常にこれらのことを頭に入れて、リスク対策を怠ってはいけません。

損切りについては、個々の投資家によりその考え方はさまざまです。また、短期売買や長期投資などによっても損切り手法は異なってきます。そこで、今回は損切り手法における「損切り幅」について考えてみたいと思います。

投資初心者であれば「10%で損切りする」などと、投資家サイドの都合で決められることが多いようです。市場あっての投資家であるため、市場からみれば「10%で損切りする」ことに根拠はまったくありません。ただ、投資家サイドからいえば10%の損が投資家の許容範囲なのでしょう。もし、10%で確実に損切りができるならば市場に留まることは可能となります。しかし、これが・・・。

もし、10%の損切りができずズルズルと引かされ、そうこうするうちに○○ショックが発生、大暴落。あまりの凄まじさに我を忘れてすべて投げてしまった。後に、冷静になって計算してみたら50%の損、つまり半値になってしまった。このような経験をされた投資家も少なからずおられるのではないでしょうか。

たとえば、100万円の投資で50%の損となれば投資残金は50万円となります。そこで、再度50万円の投資金で損を取り戻そうとチャレンジした場合、どれだけの利回りが必要でしょうか。

100万円の投資で50万円(-50%)の損ですが、50万円の元金で、その損の50万円を取り戻すためには利回りを100%にしなければなりません。これは容易なことではありません。このように、いったん大きな損失が発生すると、その回復にはさらに大きな利回りが必要となってきます。損は一瞬ですが、その回復には多大な時間と労力が必要となります。

以上のことから、いかに「こまめな損切り」が重要になってくるかお分かりいただけたと思います。元金がなければ投資はできません。その元金を守るためにも、こまめな損切りは不可欠となってきます。

「この銘柄なら絶対いける」と意気込んで、投資金100万円を集中投資。しかし、期待もむなしく暴落にあって損切り、その損切り幅50%ではやりきれません。さらに、その銘柄に入れ込んだ分、精神的にも相当落ち込みます。しばらくは再起不能でしょう。

これらの状況を避ける意味でも「分散投資」は必要となってきます。資金が少なくても分散投資はするべきです。分散投資には、リスクの分散ばかりではなく、投資家のストレスの分散などの効果もありお勧めです。

投資とは継続して初めて利益が上がるものです。その継続性を保つにはやはり「こまめな損切り」、そして「分散投資」です。これらを肝に銘じて更なる飛躍を期待いたします。



   ≪ 損することを嫌う人間心理 ≫
2022/12/23(Fri)

2022/12/17 のコメントです。

私はテクニカル分析を専門としていますが、当欄ではテクニカル分析の解説が少ないように思っています。また、そのようなご意見もいただいています。なぜ、テクニカル分析が中心であるにも関わらず、その解説が少ないのでしょうか。

私は長いこと投資の世界に身をおいていますが、その過程において数多くの分析手法を試みてきました。そのような中、やはりテクニカル分析が自分に一番合っていると思いました。私がテクニカル分析手法を採用するのはただそれだけのことです。ですから、テクニカル分析以外の手法を否定するつもりはありません。やはり自分に合っている手法が一番良いと思っていますが、いかがでしょうか・・・。

当コメントを長く読んで頂いている方にはご理解いただけていると思いますが、投資の世界で継続的に収益を上げることは、本当は投資のスキルではなく、他のところにあることに気づいていただけていると思います。

私は投資の世界で勝敗を分けるのは、投資家の「心」にあると思っています。ですから、当コメントにおいても投資家の心理面についての解説が多くなっています。投資家からは「そんなことはどうでもいいから、儲かる投資法を教えてくれ」との意見も多いのですが、そのようなご意見の方は、失礼ながらあまり儲かっていないように思います。

前回解説しました「買いコスト」についても投資家心理が大きく作用していことがお分かりいただけたと思います。投資の三要素は「相場観測」「銘柄選択」「売買タイミング」ですが「投資家の感情のコントロール」は、その上に位置します。

このように投資家の心理は、投資において勝敗を分ける最大で重要な要素となります。これらを避けて投資の世界での成功はあり得ないと言っても過言ではないでしょう。投資家の心理や感情の問題の重要性をここで再確認して頂きたいと思います。

もし、株を買ったとします。しばらくして株価が上がると、もっと上がるかもしれないと期待する。そして、下がったらどうしようと不安になります。この二つの感情が交錯します。そこで投資家の心理ですが、多くの投資家は損をすることが嫌いですから利食いしてしまうことになります。なせでしょう。

それは、多くの人が、安心より不安の方が勝ってしまうという心理を潜在的に持ち合わせているからです。そのため「早い利食い」となってしまいます。株が値上がりしているのに不安になると、少しの利ザヤでもいいから早く売って、利益を確定しようとします。儲かっているうちが花だ。欲をかいて持ち続けて下がってしまったら元も子もないという心理が強く働くからです。

逆に買った株が下がったら、どんな心理状態になるでしょうか。もちろん不満ですが、ここで売ってしまうと損が確定します。損するのは嫌ですから、その選択はしたくありません。それに、いまは下がっているけど、もう少し我慢していたら上がるかもしれないという根拠のない見通しにすがろうとします。結局、売らずにそのまま持ち続けるわけです。

それでも株価は上がらず、もっと下がってしまいました。損が膨らんでいますから、ますます売る気にはなれません。それどころか、ここでまた都合のいい考えが頭をもたげます。ここまで下がったんだから、安値で買い増せば平均コストが下がり、今度上がったときは大きく儲かるぞ・・・と、これが「ナンピン買い」です。

ナンピンすることによってコストは下がったように見えますが、投資金額は増えていますから、逆にリスクは大きくなっています。投資初心者の行動パターンはおおむねこのようなものでしょう。これでは儲かるはずもありません。ここに投資家心理が大きく作用しているのです。

以上のように、投資家の感情的、感覚的な行動パターンは損をするようになっているようです。これらを踏まえたうえで、今、自分には何が必要か、何が不足しているかを客観的に見つめなおす必要があるのではないでしょうか。

投資家の感情を抑える訓練をするか、または感情を出せないようなシステムで運用するか、あなたならどちらを選択しますか・・・。



   ≪ 突然のサプライズ ≫
2022/12/17(Sat)

2022/12/10 のコメントです。

株式投資における分析は多岐にわたります。内部要因や外部要因、それらにまつわる詳細なファンダメンタルズ分析やテクニカル分析、さらには投資家心理なども分析対象となってきます。

あらゆる角度から検討分析し「これならいける」と仕掛けに入ったものの突然の悪材料の発表で株価は急落。このような経験をされた方も少なくないと思います。我々が知らないところからの突然のニュースなどは投資家を悩ませるものです。

しかし、突然のニュースなども後で振り返ってみると「そう言えば・・・」と思い当たる節もあるものです。リーマンショックなども、事前にそれらしき「危ないよ」というニュアンスの情報は流れていたものです。

これらに近いニュースとしては、ウクライナ、ロシア戦争、中国の不動産バブル、銀行における不良債権問題など数えたらきりがありません。

ゴールドマン・サックスは、中国のバブルが崩壊した際に、貸倒損失が最大数千兆円に達するとの見通しを発表しました。

中国のシャドーバンキングは、日本におけるバブル崩壊後の「住専」の問題に似ています。人間のすることは、どこでも同じなのかなあと感じるところです。

中国のシャドーバンキングも大きな問題ですが、私としては、最近のニュースにある中国の環境汚染問題です。水の汚染、土壌の汚染、それによる食の問題など、人間が住めるところではなくなってしまったようです。

これらの汚染がひどいため、富裕層は海外移住しているという。党による規制強化など、経済発展も良いのですが、それにより引き起こされた負の部分も多いのです。世の中、結局はプラス、マイナス、ゼロと言うことなのでしょうか。負の遺産は後世に残さないようにと願うばかりです。

投資における外部材料(悪材料)は、すでに知りわたっているときは織り込み済みとなることもありますし、リーマンショックのようにある程度知られていてもクラッシュになることもあります。やはり、投資とは難しいものです。

私のように、テクニカル分析を中心に行っている者にとっても、突然のサプライズは頭を悩まします。順調に上昇カーブを描いていたものが突然のサプライズで株価は「つるべ落とし」のごとく奈落の底に真っ逆さま。

一般に、テクニカル分析は過去のデータなどから分析するのですが、その分析手法の多くは「平均値」を使用します。そのため、突然の株価急落では、その判定が遅きに失することになります。

これらはテクニカル分析に限らず、どのような手法でも同じです。つまり、突然のサプライズには対処法がないということです。せっかく積み上げてきた利益を一瞬にパーになってしまいます。投資の世界にはよくあることですが・・・。

しかし、損は損で受け入れるとしても、大きなショック(大損)をもろに受けない方法はあります。それはいつも解説していますヘッジ売買です。

たとえば、私が今、実践とともに研究していますバスケットによる裁定取引です。この手法は、ETFの先物売に対して複数銘柄の買いでバスケットにして売買するものです。

売りの金額と買いの金額を同じにして(実際にはベータ値により多少の変化をもたせます)売買するため、そこに発生するリスクは最小に留まります。このような話を聞くと、売りも買いも同額なのでそこに利益が発生しないのではないかという疑問も沸いてきます。

そこが腕の見せどころです。ETFの先物に対して、いかに割安な銘柄を探すかということにかかってきます。実際に、適正で割安な銘柄を探してETFの先物と組み合わせて売買しても安全性は高まるものの利益は思ったより少ないものです。当然です。投資の世界はハイリスクはハイリターンであり、ローリスクはローリターンなのですから・・・。

「一寸先は闇」という諺があります。まさに投資の世界の諺のようです。このようなリスクの高い世界で投資活動をしているならば、投資家はこれらのリスクに対して何らかの対策を講じるべきでしょう。

少々くどい説明となってしまいましたが、やはり投資の世界にはリスクが付いて回ります。そのリスクをできるだけ押さえて運用することを考え、投資を楽しいものに変えていくべきでしょう。そして、楽しい人生に・・・。



   ≪ 独りよがり ≫
2022/12/10(Sat)

2022/12/02 のコメントです。

株式市場は相変わらず弱含みである。株式市場はファンダメンタルズをベースに変動するものの、短期的な変動は情報や材料などにより変動しやすいものです。さらに心理的要因も株価変動に影響を与えます。

このように外部要因的には不安材料も多い。大きな不安材料があったりすると、相場は一方向に進みやすくなります。しかし最終的に相場の状況を決めるのはファンダメンタルズですから、株安についても冷静に、客観的に見ていく必要があります。

当研究所の投資手法は、買いと空売りの両建て売買であるため、現在のような状況でも特に問題はないと思います。現状では、指標が「売り長」(空売りが多い)であるため、それなりに収益になっていると思います。

私が運用し始めた「バスケットによる裁定取引」もNT倍率が縮小してきたため落ち着きを取り戻し順調な状況にあります。このような運用の中で、バスケット方式による裁定取引のスキルなど多くのことを学びました。

やはり「バスケットによる裁定取引」は、売り銘柄としては日経平均先物ではなくTOPIX先物の方が良いように思いました。実践と同時に売りをTOPIX先物にしたシミュレーションも並行して行ったのですが、成績は多少の上下はありましたがマイナスとなる時期は少なく、現在でもある程度納得できる成績となっています。

晩年になったら「バスケットによる裁定取引」のようなマイナスの少ない投資手法が良いのではと思っています。「バスケットによる裁定取引」の最大の特徴は、収益はあまり多くは望めないもののリスクは小さく、何といっても相場に振り回されるようなストレスがないことです。晩年の投資においては、やはりストレスがないことが一番ではないでしょうか。

さて、私は「バスケットによる裁定取引」と同時に、従来の短期売買も実践しています。成績は相場指標である現在の「ヘッジ比率」を見て頂ければお分かりいただけると思います。

以前紹介いたしました、新しい短期売買の分析システムがほぼでき上がりました。現在までの検証結果は、以前紹介しました内容とほぼ同じ感じです。採用した2000銘柄のうち年間を通してプラスになった銘柄は約75%、つまり2000銘柄中1500銘柄は収益があったということです。

また、年間の利益率は20〜25%程度(年率)でした。これはマイナス銘柄を含めた2000銘柄の年間平均値です。もちろん、買いと空売りのどてんによる連続売買です。ランキング上位銘柄(上位100銘柄)のほとんどが年間の利益率は100%以上でした。

また、勝率は平均で45%前後でした(マイナス銘柄を含めた2000銘柄の年間平均値)。当然ながらランク上位銘柄の勝率は、それを上回りますが、実際の売買においては勝率50%前後と見ておいたほうが良いと思います。売買平均日数は18日前後、年間売買回数(1銘柄あたり平均)は21回程度です。

数値を見る限り、かなりの短期売買となりますので、多くの銘柄で売買すると非常に忙しいトレードとなります。

私は、以上のような分析システム開発も誰に相談することなく、何の資料も見ることなく、ひとりで行っているわけです。まあ、相談する人がいないということが現実なのですが。また、いまさら市販のノウハウ本を参考にする必要もないし・・・。

そのようなことで、ひとりでシステムの開発をしていると、どうしても「独りよがり」となって考えが曲がってしまうものです。このことは、私自身、体験的によく理解しています。これらを補正する意味でも、今後、これらの分析システムも何らかの形で公開して、いろいろなご意見をお聞きしたいと考えております。



   ≪ 短期売買における実験 ≫
2022/12/02(Fri)

2022/11/27 のコメントです。

相場上昇中は誰でも強気になり、ヘッジなどは足かせとなって収益を低下させるため、ヘッジの採用を敬遠しがちです。投資とは元金があってできることであるので、相場急落で元金まで割り込んでしまうことのないようにしたいものです。「リスクに対してはヘッジで対処する」ことを肝に命ずることです。

さて、今回は「短期売買における実験」について説明します。「短期売買における実験」は、投資効率と売買期間の短縮について実験を行ったものです。「短期売買における実験」は、まだ結論には達しておりませんが、現在までの経過を解説したいと思います。

まず、東証における信用取引可能な銘柄を約2000銘柄選択し、これらについて検証を行いました。売買法は当然ながら、買い付けた後に決済し、決済と同時に空売りを行うという「どてん売買」です。

当研究所の売買は「どてん売買」で行うシステム売買です。なぜ「どてん売買」なのかと言うことですが、これらについてはすでに解説済みですが、一般的にシステムのシュミレーションを行う場合、買いのみ(または空売りのみ)で行うことが多いようです。しかし、私は、この方法では絶対に正しい答えが出ないと考えています。

なぜなら、逆張りにおける乖離率での検証を行う場合など、その乖離幅を大きくすることにより、勝率もパフォーマンスも上がってきます。さらに上昇相場などで、乖離幅を大きくすると1年間に一回しか売買が発生しない、または一回も売買サインが出ないということになります。これでは机上の空論となります。

当研究所では、検証は必ず「どてん売買」で行います。実際に検証されるとよく分かりますが「どてん売買」の検証は非常に難しく困難を極めます。そのため、このような売買手法は一般に出回っていないのだと思っています。

当然ながら、「短期売買における実験」は、実際の売買と同様に、売買サインの翌日の寄り付きで売買したと仮定し実験しました。

現在までの検証結果は、採用した2000銘柄のうち年間を通してプラスになった銘柄は約75%、つまり2000銘柄中1500銘柄は収益があったということです。ところで、なぜ多くの銘柄で検証しなければならないのでしょうか。それは、すでにお分かりのように少ない銘柄での検証では、信頼性、安定性に欠けるという根拠からです。

また、年間の利益率は20〜25%程度でした。これはマイナス銘柄を含めた2000銘柄の年間平均値です。もちろん、買いと空売りのどてんによる連続売買です。ランキング上位銘柄(上位100銘柄)のほとんどが年間の利益率は100%以上でした。実践において、このような数値が獲得できるかは疑問の残るところですが、次に説明する売買日数を考えれば、ある程度信頼できる数値ではないかと思います。

売買平均日数は18日、年間売買回数(1銘柄あたり平均)は21回程度です。これらは、いずれもカレンダー日数ですので、実際の立会い日数は15、16日です。売買日数をこれ以下にすることも可能ですが、パフォーマンス面や現実性といった視点から、この売買日数が限界ではないでしょうか。

また、勝率は平均で45%前後でした(マイナス銘柄を含めた2000銘柄の年間平均値)。当然ながらランク上位銘柄の勝率は、それを上回りますが、実際の売買においては勝率50%前後と見ておいたほうが良いと思います。

これらの検証で特に注意を払ったことは、株価の変動に合わせて分析指標も変化させることでした。一般的なテクニカル分析では、分析期間を固定させて行います。たとえば、移動平均線であれば、25日線と75日線などとして分析します。しかし、株価は常に上昇、下降、あるいは「もちあい」と変化します。また、その上昇、下降も大小あります。そのような掴みどころのない株価の変動を、固定した物差し(移動平均線など)で分析するのは理論的に無理があります。

「その流れにおいて把握する」という考えの下に、株価の変動に合わせた分析指標を採用しなければなりません。そこで株価の変動を指数化するにはどのような指標が最適であるか考えると、それは株価のボラティリティであり、ボラティリティこそが株価の変化を捉える指標と考えます。

株価の変化をボラティリティで捉えるにするも、そこにまた問題が発生します。そはボラティリティの期間の設定です。最適な期間は?・・・。と検証するも、なかなか正しいと思われる期間の検証ができません。

よくよく考えると、そのボラティリティもその設定期間を株価の変動により変化させなければなりません。その設定期間を決める指標もまたボラティリティでとなり、堂々巡りなってしまいました。そんなこんなで試行錯誤しています。また、複雑な分析には、数学的な複雑な公式などを使い検証するのでしょうが、私には難しくて分かりません。そのためパラメータを1ポイントずつ変えながら膨大な検証を行っています。まことに気の遠くなるような作業です。

以上が今回の「短期売買における実験」の途中経過ですが、何らかの答えが出れば逐次解説してまいりたいと思います。

このような作業の中、ある人間国宝が言ってことを思い出しました。「一生修行ですよ」と。ある意味では投資の世界も一生修行(研究)かなと思うこのごろです。



   ≪ バスケット方式の裁定取引 ≫
2022/11/27(Sun)

2022/11/18 のコメントです。

株式市場は目先、やや上昇傾向にはあるもののボラティリティは弱含みとなっています。ボラティリティが縮小するということは、相場がもちあい状態であることを意味します。当然ながら、相場がもちあい状況では成績もいまひとつとなります。いずれどちらかにはブレイクすると思います。それまでは少し辛抱です。

さて、私は昼夜を問わずシステム開発に没頭しています。無理がたたり体調もあまり芳しくありません。気力だけでもっているようです。システム開発の結果ですが、期待する成果は上げられないでいますが、新たな発見もありました。その内容の一部を紹介いたします。

まず、バスケットによる裁定取引の開発においては、意気込んでスタートしたものの結果にはがっかりしました。しかし、その原因が何であるかが理解できました。

正式な裁定取引は、日経先物を売り日経採用銘柄である225銘柄を買うことですが、これは理論的に正しく問題ないところです。しかし、実際の運用においては、投資金が膨大になることや、裁定取引のチャンスが少ないという欠点もあります。

私が開発したバスケット方式の裁定取引とは、日経採用銘柄である225銘柄の中から割安な銘柄を選択し、これらを日経先物をパッケージにして売買するものです。少ない資金でも裁定取引の運用ができることを目的としたものです。日経先物に対して225銘柄の中から割安な銘柄を10銘柄ほど選択しパッケージにします。さらに、それらのパッケージを複数のグループで運用するものです。

実際に運用して問題となったのは、バスケットにした225銘柄の中からの割安な銘柄を10銘柄程度の買いに対して日経平均先物を売りにまわしたことです。割安な銘柄10銘柄には問題はなかったのですが、日経平均先物を売りしたことが問題であったことが実際に運用して分かりました。仕掛けのタイミングにも問題がありました。

そもそも日経平均は225銘柄の平均値であり、これらが構成されている銘柄の中で、特に値嵩株の上げ下げに左右されるという欠点があることは承知されていると思います。また、配当分なども加味されるため実際の株価との連動性に問題もあります。そのため、プロの投資家たちは、あまり日経平均を指標として参考にしていないということです。

話は戻りますが、これらの理由によりバスケット方式の裁定取引においては、売りとしての日経先物は採用できないという結論に達しました。しかし、これは、この方式で収益が上がらないという意味ではなく、実際には仕掛けのタイミンクさえ間違わなければ収益にはなります。しかし、その根拠が上記のように、理論から若干外れているような気がします。

そこで私は大いに悩みましたが、「失敗には成功と同等の価値がある」との考えから思考を巡らし考えてみました。そしてバスケットにした225銘柄の中からの割安な銘柄を10銘柄程度の買いに対してTOPIX先物を売りにまわすことにしました。そして、仕掛けのタイミングのシステムを開発し、これらで運用することによりある程度の成果を収めることができました。

一応は裁定取引ですから、その利幅は小さいものの相場に振り回されることなく運用することが可能となります。裁定取引はリスクを取りたくない、晩年の投資家向けではないかなどと思ったりしています。



   ≪ 継続できる情熱 ≫
2022/11/18(Fri)

2022/11/11 のコメントです。

相場の世界は答えのない世界です。なぜなら欲には限りがないから・・・。そのような世界にもかかわらず、多くの投資家は日夜、研鑽に励んでいます。何事でも努力する事を止めたらそこで終わりです。

かのエジソンが言っていたように「1パーセントのひらめきと99パーセントの努力である」と。この「1パーセントのひらめき」も努力の結果においてひらめくものであると考えます。

私も日々、研究開発に努力はしているものの長らく成果が出ないときなどは、もう投げ出したくなります。しばらくは休憩して再度チャレンジするものの・・・・。八方塞がり、暗中模索などはしばしばで、その答えを書店に行って求めようにも答えがない。師匠もいない。

それでもあきらめず、あれやこれやと実験してみる。結果はいつも「ノー」である。あるときウェブサイトで私好みのテクニカル分析の技法を解説しているサイトがあった。何度か質問などをしてみたが、本人は実践してはいなかった。相場は理論と実践であるのだが・・・。

知識人は理論だけで結論を出したがる。頭でっかちではバランスを失うことになる。相場は理論を踏まえた実践でなければならない。

話は戻りますが「才能とは、継続できる情熱である」と言われるように、やはり、継続しなければならない。小額でも売買を続け、また研究も辛抱強くコツコツと続けることにあるのではないだろうか。

最近、私の「迷言集」に追加した項目があります。それは『「ひらめき・直感」とは、今まで長く積み重ねてきた経験や体験に基づいて生まれてくるものであり、人生を良い方向に導く最良のアイデアである』です。

たとえ成果が出なくても、継続努力していれば今まで気が付かなかったことが、ひらめきとして浮かんでくるものです。これは体験した人でなければ分かりません。関心のないところには、ひらめきも直感もありません。

私は音楽や芸術などは不得手というかまったく駄目です。カラオケなどで歌ったことさえありません。それらに関心もなく、興味も示せません。そのため、それらに関して、経験や体験がないということになります。そのためそれらに関し、ときめきもひらめきもないし、何のアイデアもありません。ひらめきや直感は経験や体験の上に浮かんでくるものなのです。

日々努力しているものの一向に成果が上がらないという体験は誰でもあるでしょう。その解決策として『その問題について、考えられるあらゆるすべての事項を頭にインプットする。そして、その問題を解決しようと考えず、その問題からいったん離れる。しばらく時間をおくと必ず正しい解決策がひらめく。自然に正しい方向に進む』。

ある問題に直面し解決策を探そうとしている時、それらに関したあらゆる情報やデータを収拾して検討するだけ検討する。そして、結果を求めず、その後はしばらくその問題から離れる。「しばらくその問題から離れる」ことが重要となっててきます。

これは私の考えなのですが、ある問題を解決しようとするとき、それらに関する情報やデータをジグソーパズルの一つのピースと考えると、ジグソーパズルを組み合わせて完成させるには時間が必要となってきます。もし、そのピースが膨大にあればさらに時間がかかります。

ジグソーパズルのピースを組み合わせる時間、これは脳の仕事と考えます。脳が最適な組み合わせを行っている時間は我々は何もしないでいるのです。これは「しばらくその問題から離れる」ということなのです。そしてパズルが組み合わさった時に脳から「ひらめき・直感」としてシグナルを送ってくるのです。そのひらめきや直感は正しい答えなのです。

「脳が最適な組み合わせを行う」ということは、それは今まで長く積み重ねてきた経験や体験に基づいて生まれてくるものなのです。そこに問題についての経験や体験がなければ、ジグソーパズルの組み合わせもできないことになります。

「努力しても成果が出ない」ということも、その努力の過程で経験や体験となるので、それは無駄にならないということです。継続していれば、その体験や経験が、後日、報われるときが必ずくるのです。

後悔しない人生とは、挑戦し続ける人生にある。私もこれらのことを肝に銘じて、焦ることなくコツコツと努力していくつもりでいます。皆様も継続する情熱を持って投資活動にまい進してください。



   ≪ ルールを実行してから考える ≫
2022/11/11(Fri)

2022/11/04 のコメントです。

昨年末に「来年、儲からなければ株式投資をやめたほうが良い」とコメントしました。現在、株式市場は長期の往来相場となっていますが、このような相場状況でもで収益の大小はともかく、ある程度の利益を収められたのではないかと思います。

もし、今年の相場展開でも収益を上げられないならば、その投資手法なり、投資に対する考え方などに問題があるのではないでしょうか。何か根本的な間違いがあるのではないだろうか。

たとえば、マイナスとなった銘柄を切るに切れずにいつまでも持っている。あるいは、利益10%などとして小幅に利食いしてしまうなど、何らかの根本的なミスがあるはずです。

もし、これらの問題に気づかずに売買して収益が上がらないのであれば、まだ救いようがあります。なぜなら、その問題に気づいて改善すれば良いのですから。厄介なのは、これらの問題に気づいていながら実行できないことです。

投資の理論や手法を理解しながら、それを実践できない。これは投資家本人の性格に依存するもので、本人以外には解決できない問題なのです。損切りすべきことを理解しつつも実行できない。なぜできないのでしょうか。

私が見ている限りでは、「理解しつつも実行できない」という人の多くは、わりと教養の高い人に多いような気がします。なぜでしょうか。

それは考えすぎるということなのでしょうか。「ここで損切りすると、マイナス○○となり、投資金に対して何パーセントの損となる。これでは投資金が減少し、投資利回りの低下を招く、よって、ここでの損切りはするべきではない」などと。

少しオーバーな表現かも知れませんが、考えを巡り巡らせ行動にセーブがかかってしまうようです。いくら考えても、主役はマーケットであり、個人の都合など考えてはいませんし、明日のことなど誰にも分からないのですから・・・。自分で作成した「ルール」も守れないで、マーケットでは生き残れません。

これらの状況を表現した語録があります。「識者は行動せず、理論だけで結論を出したがる。やってみなければわからない。行動すれば新しい展開が見出せる。考えているだけでなく、ぶつかってみろ」。

損失が膨らんでくると、どうしてもマイナス思考になってきます。当然ではありますが、これらがあまり度を越すと収拾が付かなくなり、パニックに陥ることだってあります。マイナス思考とは、先のことを考え過ぎたり、物事の成否を考え過ぎたりすることにより、限界意識が先にたって起こるものです。過ぎたるは及ばざるがごとしと言ったところでしょうか。

考えることも大事なことですが、まずは自己ルールを実行してから、それらについて考えるべきです。ここで自己ルールを実行すべきかなどと考えているのはナンセンスです。自己ルールも守れなければ、最後には暴走し、崩壊を辿るだけです。

投資成果は「投資家の性格に起因する」ものです。もし、今年の相場状況でも収益を上げられなかったなら、投資手法もさることながら投資家自身の投資適正も見つめ直すことも必要なのではないでしょうか。



   ≪ スキャルパー ≫
2022/11/04(Fri)

2022/10/28 のコメントです。

10年ぐらい出席している、とある会社の会合では毎年メンバーが入れ替わる最初から参加しているのは私だけになってしまった。浮き沈みの激しい業界であることを表しているのだろうか。

会合では投資家は日ごろの鬱憤を晴らすかのように能弁である。「では、もうそろそろ」と言われるまで話が尽きないようである。トレードは孤独な作業であるため、やむを得ないところだろう。

これらの会合で最近感じることは、専業のトレーダーが増えてきていることだろうか。名刺を交換すると、その名刺の肩書きが「投資家」「トレーダー」などと書いてある。以前はあまり見られないことであった。

詳しく話を聞いてみると、そのほとんどがFX専門であり、しかもスキャルパーである。スキャルパーとは、スキャルピング、つまり超短期売買を行う投資家のことです。一般的には数秒から数分でポジションを閉じることが多いと言われています。

スキャルピングの語源は、アメリカインディアンが行っていた「頭の皮を薄く剥ぐ」という意味で、スカル(頭蓋骨)からきた言葉です。市場から薄い利益を剥ぎ取ることをイメージしたものです。ちょっと恐ろしいような気もしますが・・・。

スキャルピングのトレードは、時間が短い分、利益幅も小さくなりますが、短い時間一定方向に動くところを取ることから、利益幅は小さいながらも一回あたりのトレードは利益になる確率が高くなります。

利益になる確率が高くなることから、レバレッジを高くして、トレードを何度も繰り返すことによって、薄い利益をコツコツと積み重ねるといった手法です。1回のエントリーで、数pips〜10pipsくらいを抜くことを目標にしているようです。

大きな金額の取引となることと、瞬間の値動きを利用するので、ポジションを持つタイミング、相場がポジションとは逆の方向に行った場合の素早い損切りといった反射神経的な決断力が勝敗を左右します。トレード技術というよりゲームのような瞬発力が必要になります。そのためスキャルパーには若い人が多いようです。これらのトレードは万人向けではなく投資家のセンスに依存しているようです。

トレードしている間は、PCの前にはりついて、相場を見続ける時間と集中力が必要です。また、システムの突発的な事故があっても大丈夫なように取引口座には最低限の証拠金だけ入れておき、何かあっても強制ロスカットで終わらせれば良いようにしているようです。とにかく、瞬間瞬間の作業であるため気が抜けません。相当な集中力が求められます。

毎日PCの前にはりついて、気を緩めることなくトレードすることは精神的にも相当な負担がかかります。トレードを終了するとがっくりして気が抜けたようになるとも言っていました。投資家の会合では、これらのストレスを吐き出すかのようにしゃべりまくるのでしょうか。

もし、中高年者がこれらのスキャルピングを行うとすると、まず頻繁に変わる気配値を集中して監視しなければなりません。このときすでに動体視力が衰えているため気配値を追うことができません。反射神経も鈍くなり、ついキーボードを打ち間違います。また、同じ姿勢でPCの前にはりついているため肩がこり、目が疲れてきます。中高年者は気力も衰えてきていますので、作業の継続性にも負担がきます。

これらのことから、スキャルパーはほとんどが若い人たちです。やはり、投資においては投資家自身の資金量や投資家の性格、センスなどを見極めて、投資家自身に合った投資手法を選択すべきであると思います。



   ≪ 敗者が相場を動かす ≫
2022/10/28(Fri)

2022/10/21 のコメントです。

「自分は投資に向いているのだろうか」と、誰でも一度や二度は考えたことがあると思います。私は、投資の向き不向きは、最終的に本人の性格に依存すると考えています。性格というものは、変えようとしてもなかなか変わらないものです。

投資において勝つ人はいつも勝っているし、負ける人はいつも負るという現象が起こるのは、この性格に起因するのでしょうか。性格が全てとは申しませんが、個人投資家を長い間見ていると、何となくそのような感じがするのです。

投資において、投資家の性格が顕著に出るのは、やはり損失を抱えた場合でしょう。損切りにおける投資家心理に興味深いものがあります。たとえば25日移動平均線を株価が下回れば、直近で買った人の多くが含み損を抱えたということであり、さらに株価が移動平均線から下方に乖離すれば、さらに多くの人が含み損を抱えたということになります。

テクニカル分析を否定しても、この事実は否定のしようがありません。損失を抱えた投資家心理というのは、人さまざまですが、不安、迷い、怒り、失望、恐怖というものが支配的になっています。

そもそも人間というのは、投資に限らず嫌なことは先送りする傾向がありますので、投資で損失を蒙った場合、多くの個人投資家が最初にとる行動は「現実逃避をして嵐が通り過ぎるのをひたすら待つ」または「負けを受け入れることができず、資金が続く限りナンピンして回復を待つ」ではないでしょうか。

株価が短期間の値幅調整で終われば上記の体制でも耐えられますが、大幅な下落や時間的調整が長引くと次第に耐えられなくなります。なぜなら人間は短期間のストレスには耐えられますが、先の見えない長期のストレスには耐えられないからです。

また、信用取引などの場合は、精神的に耐えられなくなる前に、追い証などで資金的にショートする人も出てくるでしょう。従って調整が長引くと次第に「この辛い状況から一刻も早く抜け出したいと損切りをする」ことになります。

相場の上昇にしても下降にしても、相場の天井や底値の最終局面では、トレンドの勢いにプラスして、損を抱えている投資家の最終的な投げが出るので、出来高を伴ってチャートは鋭角的な上昇または下落を描いて相場が終了します。

相場は、常に買い手と売り手の攻めぎ合いで成り立っています。その均衡がどちらかに破れたとき、トレンドが発生し、一方が徹底的に打ちのめされるという特性を持っています。そのようなとき、儲かっている投資家の行動心理などより、損失を抱えている投資家の行動を読むことが重要になります。

自分が有利な方に付き、弱っている相手を攻めるのは戦いの鉄則ですが、相手が白旗を上げたと見たときは、ポジションを逆転するなど、常に負けている投資家の立場に立って相場を見ると、自ずと取るべき行動が見えてきます。

また、相場の天井や底値の最終局面では、基本的に負けている人の行動が株価を動かすものです。天井の末期には、今まで損をしていた人や乗り遅れた人が一斉に買い走り、天井のフィナーレを迎えます。大底圏では、損を抱えている投資家の最終的な投げが一斉に出ます。そして最後に相場が崩壊するとき、群れ(敗者)は壊滅状態になるのです。

相場における勝者は、敗者の数に比べて圧倒的に少ないものです。ただ勝者が脚光を浴びる傾向があるために、勝者の行動に注目が集まりますが、実は敗者である群れの行動にこそ着目して行かなければならないのです。つまり「敗者が相場を動かす」ということです。

よって、投資の世界では敗者が多いわけですから、敗者の心理やその行動パターンをよく理解して、それらを今後の投資活動に役立てることが必要であると考えます。



   ≪ 投資家心理は「負」 ≫
2022/10/21(Fri)

2022/10/14 のコメントです。

投資における解説は、結果を見てからの解説は誰でもできるのですが、そのプロセスを理論的に説明することは重要です。これらが体験となり、今後の投資活動に大いに役立つものと思います。

さて、投資手法は投資家の数ほどあるといわれていますが、なぜか同じ投資手法で運用しても儲かる人と儲からない人が出てきます。なぜでしょうか。

その原因の多くは、投資家の心理に起因すると言われています。ここに投資家心理をうまく表現した文献がありますのでご紹介しましょう。この解説は、信州大学経済学部教授である真壁昭夫氏による解説です。

『【問い】株式投資の世界では、100円値上がりするとすぐに売ってしまい、その後の値上がり益をふいにしてしまうことがよくある。逆に100円損したときは「もう少し待てば株価が上昇に転じるだろう」と考えて持ち続け、結局さらに下がって大損をすることがある。どうしてそうなるのか。

【答え】行動経済学の創始者で経済学者のカーネマンとトヴェルスキーの2人は人を集めて、株価が100円値上がりしたときの喜びの大きさを「1」とした場合、200円値上がりしたときにその喜びの大きさはどうなるか、反対に100円損したときに悲しみの大きさはどうなるかを質問し、相対的な損益に応じた喜びや悲しみという価値の変化の度合いを測定した。その結果が「価値関数」と呼ばれるグラフなのだ。

ここからまずわかるのは、人々の意思決定のもとになる価値は、特定の状態からの変化、つまりリファレンス・ポイント(参照点)から離れることで発生するメリット(効用・利益)やデメリット(損失)に大きく依存すること。また、利益が発生しているプラスの領域と、損失が発生しているマイナスの領域とでは、価値関数の傾きが異なる。そして、その傾きの緩急の違いから、100円儲かったときに感じる喜びの大きさと、100円損したときの悲しみの大きさを比較すると、悲しみのほうが大きいことがわかる。

そうすると、儲かっているときと、損失が出ているときの人間がとる行動に違いが出てくることになる。そのような現象を行動経済学では「鏡映効果」と呼び、利益が出ている局面であると、人はいま発生している利益で満足してしまう傾向が強まる。そして、それ以上のリスクをとりたくないと考え、リスク回避的な行動をとるようになる。

利益が発生しているときは「さらに利益を追い求めなくても、いま発生している利益でもう十分だ」と判断しがちになる。一方、損失が出ているときにはリスク受容的な行動が強まることになる。

多くの人は株式投資で損失が生じると、まるで金縛りにあったかのように身動きがとれなくなり、ずるずると株を持ち続け、さらに大きなリスクを抱え込むことになるのだ』

以上のように、投資における投資家心理は「負」の方へ傾きがちのようである。よって、裁量的な売買においては、これらの点を十分理解してから挑むべきではないでしょうか。



   ≪ ワイルダー ≫
2022/10/14(Fri)

2022/10/07 のコメントです。

今回は、私の投資スタイルに共通するものがある、テクニカル分析の第一人者、ワイルダーについて解説いたします。マネー・マネジメント(資金管理)メンタル・マネジメント(自己管理)の重要性を説いています。

ワイルダーは、画期的な6つのシステム(パラボリック・タイム/プライス・ システム、ボラティリティ・システム、ディレクショナル・ムーブメント・システム、トレンド・バランス・ポイント・システム、リアクション・トレンド・システム、スイング・インデックス・システム)を考案しました。

ワイルダーとは、トレーダーであれば誰でも知っているあのJ・ウェルズ・ワイルダー・ジュニアのことです。彼は数々のテクニカル指標を考案したテクニカルアナリストですが、同時にトレーダーでもありました。理論とともに自らもトレードする実践家であったわけです。

よく使われるRSIもワイルダーによって考案されました。その彼が愛用するデスクの近くの壁に常に貼り付けていたメモがあったと言われています。彼自らの著作の中で明らかにしていますが、それは「損失は膨らむにつれ、その回復に必要な利益は幾何学的に増えていく」という冒頭の言葉に続き、一覧表が記されているものでした。

当初の資金に対する損失の割合5%、その損失の補填に必要な利益の割合は5.3%。と表は始まり、次々と表は書き足され・・・、最後に当初の資金に対する損失の割合90%、その損失の補填に必要な利益の割合は900.0%、と記されていたそうです。

当初の資金が損を重ねて10%まで減少してしまうと、900%も儲けないと元の資金に戻らないのです。そして、この表についてワイルダーはこう述べます。「かつてフェニキア人やローマ人が活発に市場取引を行い、ギリシャの七賢人のひとりが大儲けした時代から変わっていない問題である」と。

勝つためのトレード・システムの考案者自身が常に自身のトレードに対して、リスク管理を自らに言い聞かせていたことはとても興味深いことです。でも、前述の「損失は膨らむにつれ、その回復に必要な利益は幾何学的に増えていく」ということは、逆に言うと少しずつの儲けであっても、資金が増加して母数が大きくなっていくと、少ない割合の増加であっても利益が幾何学的に増えていくことでもあります。利益率とともに勝率の大切さも示唆しています。とかく、トレード手法のほうが重要視されがちですが、まずはマネジメント(管理)が大切なのです。

マネー・マネジメント(資金管理)、メンタル・マネジメント(自己管理)などは、自己のミッション・ステートメントとして、ワイルダーのように壁に掲げておく必要がありそうです。また、ワイルダー流の資金管理の概念として、
1. 一つの商品に手持ちの資金の15%以上はつぎ込まない。
2. 一度に手持ちの資金の60%以上は動かさない。
と、これを上限値としながらも、自身のルールとしていたといいます。

現代的には、ちょっと枠の大きすぎる感じもする資金管理ですが、このあたりにワイルダーの自らのシステムへの大いなる自信が覗えるような気もします。

さて現代では、資金管理にもいろいろな流儀があるようですが、マネー・マネジメントの中で特に大切なのが、リスク・マネジメント(リスク管理)とされています。諸説ありますが、リスク選好の範囲は、伝統的な考えでは2〜5%以内が良いとされているようです。

「えっ?、なんだそれ!」と言われそうなくらいの小さなリスク限定ですね。そうなんですね。20〜50回連続して負けて、つどつどの投資額をすべて失っても資金が耐えうるようにするくらいが資金の安全度が高いというわけです。

20回連続負けはやろうと思ってもなかなかできることではないのですが。資金に対して小さな玉数にしたり、損切りで損失を限定すると確かに安全といえそうです。「20回連続負けを想定するなんてことは、トレード手法法自体がおかしいんだよ」という声が聞こえてきそうですが、それほど「リスク管理は大切だ」ということなのです。

「初心の人ほど恐れを知らずに玉数が多過ぎ、熟練者ほど恐れを知り過ぎて玉数が少ない」などと言われるのも、なんとなく解るような気がします。



   ≪ デイトレード・名言集 ≫
2022/10/07(Fri)

2022/09/30 のコメントです。

今回は米国最大の投資家教育会社創業者である「オリバー・ペレス」の言葉より、「デイトレード」について、皆様の参考になればと思い抜粋して掲載いたしました。

投資市場で成功するためには、自らの血を流しお金を惜しまず、生活のほとんどを注ぎ込むことが必要です。市場への授業料は高い。それを否定しようとしないところです。

しかし、あえて対価を支払う者に対する最終的な報酬は途方のないものとなる。成功したトレーダーが味わうことのできる自由は創造のつかないものです。

まず知識を求めよ、利益はその次である。

デイトレーディングは、人々が認識している以上に奥が深いものですある。

残念ながら金融業界の内外を問わず、多くの人々がデイトレーディングは熱狂的で、そして目にも止まらぬ速さで売り買いを行うアプローチであり、ポジションをオーバーナイトで持つことは決してないという間違った認識を持っているようです。

それも一つの方法ではあるが、それだけがデイトレーディングではありません。

取引で成功するためには人間性を捨てなければならない。

トレーディングのすべての瞬間において銘柄のスプレッド(売値と買値の差)、つまり鞘を取ることに尽きる。上値を追い求めるものではない。値上がりを求めていない。唯一の目的は鞘を取ることなのである。

期待しすぎること、あるいは期待水準が高すぎることは、経験の少ない初心者である証である。

含み損を抱えたポジションを持ち続ける癖のあるトレーダーにとって、希望は大敵。希望は、まさに行動が必要なときに行動を起こさないように仕向けることである。
 
恐怖は知的な行動の妨げとなる。恐れは精神を萎縮させ、その結果として判断過程を萎縮させるだけでなく、きわめて重要な直感を減退させる。

勝とうという意識、平静な精神状態、そして適切な意識付けがなければ、非の打ちどころのない手法でも損失を招くことがある。

生き残ることができた者、負け続けている苦しい時期を耐え抜いた者にこそ、成功の可能性が残されている。

正しい銘柄を間違ったタイミングで買っていないか?。間違った銘柄でも正しいタイミングで買えば利益になる。

熟練したトレーダーになることを心の底から望むのであれば、損失をコントロールするというプロの負け方を学ぶことが重要な鍵となる。

時間軸の変更は損切りを正当化することにほかならない。

トレーダーとしての目標は損失を完全に回避することではない。頭を使って損失をコントロールすることであり、統計的に全ての取引で勝つことはできないという現実に従うようにすることである。

最大の敵はどこか遠くのトレーダーでもマーケット参加者でもなく、己の中にいること忘れてはならない。

ホームランは敗者のためにある。

心の底から成功を望むのであれば、夜と早朝の静けさの中で、世界やマーケットがまだ休んでいるときに準備を進めなければならない。

トレーダーとして成長するためには、心底トレーディンクを辞めたくなる日を耐え忍んで明日を迎える経験が不可欠である。勝つためには継続しなければならない。

勝つためには「才能ある敗者」としての経験を経なければならない。

損失の原因の中で1つのカテゴリーが他よりも多くなっていることに気づくはずである。逆に、アプローチに問題があっても勝つことはある。

常に反対の発想を持つことによって、他の投資家と一線を画すことができる。

多くの資源を求める前に、手元にある資源を十分に活かしきっているだろうか?。

己こそがた偉大の敵なのである。自分自身を克服したトレーダーはその他のものも征服している。トレーディングを極めることは、自分自身を極めることの副産物なのである。

その銘柄が職務を遂行しない兆候を見せた場合には、すかさずクビにすべきである。

戦場は戦術に疑問を持つ場所ではない。

実世界においては、いかに戦略が健全であり現実的なものであっても、全ての取引では勝てはしない。

株価の上昇を招く力は、この世に一つだけ存在しており、それは単純に売りを上回る買いが存在するということ。

困難な問題に直面しても、我々が革新的な変化を成し遂げられるのなら困難は素晴らしいものとなり得る。

負けたことによって機能していないものを捨て、機能しているものを強化することができた。

損切りしたトレーダーは正しいポジションを取れるチャンスを獲得している。

熟練したトレーダーは、平均以上のパフォーマンスは大きな利益を上げたからではなく、損失を抑えたからであることを理解している。

誓い・自分のトレーダーとしての最大の欠点について、常に注意を払うこと。

誓い・自分の取引に全責任を負うこと。

誓い・利益を考える前に、必ずリスクを考える。

「私が今日成功しているのは昨日致命的な失敗をしているからです」。つまるところ、負けた取引手法、技術、そして勝つための戦略を身に着ける動機となった。



   ≪ 晩年における投資手法 ≫
2022/09/30(Fri)

2022/09/26 のコメントです。

ニュース記事(以前の内容ですが)からあるテーマを拾ってみました。

『オランダのウィレム・アレクサンダー国王は、政府予算案提出に伴って議会で演説し「20世紀型の福祉国家は終焉し「参加型社会」へ変遷している」と話した。演説の草稿は内閣が作成しており、この内容は国家施策の政府方針を直接国民に通達するものとなっている。

国王が言う、つまりオランダ政府が目指す「参加型社会」とは、国家の財政難により労働市場対策や公共サービスは賄えないので、国民は自助努力で何とかせよということだ。これまで国の福祉の保護下にあった失業者、病人、障害者、貧困層や年金受給者などへの保障が打ち切られ、その責任を国民とその家族が担うことが期待されていることになる』

オランダはこれまで「大陸型福祉国家」と言われる福祉システムを取っており、国家の社会保障制度は手厚い。昨年の国内総生産(GDP)に占める福祉支出(教育関連費を除く)の割合は24.3%で、北欧諸国ともほぼ拮抗するレベルだ。ちなみに日本は16.9%である。

オランダの国王の演説後に提出された予算は財政赤字削減のためとして60億ユーロ(約8000億円)の追加緊縮策が盛り込まれており、社会保障が大幅に削減される見通しだ。こうしてオランダは、退位したベアトリクス女王の後を継いで即位したばかりの国王が「もう福祉国家を辞める」と宣言したわけである。つまり、オランダは福祉国家に別れを告げることになる。

上記の内容は「福祉優先の国家は成り立たない」と言うことであろう。日本においても、これから団塊の世代が晩年を迎えるにあたり頭の痛いところだろう。

一般的に「弱者」と言われる人たちはお年寄りのように考えられているようだが、私が考えるに、生活弱者とは現在働いている人たちではないだろうか。なぜなら、社会保障のための税金や年金など多く金額がの給与から天引きされている。

「福祉」と聞けば、誰しも充実すべきだと答えるでしようが、過度な社会保障はオランダのように行き詰ってしまいます。日本においても、国の借金が1000兆円を越えてきた現在、今後の社会保障も不安になります。

また、以前であるが米国のブッシュ大統領が「国民の経済的自立を促し、社会保障改革や持ち家の促進、教育の充実を通して「オーナーシップ・ソサエティー(所有者のための社会)の実現を目指す」と演説していた。「オーナーシップ・ソサエティー」とは、国民一人一人が自立した社会を目指していくということです。

ブッシュ大統領が「経済的自立、社会保障改革、自立した社会」と述べているように、これからは「国など当てにしないで自立していきなさいよ」ということであろう。つまり、他力本願的な考えから脱却しなさいということです。

たしかに、これでは先行きが不安になってしまいます。しかし、遅かれ早かれ我々は将来、「国」には依存できない社会となってしまうでしょう。

晩年の不安は「健康」と「お金」でしょう。将来は医療費も上がり、経済的に負担となります。健康については、それなりにきちんと管理すれば、そこそこ元気でいられると思います。残るは「お金」です。

医療費もお金が必要です。働かなければ収入はありません。頼りは年金だけです。しかし、その年金も国の財政困難で減額されてしまうでしょう。

そこで、誰しも「これではいけない、何とかしなければ」と考えます。それらを解決する選択肢はいくつかあると思いますが、我々は投資の世界にいます。しかし、投資においてはリスクが付きまといます。若いときならやり直しもできるが、ここまできてしまってはなぁ・・・、と。

そこで、晩年における投資手法は「大きなリスクをとらない」、これが絶対であろう。リスクとリターンは表裏一体ではあるが、リスクを押さえ、リターンは少ないものの安定したリターンの手法、それは、やはりヘッジを取り入れた投資手法であろう。

ヘッジを取り入れた投資手法は当欄で何度も解説してまいりましたが、今後も「ヘッジを採用した継続性のある投資手法」を解説していきたいと思います。



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