2021/06/18 のコメントです。
私の稚拙な考えではありますが、私は「景気サイクル30年説」を唱えています。ここでの景気サイクルとは、ピークからボトム、ボトムからピークへの期間を言います。もちろん私は株式専門であるため、これらの視点から述べて見ます。
景気変動を株価変動に合わせてみます。株価のピークは1989年12月の38915円でした。その30年前は1959年となります。1940年代、1950年代前半は第二次大戦と戦後処理の時代であり、すべてがリセットされた時代でした。その後1950年代後半から高度成長期に繋がっていきます。
そして、高度成長期、その後の安定期からバブルを向かえ、株価で見れば1989年12月でピークを打つことになります。まさにバブルの絶頂期です。バブル期までの高度成長には団塊の世代が大きく貢献したことは言うまでもありません。
では、バブル後のボトムはと言うと、株価のピークから30年後の2019年となります。「失われた「30年」となります。
これらの説から、なぜ30年なのかという疑問もわいてくるはずです。その根拠は簡単です。30年の期間は、人間一人が働ける期間なのです。現在では、寿命も延びているためもう少し長くなるかもしれませんが、実際に元気に働ける期間は30年程度ではないでしょうか。
欧州のギリシャ、イタリア、スペインなど経済危機に見舞われて、ユーロの危機などと叫ばれ、あれこれ対策をとっているようですが、その回復には30年は必要となってくるのではないでしょうか。
元気に働ける期間の30年は一世代です。つまり、一世代変わらないと価値観なども変わらないため、おいそれと社会が変化しないものです。バブル期を経験した人達は、現状を常にバブル期と比較して「景気が悪い」などと言います。
バブル期を経験していない人達は、現状を「こんなもの」と言います。バブル期を経験しない人達が社会の中心となったときに、価値観も変わり初めて景気が上向きとなってくると考えます。大きな景気サイクルもそのぐらいの長い期間を要することになります。
私は経済の専門家ではないので、株価の変動から経済状況を観察する程度ですが、企業は人間が行っているものであり、これらの視点から景気動向を見てみると30年周期説もまんざらでもないような気もしています。それとも私の思い込みなのかもしれませんが・・・。
景気にサイクルがあるように株価にもサイクルがあります。一般的に、資本金の大きな銘柄はサイクルが長く、資本金の小さい銘柄はサイクルは短くなります。しかし、株価サイクルも常に一定しているものではありません。
株価のサイクルが分かれば、株式投資は必勝間違いなしです。サイクルが分かれば株価の天底が分かるわけですから・・・。実際の株価サイクルについては、各銘柄の資本金や業績、市場全体の変動に左右され掴み所はありません。
私は現在、これらの株価サイクルの研究を行っておりますが、とにかく時間がかかります。日々のサイクルデータを取り出すのに、1日につき何百回も過去に遡って計算するわけですから・・・・。株価サイクルについての文献はいくつかありますが、その多くは決め手を欠く内容となっています。それだけ難しいということです。
株価サイクルは、一部「総合ヘッジ比率」にも採用されていますが、株価サイクルの研究は未知への挑戦となりますので、今後も地道に努力していく考えでいます。
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