2018/08/17 のコメントです。
タクシーに乗ったとき、年配の運転手が「景気が悪くてどうしようもないよ。売り上げも以前の半分だよ。やってられないよ。」と嘆いていた。昔から、タクシーの運転手に聞けば景気が分かるなどと言われていますが・・・。
これらも世相を反映する事例かもしれません。私もタクシーに乗ったときなど最近の景気動向などを話すこともあります。「売り上げも以前の半分だよ」と言うように、現在の景気状況を如実に表しているようです。
私は、そのように愚痴をこぼしている運転手に次のように話しています。「たしかに今は景気は悪いでしょう。しかし、現在の状況は、最高に良かったときと比較していませんか」と話をすると、たしかにその通りですと答えが返ってきます。
続いて私は「戦後のドサクサの時代と比較したらどうですか」と振ってみた。すると、当然ながら「もちろん、その時代よりは良いに決まっていますよ」と。視点を変えるだけでこれだけ変わってしまいます。
多くの人間は、現在の状況を表現するときに、過去の一番良かった時と比較する傾向があります。と言うことは、過去の一番良かった時と比較するわけですから、現在は常に悪い状態になってしまいます。つまり、いつも悪い状態と認識しながら生活しているということになりませんか。
結果的に、現在の悪い?状況にいつも嘆き悲しんでブツブツ言っていることになります。これでは毎日が楽しくありません。たまには、自分が最悪だったときと比較してみてはいかがでしょうか。そうすれば毎日ハッピーで過ごせるのでは・・・。
人間は、過去において最高の体験の時、過去の栄光の時の記憶は鮮明に残っています。話の中には、必ず「あの時は良かったなあ」という話が出てきます。これらのことを「快感の法則」と言うらしい。一度味わった快感は忘れないらしい。
相場においても「快感の法則」が随所に出てきます。相場の話では、必ずバブルのころの大いに儲けた話が出ます。そして、自慢話に花を咲かせます。過去の栄光に酔いしれているわけです。しかし、現在は・・・。
ある銘柄を買いに入り、株価は上昇し利食いしようかと思ったが、相場も強いようだしと様子を見ているうちに下落。その時に投資家は、せめて利食いしようかと思った高値まで戻ったら決済しようと考えます。つまり「高値覚え」です。これらにも「快感の法則」が作用しています。前の高値が忘れられない・・・。
人生においても、相場においても、この「快感の法則」が作用しています。すなわち、これらが「相場は人生の縮図」と言われる所以でしょうか・・・。
人生でも相場でも、その絶頂期は自分では分からないものです。常に振り返って思うものです。であるならば、現在が最高と言わないまでも、現在は「まずまず」であるとか、「ベター」であるなどと考えるべきでしょう。
今が苦境であるとすれば、その視点を変えるべきです。過去の絶頂期と比較して悔やんでいても何も始まりません。過去における悪い時期から現在を見てみることによって、その考え方も変わってくるはずです。
現在の状況を上から見るか、下から見るかによって、現在置かれている自分の状況や考え方が変わってくるはずです。これらは、長い人生を生き抜く知恵とでも申しましょうか・・・。
まれに、現在の状況が最悪だと言う人もいるかもしれません。しかし、心配しないでください。今、自分が置かれている状況が最悪であるという冷静な判断ができているわけですから・・・。まだまだ大丈夫です。
暴落では、大きな痛手を被った投資家も少なからずいたでしょう。しかし、何も悲観することはありません。転んだら、また立ち上がって歩き始めればよいわけです。自分が置かれてる現状を「これからだ」と考えるべきなのです。
|