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…知って得するページ…

   ≪ 人間の器 ≫
2019/05/18(Sat)

2019/05/11 のコメントです。

ゴールデンウィークは株式市場もお休みとなりました。日頃、相場の変動に一喜一憂している投資家の皆さんも、ゴールデンウィーク中は相場からはなれて解放された気分になったのではないでしょうか。大いにリフレッシュできたでしょうか。

さて、今回は「お金」にまつわる話をしてみたいと思います。我々は収益を得ようと投資活動をしています。投資の究極は投資利回りであり、投資金を投じることにより、その見返りとして何がしかの配当や利益を得ることにあります。

つまり、お金を投じてお金を得るものです。投資家は、その見返りをできるだけ多く得ようと日々努力しているものです。これらの行為もある意味では経済活動ではあるかと思いますが、そこに何かを忘れていることはないでしょうか。

私自身も投資家の皆さんと同様に、いかに効率よくそのパフォーマンスを向上させるかに苦心しています。投資で収益を上げようとすることは、投資家の共通の意識であることは間違いありません。

そこで、もし、投資において収益を上げた場合、その後のことはどのように考えているのでしょうか。多くの投資家は、その収益を再投資して、さらに多くの収益を上げようとするのではないでしょうか。これらも投資家共通の意識であると思いますが・・・。

一般に、投資で収益を上げている投資家は3%程度と言われていますので、さらに多くの収益を上げた場合などと仮定してもあまり意味がないかもしれません。しかし、投資経験を積んでいくことにより、少しずつでも収益の積み上げがあった場合、その先にあるものは何でしょうか。

私は「お金を稼ぐことはひとつの手段でしかない」と考えています。お金を儲けることは目標ではなく、目的のための手段であるということです。たとえ、投資で多くの利益を得ても、そのお金も有効に使わなければあまり意味のないものとなります。預金残高を見てニコニコしている人もいるようですが・・・。

投資の目的やその利益の使い道はそれぞれであると思います。利益を得て、それらにより各自の価値観に基づいて、豊かな生活を送るということが本来の目的であるような気がしますが、いかがでしょうか。ただお金を増やすことだけを考えているのでは、ちょっと寂しいような気もするのですが・・・。

では本題に入りましょう。
投資には投資金が必要になってきます。その投資金の源泉は、各自各様であると思いますが、その多くは自らが働いて得た資金であると考えられます。団塊の世代が、老後のためにと、その退職金で投資を始めようとする資金も自らが働いた虎の子の資金であると思います。

自らが汗を流して得た資金であるから、その投資にも慎重になります。元金を減らさず、いかに収益を上げようかと真剣に努力するものです。自ら稼いだお金であるからこそ価値があるのです。

若い投資家であれば当然ながらその投資金も少ないでしょう。若いがゆえに投資の世界に夢を抱いて大きく儲けようとするものです。それらの現象が如実に現れているのが、ブームになっている仮想通貨やFXです。仮想通貨やFXは、少ない資金での運用が可能であり、レバレッジも非常に高く、うまくいけば大儲けもできます。そこが仮想通貨やFXの魅力のひとつでもありますが・・・。

若い投資家であれば、何度か失敗しても再起は容易です。取り返しはつくものです。しかし、すでにリタイヤした投資家はそうはいきません。苦楽を体験し、長く人生を重ねた人であれば、お金の重みも理解しているし、若者とは経験の差もあり、あまり無茶はしないものです。

人間は、額に汗して稼ぐ過程において、その金額に応じて人間としての器(うつわ)が備わっていくものです。苦労して貯めたお金は、早々に無駄遣いはしないものです。苦労して貯めたというプロセスを自分自身で体験しているからです。そして、そのお金の価値を理解しているからです。

一般社会からは、投資で得たお金は不労所得のように、楽して儲けたなどと思われているようです。私が投資家であるから言い訳するわけではありませんが、そのような見解は完全に間違っていると思います。投資家であれば理解されると思いますが、投資の世界で稼ぐということは、一般社会で稼ぐより何倍も大変なことなのです。

これらを踏まえて・・・。投資の世界では大きく儲けることもあり、時には大きく負けることもあります。人間の心理として、大きく儲けるともっと儲けようとする心理が働きます。また、大きく損をすると、その損を取り返そうとする心理が働きます。これらは、人間として不変の深層真理でもあるのです。

もし、大きく儲けた場合「もう少し資金があればもっと儲かるのになあ」と考えます。そして、どこからか資金調達を考えます。一方、大きく負けてしまった場合、何とか損を取り戻そうとするものの資金がありません。そこで「資金があれば、この損を取り戻せるのになあ」と考えます。そして、どこからか資金調達を考えます。

大きく儲けても、大きく損をしても次に考えることは「資金調達」です。もちろん、すべての投資家がこのように考えるわけではないと思いますが、ある意味では、投資家の心理でもあると思います。

もし、個人投資家が「資金調達」ということを頭に浮かべたら、それは破局への始まりと考えて間違いありません。取り返しがつかなくなる場合もあります。その理由は、すでにお分かりであると思いますが・・・。

その理由は「人間には自分の力で稼いだお金以上は、そのお金を運用するだけの器が備わっていない」と言うことです。このことは非常に重要な問題ですので、よく理解しておいてください。

上記の若者の仮想通貨やFX投資の例においても、レバレッジを高くするということは、ある意味では、自分の器量以上の運用をしているということにはならないだろうか。ブームの影で多くの投資家が破綻しているということはあまり知られていない。

これらの例は「自分の器以上のお金は運用できない」ということを証明したものです。私の体験の中で、投資の世界でもこのような例をいやというほど見せ付けられてきました。投資家の皆さんもこれらを他山の石として学んでほしい。

お金というものは、それを稼ぐプロセスにおいて、それらに応じて人間を成長させるものです。それは必ずバランスのとれたものとなるのです。つまり、現在の自分の姿は、今まで自分が歩んできた過程の結果の姿であり、現在の自己資金は、自分自身の現在の器を証明するものなのです。

投資家は、自分の器(器量)の範囲内で投資活動を行うべきであると・・・。



   ≪ 投資手法の根拠 ≫
2019/05/11(Sat)

2019/05/03 のコメントです。

個人投資家向けに「株式投資でどのくらいの利益を上げたいか」というアンケートがあった。その結果も記載されていた。そこには「個人投資家の期待リターンは、年収程度」と記載されていました。

これらについて、皆さんどのように感じられたでしょうか。「もっともだ」「難しいのでは」「少なすぎる」など、いろいろな意見があると思います。感想は感想として、株式投資では、実際にはどのくらいのリターンが望めるのでしょうか。

ある資料によりますと、まず、配当についは、前期基準の配当利回りは2.04%となっています。そして、期待収益ですが、これらはあくまでも過去の数値です。当然ながら、これらの数値は平均値であり、場合によってはマイナス10%の年もあるだろうし、プラス10%の年もあるはずです。

ここで、もし、給与の年収が500万円であった場合、株式投資で、それと同等の収益を上げようとするにはどのくらいの投資金が必要となってくるのでしょうか。年率6%であれば、投資金は8000万円以上必要となってきます。個人投資家で株式投資の投資資金が8000万円以上で運用している投資家がどれだけいるのでしょうか。

ここでまたアンケートの結果ですが「個人投資家の平均的な投資資金は200万円から500万円程度」とされています。これらの結果から、期待と現実とのカイリがとんでもなく大きいとしか言わざるを得ません。これらから、個人投資家はいかに株式投資に夢を抱いているかがわかります。しかし、その反面、現実離れした思いであるとも言えます。

これらの問題に異論を唱える投資家もいます。「投資利回りが年率6%と言うのは平均値であって、技術を駆使すればもう少し高い利回りが確保できるのではないか」と。まさにその通りです。高度な投資テクニックを駆使し運用すれば、平均値以上の利回りが期待できるはずです。

私を含め多くの個人投資家は、高度な投資テクニック駆使し市場の平均利回りを上回るパフォーマンスを上げようと日々努力しているのです。もし、年率25%であれば、期待収益の500万円を上げるには、投資金は2000万円でOKです。このあたりであれば現実味がでてきます。

ただ、この期待値である年率25%も、一過性であれば可能な時期もあるのですが、相場には山あり谷ありで、長期間にわたりこれらのパフォーマンスを上げることは非常に困難となります。しかし、努力如何では・・・。

そこで、我々個人投資家に課せられた課題は、高度な投資テクニックよる実践にあるのではないでしょうか。しかし、この「高度な投資テクニック」以前の投資家も多いのも事実です。投資金が500万円であるのに係わらず、損切りもできないのに、年間500万円の利益を上げようとする無謀な考えの投資家もいます。冷静になって考えれば分かることなんですがねえ・・・。

勘違いはともかく、投資の世界では「金融理論を学べば必ず儲かると思う人」と、「金融理論など役に立たないと思う人」がいます。これらについては、私が常々申し上げています「投資の世界には正しい答えはない」ということであり、どちらが正しく、どちらが間違っているとは言えません。

強いて言えば「理論が伴った実践」にあると私は考えています。理論ばかりで頭でっかちなってもいけませんし、理論もなく感覚的な売買でもいけません。理論と実践が車の両輪のようにかみ合った状態での運用がベストではないかと考えています。

高度な投資テクニックの追求において、多くのテクニカル分析派の投資家は、いろいろなテクニカル分析指標を駆使して運用されているものと思います。そこで、現在採用しているテクニカル分析指標の根拠は何だろうと考えたことがあるでしょうか。何も考えず無条件で利用していないだろうか。

私が最初に覚えたテクニカル分析指標にサイコロジカルラインがあります。サイコロジカルとは「心理的な」という意味であり、投資家心理は、株価の上昇が続けば、ますます強気に傾き、逆に株価の下落が続けば弱気に傾きがちである。

このような考え方から直近12日間の中で終値が前日比プラスの日数を数え、12日間のうちプラスが何日あったが、その比率を求める。前日比変わらずの場合は、前日プラスであれば、その日はプラス、前日マイナスであれば、その日はマイナスとして数える。サイコロジカルラインの考え方に上昇幅・下落幅を導入したのがRSIである。

これらのサイコロジカルラインは、投資家の強気と弱気の心理を捉えた指数であり、市場は投資家の心理状態を良く表したものであり、ある意味では理論的である。しかし、私が問題にするのは、その点ではなく分析期間が12日間というところです。

なぜ12日間なのだろうか。13日間では、あるいは20日間ではいけないのだろうか。根拠が希薄であれば、その結果もあいまいになってしまう。何事にも原因・結果の法則がはたらく。

「あなたの分析手法に理論(根拠)があるのか」とよく尋ねられる。私は、それらの質問には次のように答えています。「私は特に金融理論を学んだわけではないが、その根拠(原因)には、徹底したバックテストにある。これらは金融学ではないかもしれないが、膨大なバックテストの結果は、ある意味では統計学(理論)ではないでしょうか。私は、うまく行かないときも、これらを心のよりどころとして、そして、その統計を信じて日々運用を続けています。そのためか、今でも現役でいられます」と答えています。

私は統計学も理論であると考えています。根拠なき運用では、いずれ破綻します。ここで、投資家の皆さんも、現在運用されている投資手法の根拠について、もう一度考えてみてはいかがでしょうか。



   ≪ 大いなる中高年チャレンジャー ≫
2019/05/03(Fri)

2019/04/26 のコメントです。

春だというのに寒かったり暑かったりで、おかしな春の陽気です。新芽も顔を出してよいのか迷ってしまうところでしょう。しかし、株式市場は、ゆるやかな上昇トレンドを形成し順調に推移しています。

今週から10連休になりますので、手持ちはすべて処分しました。日本は10日の休みですが、海外の市場は開いていますので、その間に何があるか分かりませんので・・・。証券会社も注意喚起しているようです。

私は、苦手とする執筆活動が終わり、ほっとしているところです。当コメント欄を毎週書いていることもあってか、原稿書きは以前より少しは楽になったものの、苦手なものはいつになっても苦手であることには違いありません。

さて、次に取り掛かろうとしていることは、やはり分析システムの構築です。さらなるレベルアップをしたいと考えていたことです。これらに伴い、少しずつではありましたが、その準備をしていました。

すでに、これらのシステムにおけるバックテストは完了し、あとは運用システムのプログラム作成のみとなっています。プログラム作成は、時間と気力の戦いであり、大変な作業でもあります。

「システム開発がそんなに大変なら外部に発注したら」などと言う友人もおりますが、そうはいかないのです。一般的なシステム開発ならいざ知らず、分析システムは、そこに極秘のノウハウが組み込まれているわけですから、簡単に外部発注などとはいかないのです。

パフォーマンスにつきましては、以前に増して膨大なバックテストを行って参りましたので、それなりの結果を得ました。検証でのテクニカル分析手法は1指標(オリジナル)のみで、サブ指標がもうひとつあるだけです。非常にシンプルです。

売買は寄付きのみの売り買いのどてん売買であり、場中での売買は一切しません。場中では損切りのみです。分析指標はひとつ(+α)であり、寄付きのみの売買ですので運用はいたって簡単です。無駄なものはすべてそぎ落としました。シンプル・イズ・ベストという考えの下に構築しました。

これらの開発に対して問題がないわけではありません。上記でも申し上げましたように、プログラム作成には、多くの時間と気力と体力、さらに忍耐の継続が必要となってきます。はたして、それらに私自身が耐えられるかということです。

よく以前から言われていたことですが「あなたのシステムは使い勝手も悪いし、見栄えも悪い、素人が作っているようなシステムだよ」と陰口をたたかれていました。実際に、私はシステム開発やプログラム作成は独学であるし、プロが作成したようにはいかないのは十分承知しています。

そこで私の独り言ですが「いくら使い勝手が良くても、いくら見栄えが良くできていても、儲からないシステムでは何にもならないんじゃないの・・・」と。

実際、私の年齢(?)で、システム開発を行っている人は皆無に近い状況です。しかし、そこは変わり者と言われる私としては、大いなる夢と野望を持って、中高年チャレンジャーとして、投資家の皆様のため、私自身のために頑張りたいところです。



   ≪ リスクと売買ルールと・・・ ≫
2019/04/26(Fri)

2019/04/19 のコメントです。

投資とは、そこに発生するリスクを受け止めながらも、将来に対して利益という見返りを求めるものです。投資家は、リスクを抑えながら、いかに多くのリターンを上げようかと日々努力し、投資活動を行っています。

こうした投資活動の中で、投資家を一番悩ますものはやはりリスクです。投資にはリスクがつきものであることは理解しつつも、その対策に頭を痛めているのが現状ではないでしょうか。

このリスクは、投資家を大いに悩ませ不安に陥れます。これらの悩みや不安は、常に投資家に影のように付きまとい投資判断を狂わせるという結果になります。

投資とは「長期間にわたり継続して運用する」ものであり、その過程において収益が積み上がってくるものです。しかし、その継続性を絶たれるのもリスクです。

リスクとは、その投資判断を狂わせ、投資の継続性が絶たれてしまう大きな壁となって投資家の前に立ちはだかっています。投資家は、このリスクという問題から逃げることはできません。

これからも投資活動を続けていこうと考えるならば、このリスクという問題を正面から受け止め、これらと対峙して解決していかなければなりません。

また、投資家の悩みや不安を解消する手段として、売買ルールの明確化があります。正しく構築された売買ルールは、投資の継続性という点からみても非常に有効であると思います。

投資活動においては常に決断を迫られます。これらの銘柄は投資対象として適性だろうか、また、持ち株を決済するべきか、それとも持続するべきかなど決断の連続です。

投資家であれば誰でも体験されていると思いますが、これらの決断も投資の成果により大きく左右されるものです。成績が良ければ強気になり、成績が悪ければ弱気となって、そこに投資の一貫性は見られません。

投資においては、そこに損益が発生するため投資家の感情が大きく揺さぶられるものです。しかし、投資においては、そこに感情移入せず淡々と事務処理をするがごとく処理していくものであると考えます。そのためには、明確な売買ルールの構築が不可欠となってきます。

効率的な売買ルールの構築は容易なことではないのですが、努力を惜しまず継続することによって、その成果は確実に自分のものとなってくるはずです。

明確な売買ルールにより、投資家の裁量的な判断を排除し、そして、運用における精神的な負担を軽減することによって継続的な運用が可能となります。そして、継続的な運用が収益の積み上げとなってきます。明確な売買ルールによる売買は、システム売買と呼ばれ、今後の投資手法の主流になると思われます。

投資家は、これからも長い投資活動を継続していくものと考えます。そのためには、そこに投資家自身の明確な投資方針や投資哲学が存在しなければなりません。確固たる投資手法の確立により継続的な運用が可能となって、初めて投資家本来の目的が達成できるものではないでしょうか。

上記の内容につきましては、当欄でも何度もくどいほど解説してまいりました。なぜなら、現在においても、これらの考え方は何ひとつ変わっていないからです。当研究所の投資方針は、一貫して投資におけるリスクの回避策、そして売買ルールの明確化(システム化)にあります。

今までには、歴史的な相場の最安値や大暴落、そして大底からの上昇のなど、さまざまな相場の局面においても、その投資方針の軸はブレることなく解説してまいりました。また、テクニカル分析を中心にしたトレンドフォローの手法、分散投資などについても、その投資方針を変更することなく一貫した姿勢を貫いてきました。

「投資の世界には正しい答えはない」と言われていますが、ある程度正しいと考えられる方向性は必要となってくるはずです。私は、今まで多くの投資指南書を読み、また、誰にも負けないくらいのシミュレーションを行ってきました。

これらの体験から、やはり、投資の世界においては、リスクコントロール、売買ルールの明確化、トレンドフォロー手法、分散投資は、投資における必須アイテムではないかと改めて感じる今日この頃です。



   ≪ 個人でもできる裁定取引 ≫
2019/04/19(Fri)

2019/04/13 のコメントです

一般的に、裁定取引は機関投資家や大手の金融機関が行うものであるという認識があります。たしかに、裁定取引は、日経 225先物を売って同時に日経平均の採用銘柄を買い付けして運用しますので、それらの資金量からしても個人投資家が参入できるものではありません。

<裁定取引の定義>
裁定取引とは、広義には「2つの資産について価格差のある場合」に着目、「割高な一方を売り、割安な他方を買う」ことにより利ざやを取る投資行動をいいます。

しかし、これらの裁定取引の有利性を利用して、個人投資家においてもこれらに類似した取引はできないものでしょうか。裁定取引の理論的優位性に着目し、個人投資家でも運用可能な裁定取引について考えてみましょう。

現在、個人投資家向けに「日経 225mini」が利用できますので、これらを利用した裁定取引について考えてみましょう。

「日経 225mini」とは、
日経 225miniは、日経平均株価(日経 225)を対象にした株価指数先物取引で、将来の特定の日に日経平均株価(日経 225)の100倍を現時点で取り決めた値段(約定値段)で売買することを約束する取引です。

株式投資のように売買代金を支払うのではなく、証拠金と呼ばれる担保を差し入れることで取引ができるので、少ない資金で比較的大きな取引ができるという特徴があります。また、取引対象が日々のニュースで伝えられる日経平均株価(日経 225)ですので、初めての投資家でも親しみやすく参加できます。

「日経 225mini」の特徴は、
・日経 225miniは従来の日経 225先物取引のミニサイズとなる商品です。
・日経 225先物取引のメリットはそのままで、少ない資金から取引ができます。
・信用取引のように「金利」や「貸株料」が不要です。
・売りからもスタートできる。
・倒産リスクがない。

以上のような特徴があり、これらの活用方法によって個人投資家にも大きなメリットを享受することができます。

個人でできる裁定取引とは、
基本的には、割高銘柄を売り(空売り)、割安銘柄を買い付けするという考え方です。そこで、個人でできる裁定取引は、割高とされる売り銘柄として、日経 225miniを採用します。

日経 225先物の理論価格は、現物価格より満期までの金利の分だけ割高となっているため、基本的に、日経 225miniを割高銘柄として採用します。複数の割高銘柄をパッケージにして空売りし、日経 225miniを買いにまわすようなことはしません。日経 225miniは、常に売り銘柄とします。

一方、割安とする買い付け銘柄として、日経 225採用銘柄の中から資金量にあわせて、現物株をパッケージにして買い付けます。これらの間でサヤの裁定取引を行います。

裁定取引は、日経平均採用銘柄のすべてをパッケージにして売買しますが、個人でできる裁定取引では、日経平均採用銘柄の中から特に割安となっている銘柄を数銘柄選択し、これらをパッケージにして、先物とのサヤを取るという仕組みです。

そこで、割安株として採用する銘柄の選択となりますが、これらは、やはり日経平均採用銘柄( 223銘柄)の中から選択しますので、その選択もある程度容易ではないかと思います。

これらの割安株を選択する方法として、ある銘柄の1年前の株価と現在の株価を比較して算出します。たとえば、過去1年前の株価が500円で、現在の株価が600円であった場合、現在の株価水準は、20%=(600-500)÷500×100となります。

これらの方法で、日経平均採用銘柄のすべてを計算し、割安な銘柄順にランク付けをします。割安な銘柄順にランク付けされた銘柄を投資家の資金量に合わせて複数銘柄を選択し、それらをパッケージにして日経 225miniとの裁定取引を行うわけです。

売買は、これらを一括で仕掛けて、サヤが縮小した時点で一括で決済します。裁定取引ですから、すべて一括売買です。非常に簡単な手法ですが、いくつかの注意点があります。

まず、パッケージにした数銘柄の買い銘柄においては、各銘柄の株価変動率(ボラティリティ)をある程度同じような変動幅の銘柄にすることや、日経 225miniとの相関性など。また、日経 225miniとパッケージにした銘柄との投資金の配分など、仕掛け前に検証しなければならない点はいくつかあります。

多くのメリットもあります。まず、基本的には裁定取引であるため、理論的裏付けがあること。安全性や安定性が高いこと。また、相場変動に対しヘッジをかけているため、相場に振り回されないこと。銘柄選択においても、限られた銘柄からの選択であるため、その作業も容易であること。情報や材料などを必要としないなど。

私は「投資とは、長期間にわたり継続して行うものである」と常々提唱しています。投資を継続するためには何が必要なのか、また、投資家の精神的な安定を図るにはどうすれば良いのかなど、投資家は、これからも続く投資活動に対し、これらの問題点と正面から対峙しなければなりません。

時代は日々進化しています。投資市場においても、当てもの的な旧態然とした手法から脱却し、あらゆる可能性を追求すべき時代となっているのではないでしょうか。

私は現在、これらの「個人でもできる裁定取引」についての著書を執筆中です。近々には出版される予定です。

詳しくは、拙著「ロング・ショート戦略、勝利の方程式」等を参考にしてください。



   ≪ くれぐれも、ルール厳守で・・・ ≫
2019/04/13(Sat)

2019/04/05 のコメントです。

ある経済関係の新聞社から取材を受けた。その取材内容は、個人投資家向けの損切りの方法と塩漬け銘柄の対処法についてであった。

新聞社のアンケート資料を見せられたが、それらはかなりのデータであり、現在の個人投資家の実態が如実に現れていた。その資料から、個人投資家がどのような銘柄を保有し、どの株価水準で仕掛けたかが伺い知れた。

それらの資料から直感的に感じたことは、多くの個人投資家が保有している銘柄は、メジャーな銘柄、つまり、日本を代表する大型銘柄であった。たとえば、みずほ銀行、トヨタ、NTT、日本航空、ソニーなどであった。

個人投資家が、これらの日本を代表する大型銘柄を保有することは、ごく自然のことであろう。投資ということであり、名の知れた有名ブランドの銘柄を保有し、今後の日本経済を信頼し長期保有と考えてのことでしょう。

これらの投資行為に対しては何らの問題はない。ある意味では、投資の正統派として賞賛されるべきであろう。しかし、これらの銘柄が塩漬けになっている。そこで、これらの銘柄を今後も持続するべきだろうか、それとも・・・、となってくる。

これらについて、私は次のように答えた。まず、これらの銘柄を保有しようとした目的が何であったかということです。そのひとつとして、資産株として、配当などを受けながら長期保有と考えていたのか、それとも、キャピタルゲイン狙いの保有なのか。

もし、資産株としての保有であれば、株価の上げ下げに一喜一憂せず、今後も持ち続けるべきであると。また、キャピタルゲイン狙いであれば、即処分するべきであると。そもそも、キャピタルゲイン狙いで保有したものの大きく評価損を出し、今さら売るに売れない状況であれば投資家失格である。

キャピタルゲイン狙いで保有したものの塩漬けになってしまい、どう対処したら良いのかなどの質問には、その答えはない。振り込め詐欺に遭ってしまってから、どうしたら良いのかと言うのと同じである。

また、多くの個人投資家が有名ブランド銘柄を保有する根拠として、「名前が知れているから」「つぶれる心配がないから」「安心だから」等の理由によるところが多い。しかし、これらは、投資で利益を上げるという前提であれば、その根拠が希薄ではないだろうか。

さらに、それらの銘柄を損切りできない理由として「その銘柄に入れ込み過ぎ」がある。有名ブランド銘柄だから将来有望であるという確信のもとに、多少の株価の下落にも耐えてきた。しかし、ここにきて株価は大きく下がり頭を抱えている。

有名ブランド銘柄だからといっても、いつまでもブランドでいられるはずはない。時代は刻々と変わっている。入れ込み過ぎれば、恋は盲目となるように「あばたもえくぼ」となる。

ある銘柄が大型増資があるからといって買い付けした。しかし、増資後は株価低迷となり、どうしたものかと質問があった。冷静に考えれば分かることであるが、増資をするということは発行株式数が増加することであり、これらは株価低迷の要因のひとつにもなる。その銘柄もブランド銘柄であった。

相場の世界は非情である。投資家が入れ込んだからといって、それに答えてくれるような世界ではない。投資家ももう少し割り切った考えで対応しなければならない。入れ込みすぎるから損切りができなくなる。

話は戻りますが、その担当記者は「損切りはどのようなルールで実践すれば良いのか」という質問が多くきていると言う。これらに対して、私に意見を求めてきた。

私は「その人たちは損切りの重要性を認識しているのでしょうか」と質問したら、ほとんどの投資家は「YES」と答えたと言う。そこで私は、冷たく「投資家が損切りの重要性を認識しながらも損切りができないのだから、それらは投資家自身の問題であって、その対処法はない。投資家本人が解決する問題である。」と答えた。

私もちょっと言い過ぎたかなどと反省しつつも、それが現実ではないだろうか。私は常々「投資の成果は、投資家の性格に回帰する」と述べています。「ここで損切りをするんですよ」と手取り足取り説明しても、それらを実行するのは、最終的には投資家自身なのです。結局、本人の問題となってしまうのです。

社会には法律というルールがある。ルール違反をすれば罰せられる。投資の世界にもルールがある。このルールを守らなければ「損」という罰を受けることになる。くれぐれも、ルール厳守で挑んでいただきたい。



   ≪ 与えられた環境の中で・・・ ≫
2019/04/05(Fri)

2019/03/29 のコメントです。

近年の世界経済は国境という経済的障壁が消滅し、世界全体がひとつの経済圏になりつつあります。これらにより1990年以降の世界経済は、IT革命の進展とともにマネーのグローバル化が進み、現在では世界各国への自由な投資が可能となってきました。時代の潮流からすれば当然であると思います。

特に新興国、とりわけ東南アジアなどは、今後高い経済成長が期待されます。これらの市場を総称してエマージング・マーケットと呼ばれています。新興国は、豊富な資源、安価な労働コストなどを背景に経済が活性化し成長を続けています。

このような背景から、新興国ファンドがブームになり、多くの証券会社や銀行は、これらのファンドの売り込みに躍起になっているようです。投資家が利用している証券会社からは、このようなセールス・メールマガジンが毎日送られてきます。

そのような中、会社を退職し老後に不安を抱いている団塊の世代は、将来のために何か利回りの良い投資先はないものかと捜し求めています。そこに、このような新興国ファンドなどのセールスがあると真剣に見入ってしまいます。

当然です。そこには何と「利回り6%」などと書いてあるのです。その利回りの高さに心が動かされます。そして、退職金をこの利回りで回せば老後は安心だななどと妙に納得してしまいます。

不動産業界のことわざに「目に届かないところの不動産は買うな」という格言があります。これは、あまり有利な条件であっても、目が届かず管理の行き届かない不動産は買うなという格言です。

これらの格言は、今ブームの新興国ファンドやその他のファンド購入においても同様なことが言えるのではないでしょうか。行ったこともない国、その国の政治情勢も理解せず、ただ、利回りが良いというだけで投資しても良いのでしょうか。為替リスクや税金など理解しているのだろうか。

もちろん、海外情勢に詳しく、それらのファンドの内容などを熟知しているのであれば、この限りではありませんが・・・。しかし、利回りが良いから、今ブームだからなどの雰囲気だけで決め込むのもいかがなものだろうか。

ある投資家が言った。これからの日本は経済成長は見込めない。デフレ状況にあり、不動産価格も低下している。今後は高齢化社会となり、福祉などへの負担が多くなるなどネガティブな内容を一気にまくしたてた。そして「これからの投資先は海外だね」と言って話が終わった。

この話は、何年か前の話ではあるが、確かに今まで日本経済を支えてきた団塊の世代も中高年となり第一線を退いた。これらから考えると、日本経済も人間の年齢にたとえると中高年の時代であろう。今後は日本経済も緩やかな下降線を辿っていくのだろうか。

上記の投資家は、足元(日本)での運用がうまく行かなくなったため、その打開策として海外投資を選んだ。その海外の投資先はベトナムであった。当時は「これからはベトナムだ」というブームが起こり、多くの投資家がベトナムに向かった。

以前にも解説しましたように、投資家は、現在利用している投資手法がうまく行かなくなると、また他の手法へと次々と渡り歩いていく。気持ちは分かるが・・・。

同様に、日本の金利が低いため高利回りな海外のファンドへ、日本での運用がうまく行かなくなると海外へ、今の投資手法がうまく行かないと他の手法へと、次々に変えていく。変えていくというより、逃げていくといった方が正しいかもしれない。

現在、日本経済は低迷状況にある。中小企業や商店も苦しんでいる。しかし、私は、どのような状況におかれても生きる道はあると考えています。嘆いていても何も始まらない。考えることです。そして行動することです。

投資の話に戻りますが、上記の投資家のように日本株での運用がうまく行かなくなると、「もう日本株はダメだ」と決め付けてしまう。足元の日本株の運用でもうまくいかなければ、どこに行ってもうまくいくはずがない。日本経済が低迷するのであれば、空売りという手法だってあるじゃないですか。

銀行にお金を預けても利息も付かないと嘆く。そこでセールスの「有利ですよ」と言う口車に乗せられて、利回りの高いファンドなどを購入してしまう。有利なのはセールスマンのほうではないのか・・・。利息が付かないのは、デフレだからです。デフレであるから利息は付かなくても、元金が目減りするような心配は必要ないのだが・・・。

投資の成績が芳しくないと嘆く。そして、相場が上昇しないからなどと相場のせいにする。投資家は、それ相当の努力はしてきたのだろうか。嘆き悲しむ前に、それ相当の勉強をしてきただろうか。

私が信条としている言葉がある。『与えられた環境の中で最大限の努力をする』



   ≪ 本質へのアプローチ ≫
2019/03/29(Fri)

2019/03/22 のコメントです。

今年に入って株式市場はやや上昇傾向ですが、その変動幅は小さくもちあい状況にあります。投資家にとって、もちあい相場は、やっかいな相場展開です。特に、当研究所のような順張り投資手法においては、成績もいまひとつと言ったところでしょうか。

当研究所の投資コンセプトはテクニカル分析であり、情報や材料といったものには一切頼ることのない投資方針であることは、すでにご存じてあると思います。

ある情報を得て相場上昇と判断したとしよう。とすれば、空売りはすべて手仕舞い、どてん買いに回るはずです。もし、それができたとしよう。しかし、問題はそれからです。

なぜなら、どてん買いに回った銘柄をどこで利食いするかの問題が発生するからです。日経平均がどこまで押し上がるかを考えなければなりません。実際に、これらの材料が市場にどれだけのインパクトを与えるかの判断は専門家でも難しいところです。

買った銘柄は、売らなければ損益が確定しません。的確に利食いができて、はじめて利益を上げることができるわけです。買いのタイミングを材料によって判断できたとしても、その材料によって利食いポジションを的確に判定することは困難を極めます。

よって、情報や材料での売買では、それらが市場に与える影響まで判断することは難しいということになります。また、情報などによる売買が空振りになることだってあります。結局、その確率は際限なく50%に近づくのではないでしょうか。

まず、テクニカル分析においては、市場の先行指数の作成は不可能であるということです。ウェブサイトなどでは、あたかも、これからの相場展開が分かるような分析指標の解説しているところもあるようですが、これらにおいても結果的には無理です。予測はできても当りません。

情報や材料を採用しないテクニカル分析は、突発的な株価変動には対応できないという弱点を十分に理解しておいてください。なぜなら、テクニカル分析は、過去のデータをよりどころに分析を行う統計学であり、「過去のデータから分析すると、現在は、こうなっています」と判定することが限界なのです。

統計学においても突発的な事象には対応できないものです。では「テクニカル分析は株式分析には利用できないのでは」という投資家の意見もあると思います。私は、テクニカル分析は、その統計学上から突発的な現象には対応できないと言っているのであって、それ以外では、体験上、非常に効率的に機能すると考えています。

テクニカル分析は、突発的な現象には対応しきれないものの、それ以外では効率的に機能しますので、理論的に構築されたテクニカル分析においては、長期的な視点から見ればトータル的にはプラスの収益を生むはずです。突発的な現象では「損切り」以外の対処はないでしょう。

信頼できる投資手法を持たない投資家であれば、一時的な収益の悪化が生じると、運用をストップするか、または別の投資手法へと鞍替えしていくでしょう。信頼できる投資手法を持たない投資家は、いつも「迷える子羊」となります。

私は常々申し上げています「投資とは長期間にわたり継続して運用するものである」「継続は力である」と。投資とは、このような視点からアプローチすべきであると考えますが、いかがでしょうか。

何事においても、目的に向かって突き進む途上では、何らかの障害が発生するものです。その障害を乗り越えるか、乗り越えられず戻ってしまうか、これらの決断により、人間としての真価が決定付けられるものです。強い信念を持って突き進むべきです。

投資とは、荒波を越えてひたすら前に進んで行くものである・・・。



   ≪ 腹八分 ≫
2019/03/22(Fri)

2019/03/15 のコメントです。

投資において、「売り」と「買い」のどちらが難しいか。誰でも底で買って天井で売りたいと思っています。しかし、偶然はあっても狙い撃ちで、底、天井を捉えるのは無理というものです。何事でも「腹八分」であれば十分でしょう。

ところで、買い方、売り方のどちらが有利であるかお分かりですか。株価をある一定の水準から、上昇した場合と下降した場合の株価分布の統計を取ってみると、断然、買い方が有利であることが分かります。当然といえば当然なのですが・・・。

買った銘柄が倒産してしまえば投資金はゼロとなります。投資金からの率で見れば100%の損失です。一方、株価上昇となれば上限が100%ということはありません。500%だって、1000%だってあり得ます。

これらは、買い方が有利だから投資では買いのみにして、空売りはするなということではありません。空売りにおいては、その利幅に限界があるものの、実際に売買してみると分かりますが、買い方も売り方もそう大差はないものです。買い方であっても、簡単に2倍になるまで持ち続けることは困難なわけですから・・・。

空売りは怖いからやらないという投資家も多い。これらの多くは知識の欠如からくるもので、しっかり理解して実践すれば空売りも買いも同じです。株価チャートをひっくり返してみれば買いも売りも同じではないですか・・・。

株式市場でコンスタントに利益を上げていこうとするには、やはり空売りは欠かせないものです。よって、空売りを絡めた売買は必須のものとなります。

もし、今後の相場見通しが正しく判断できたとします。そして、その判断が相場下降と判断を下した場合、買いのみで売買している投資家は、しばらくは休みということになります。「休むも相場」とも言いますので、それはそれで正しいと思うのですが・・・。

私の話で恐縮ですが、私は株式投資を生業としていますので、もし、今後の相場展開を下降と判断したときには、やはり買いのみでは休まなければなりません。しかし、株式投資を生業としている者にとっては、いつ回復するか分からない相場を指をくわえて待っているわけにはいかないところです。

そこで、どうしても下降相場では空売りを採用する必要に迫られます。売り方は、買い方に比べ不利であるなどと言っている場合ではありません。果敢に空売りを仕掛けて売買を継続していきます。実際に、最近の暴落を含めた相場展開では、空売りで多くの収益を得ています。

すでにご存知のように、当研究所の分析システムは、買いと空売りを利用した運用手法を採用しています。なぜ、このような複雑なシステムに至ったかということですが、それにはそれなりの理由があるのです。

当研究所の分析システムは、基本的には株式投資をビジネスとして捉えたシステムであるということです。株式投資を職業とするならば、上記で説明しましたように、相場が下降だからと言って休むわけには行きません。どのような相場展開になろうとも休むことなく、売買を継続していかなければなりません。

投資の究極は、投資利回りにあるわけです。相場が下降だからといって投資金が休んでいては、その利回りも低下します。投資金の一部で投資して、たとえ多少の利益を上げたとしても、その利回りは、投資金(投資のために準備した資金)に対する利回りで考えなければなりません。

そこで株式投資を生業としている私としては、どのような相場展開になろうと継続的な運用ができ、また準備した投資資金をフル稼働させることができる売買手法を考えざるを得なかったわけです。

試行錯誤の上、「どのような相場展開でも・・・」については、買いと空売りの両建てによる売買手法を考えました。そして、これらを適切に判定するヘッジ比率(ポジション比率)を採用することにしました。ヘッジ比率も一朝一夕で、でき上がった指数ではありませんが、現在では、他では見られない、当研究所のオリジナル指標として投資家から愛用されています。

更に、「投資資金をフル稼働させる・・・」については、同銘柄における買いから空売りへ、空売りから買いへの「どてん売買」を採用することになりました。「どてん売買」によって、投資金を休ませず運用することが可能となります。

ひと口に「どてん売買」と言っても、「どてん売買」を採用するにあたっては長い歳月がかかったのは言うまでもありません。なぜなら、投資手法で一番難しいとされる手法は「どてん売買」だからです。いまだかつて、インターネットのサイトで
も、完全な「どてん売買」手法(分析システム)を紹介した記事は見たことがありません。

「どてん売買」が難しいとされるのは、同銘柄で継続して買いと空売りを行うわけですから、買いにおいても、また売りにおいても両方を満足するポジションでの売買を実行しなければなりません。これらの買い売りの転換ポジションを長期間にわたり的確に当てていかなければならないわけですから・・・。

これらの転換ポジションを後から見てみると、おおむね、買いは底値から上がったところ、空売りは天井から下げたところとなっています。決して、買いが底、空売りが天井とはなっていません。客観的に見ると効率的ではないように思いますが、
結果的に「腹八分」のポジションで売買しているということになります。

私なりに考えると、「どてん売買」に採用されているような「腹八分」の売買ポジションがベストではないかと思っています。底や天井などは後になってからでなければ分かりませんし、底を確認してからの買い、天井を確認してからの空売りが現
実的であると考えます。相場格言に「頭と尻尾はくれてやれ」という言葉もありますように・・・。

当研究所の分析システムは、以上のような経過を辿り、オールラウンドの運用システムとして構築されています。



   ≪ 自分のことは自分で・・・ ≫
2019/03/15(Fri)

2019/03/08 のコメントです。

1兆円を超える負債で倒産した会社を調べてみました。1位 協栄生命保険 4兆5296億円、2位 リーマンブラザーズ証券 3兆4314億円、3位 千代田生命 負債 2兆9366億円、4位 日本リース 負債:2兆1803億円、5位 マイカル 負債:1兆6000億円、6位 日本航空インターナショナル 負債:1兆5279億円、7位 タカタ 負債:1兆5024億円、9位 日榮ファイナンス 負債:1兆円、などです。

もちろん、これらの企業はその後消滅したり、再建されたり吸収合併されたりしている企業もあります。企業であってもそれなりのリスクを背負って運営されているわけです。

日本航空は、会社更生法に基づき経営再建を目指し、48年間の上場会社としての歴史に幕を下ろし、市場から退場した。そして、東京証券取引所で最終売買日を株価1円で迎えた。日本航空の株数は6割程度を個人株主が占めていたという。その後に再上場を果たしました。

私も若いときに海外へ出かけ、外国の空港で鶴のマークの飛行機を見るとホッとしたものでしたが・・・。以前は、誰も日本航空が倒産するなど、考えてはいなかったでしょう。日本航空が経営難であるという話を聞いても「何とかなるだろう」と思っていたに違いない。

しかし、その甘え体質が消えず、ついに法的整理に追い込まれてしまった。不倒神話を信じていた個人株主も大損でその責めを負うことになった。株主優待券を目当てに購入した投資家もいたでしょうが、結果的に、やぶへびになってしまった。これらの状況を客観的な立場で、投資という前提で考えれば、何があってもおかしくはないのだが・・・。

経済は生き物であり、大きく成長することもあるが、倒産という憂き目にあうこともある。投資家であれば、このようなことは常識であり、これらを受け入れて投資活動をしているはずです。つまらない思い込みや入れ込みが通用しない世界であることも十分承知しているはずです。

日本航空は、もともと国営企業であった。そのためか「親方日の丸」的な甘え体質になっていたのだろうか。もともと、日本人は「国のやることだから」などと言って、国に依存する体質がある。日本国民だからやむを得ないのだが・・・。

私は、あまり国に依存する考えは持っていない。国民年金を見ても分かるだろう。社会保険庁のオンライン化したデータにミスや不備が多いこと等が明らかになり、国会やマスコミにおいて、社会保険庁の年金記録のずさんな管理が指摘され、国民から批判されている。そして誰も責任を取らない。

企業年金のない中小企業の会社員らが加入する個人型確定拠出年金(日本版401k)で、掛け金を増額する人が増えているという。老後に備えたいというニーズが多いのだろうか。

個人型確定拠出年金401(k)には明らかな問題がいくつかあるにもかかわらず、マスメディアで人気の金融専門家たちは、相も変らず、この年金プランの恩恵をしつこく売り込んでいる。その本質を見極めないと大変なことになる。

現在は分からないが、会社には「持ち株会」なるものがあった。毎月給料から一定額を天引きされ、定期的に自社株を買っていくものである。この方法は、ドル平均法的な投資手法であり、長期投資には向いているように思う。しかし・・・。

その手法はともかく団塊の世代が現役引退した。その団塊の世代の歩んできた道を辿ってみよう。団塊の世代の頑張りによって日本も成長してきた。「持ち株会」では、相場の如何にかかわらず定期的に買い付けしていくわけだから、相場の天井でもバブルの絶頂期でも買い付けしていることになる。

団塊の世代を日経平均と合わせて見てみよう。団塊の世代の歩んできた期間を日経平均の移動平均線で比較すると、現在の株価は移動平均線の下にあるのではないだろうか。つまり、平均で損をしていると言うことになる。

団塊の世代が退職したときには、日経平均は最安値になってしまう。何をか言わんやである。しかし、これらの現象を客観的に考えれば当然の結果である。なぜそうなるか、各自で考えてみてください。その答えが見出せるはずです。

賢明な方は、ここで私が何を言わんとしているかお分かりであると思います。つまり「自分のことは自分で考えなさい」と言うことです。他人の勧めや依存体質を捨てて、自分のことは、自分で考え自己責任で行動するべきであるということです。

投資においても然りです。根拠の分からない情報や他人の意見を取り入れるのではなく、自分の考えで、自分の意志で行動するべきです。たとえ、それが失敗したとしても、それは経験という財産になります。

「儲かりますよ」と言うセールストークは、私に儲けさせてくれるのではなく、儲かるのはセールスマンであるということを・・・。



   ≪ ペア・トレード ≫
2019/03/08(Fri)

2019/03/01 のコメントです。

■投資に対する考え方 (投資の基本)

多くの投資家は、いかに多くの収益(リターン)を上げるかに日々努力しています。ある投資家はファンダメンタルズ分析で、ある投資家はテクニカル分析でと、その手法は変われどもリターンの大きさを求め、その研究を惜しみません。

投資の世界には常に危険(リスク)が付きまとい、その収益(リターン)とは表裏一体の関係にあることはどなたでもご存知であると思います。つまり、投資とは、リスクとリターンがシーソーのようなバランスの関係にあるということです。

多くの投資家は常にリターンの大きさに関心を持ちます。大きいリターンを求めるのは大いに結構なことですが、それだけで良いのでしょうか。少し視点を変えて見てみましょう。

もし、リスクを最小限に抑えることができれば、そのバランスであるリターンも大きなものとなってくるのではないでしょうか。私は、投資の本質はここにあるのではないかと考えています。

投資の世界は、どのような投資手法であっても、その運用においては長期間にわたる継続的な売買において収益が積み上がっていくものです。運用途中に暴落などに遭遇し、運用継続が困難となるようでは、本来の投資の目的も達せられないことになります。しかし、今後の市場の行方など誰も分かりません。

一般的な投資の考え方において、今後のマーケットの方向性は非常に大きなファクターとなることは事実です。今後のマーケット展開が分かれば相場で勝つことは容易になります。しかし、投資の世界はそう甘くはありません。専門家であるアナリストやシンクタンクであっても、その方向性を当てることは至難の業です。

ましてや、個人投資家レベルで今後のマーケットの展開を予想し、実際の運用に結び付けていくということは非常に困難です。

つまり、投資家の成績は、この「今後のマーケット展開」に大きく左右される結果になります。しかし、今後のマーケット展開など誰も分かりません。実は、ここに大きなリスクが存在するわけです。多くの投資家は、永遠のテーマでもあるこのような問題で常に頭を痛めているのです。

そこで、このような問題を解決する方法はないのでしょうか。これらのリスクは軽減できないものでしょうか。そして、そのリスクを最小限にとどめることはできないものでしょうか。

これらの問題を解決し、長期間にわたる継続的な運用を可能にするひとつの売買手法をご紹介します。


■ペア・トレードの基本

ペア・トレードは、異なった二つの銘柄の一方を「買い」、他方を「売り(空売り)」として、組み合わせて売買するため、売りまたは買いの利益と損失を相殺することによって、相場全体の変動を吸収することになります。つまり、相場全体の今後の予測や方向性を無視しても収益を上げることができるという大きなメリットがあります。

このようにペアでの売買により、たとえ相場が暴落したとしても売り(空売り)銘柄が、また逆に相場が急騰したとしても買い銘柄が、それぞれ保険(ヘッジ)の役割を果たすため、不測の事態でも大きな損失を被らないで済むという仕組みです。

更に掘り下げて考えて見ましょう。
一般的に、個々の銘柄においては、そのファンダメンタルズをベースに変動するものではありますが、それ以上に相場全体の影響を受け大きく揺さぶられることがあります。暴落などがその例です。

暴落などの相場全体への影響は、組み合わせたペアの銘柄の各銘柄にも同じような影響を及ぼします。とすれば、理論的には、組み合わせたペアの銘柄の各銘柄にも同じような影響となるわけですから、これらは共通の因子とみなすことができるはずです。

そこで考えられることは、これらの影響はおおむね共通であるわけですから、組み合わせた各銘柄において相殺されるはずです。相殺された後に残るのは、各銘柄の独自の要因となります。

各銘柄の独自の要因とは、各銘柄のファンダメンタルズや株価水準などではないでしょうか。つまり、売りと買いの銘柄を同時に持つことにより、相場全体から受ける共通因子は相殺されるわけですから、ペア・トレードにおいては、各銘柄の独自の要因の分析のみでの売買が可能となるはずです。

よって、相場全体の予測や方向性を考えることなく、非常にシンプルな形で売買ができる素晴らしい投資手法であると言えます。


■ペア・トレードはなぜ安全性が高いか

一般的な売買において、相場全体がボックス圏、つまり往来相場であったなら、ある程度は高値、安値の目安は付くものです。そのようなボックス相場では、逆張りが効果的であり、経験の少ない投資家でも利益を得ることは可能でしょう。

ボックス相場とは、それは相場の調整期とも言えます。今までのしこり玉の整理と次のステップへ展開するためのエネルギーの蓄積期でもあるのです。そして、調整が済むと、そのボックス圏から大きくブレイクして、上か下に抜け出していくのです。

たとえば、このボックス圏内で買い付けしていたとします。その後、株価はボックス圏から抜け出し、下に展開していったとします。当然ながら、ボックス圏内で買い付けした銘柄は大きな評価損を抱えることになります。

一般的に、ボックス圏を脱した株価は、トレンドを形成し一方通行的な展開となるケースが多く見受けられます。そのため、この大きな評価損は、どこまで膨らむか分かりません。つまり、リスクが増大したということになります。結局は、どこかで損切りをしなければならないわけですが、このような片張りでの売買は大きなリスクをはらんでいることを絶対に忘れてはいけません。

片張りにおける空売りなどでは、損切りしなければ、その損失は、ある意味では無限大と言うことにもなりかねません。片張りにおける売買では、損切りが必須のアイテムとなります。

一方、ペア・トレードにおいては、前項で説明しましたとおり、相場全体から受ける共通因子は相殺されるわけですから、各銘柄の独自の要因を適切に分析された後の組み合わせのサヤにおいては、片張りのような一方通行的な変動とはならず、そのサヤの変動はボックス圏内での変動にとどまる傾向があります。

サヤの変動がボックス圏内での変動傾向であれば、その売買の判定も容易になるというものです。

ペア・トレードでは、相場全体の変動に左右されず、そのサヤにおいては片張りのような一方通行的な変動は少なく、そのため、リスクを最小限に収めることが可能であり、よって、投資における安全性は確保されることになります。



   ≪ 厄介なもちあい相場 ≫
2019/03/01(Fri)

2019/02/23 のコメントです。

最近の株式市場を長期スタンスで見ると「大きなもちあい状況」にあります。相場には、上昇、下降、もちあいとありますが、一番厄介なのは、やはり「もちあい」状態ではないでしょうか。もちあいは往来相場とも言い、方向性が定まらず、利幅取りも難しいものとなります。

相場変動の多くは、もちあい状態にあるとも言われています。「大もちあいは大相場」と言う格言もあります。相場が上がることもなく下がることもなく、もちあい状態が長く続いたあとには、大相場に発展する可能性が大きいという格言です。

では、なぜこのようなもちあい状態が発生するのでしょうか。もちあいを別な角度から見ると、それは相場の調整期とも言えます。今までのしこり玉の整理と次のステップへ展開するためのエネルギーの蓄積期でもあるのです。

大きく上昇した後のもちあい、大きく下降した後のもちあい。いずれも長く走り続けた後の休憩みたいなものです。投資家は、このような時期を嫌います。なぜなら、利益が上がらないからです。

もちあいの厳密な定義はありません。もちあいは、いつ始まっていつ終わるかも分かりません。もちあいは、投資家にとって非常に厄介な相場状況です。投資家は、もちあい相場に入ると利益が上がらなくなり思い悩みます。自分の投資手法が悪いのかなどと・・・。

焦った投資家は、相場格言の「もちあい放れにつけ」と言うことを思い出し、もちあいからブレイクしたところで仕掛けたものの、再びもちあいに引き戻され、参った、参ったとなってしまう。やはり、もちあいは一筋縄ではいかないものです。

もちあい相場では、逆張りで細かな売買が効果的とされています。しかし、もちあいは、いつ始まっていつ終わるかも分からないわけですから、もちあい期に細かく稼いできたものの、その後の大きなブレイクの一瞬で今までの利益が飛んでしまうということにもなりかねません。このように、もちあいは投資家にとって非常に厄介な相場展開です。

つまり、相場は簡単には儲けさせてはくれないということでしょうか。では、このようなもちあい相場では、どのような姿勢で臨むことが良いのでしょうか。

現在がもちあい期であるか否かの判断は、まず、株式市場(TOPIX等)の長い株価チャート(10年程度)を見てみることです。視覚的に現在の株価の推移と全体の変動を比較することによりある程度理解できると思います。これらは視覚的ではありますが、相場判定の分析指標を持たない投資家ではやむを得ないところです。

また、個別銘柄においても同様に判定します。一般に、個別銘柄において、短期的には、上下の変動幅が20%以内での変動をもちあいと呼んでいるようです。

通常では、もちあいは長くても6ヶ月程度で解消されるものですが、そこは相場のこと、必ずしも確定的なものではありません。6ヶ月は信用取引の期日でもありますので、それらにより、どちらかにブレイクすることもあります。しかし、これらを先読みして売買することはお奨めできません。

現在がもちあい期であると判定できたなら、収益が上がらないことに焦らず、持ち株を注意深く観察しつつ、あれこれ考えず持続された方が賢明かと思います。「急いては事を仕損ずる」と申しますので・・・。

当然ながら、もちあい期においては、その収益も低下し、売買が逆になってうんざりする場面もあるかもしれません。しかし、現在がもちあい期であることを理解できていれば我慢もできるはずです。まずは現状の相場展開の把握にあります。

現在の相場状況も理解せず、自分の成績ばかり見て判断しているから焦って下手を打ってしまうのです。「木を見て森を見ず」となってしまいます。そういう時こそ、焦らず投資家自身の売買ルールにのっとって淡々と売買することです。

「辛抱する木(気)に、金がなる」



   ≪ 景気循環 ≫
2019/02/23(Sat)

景気循環とは、経済全体の活動水準である景気において、循環的に見られる変動のことであることは周知のとおりです。これらの状況を異なった視点から見るとどのようになるでしょうか。

日本経済を日経平均に照らし合わせ、その推移を見ていくと・・・。日本経済は、1968年には国民総生産(GNP)が資本主義国家の中で第2位に達し、この経済成長は世界的に見ても稀な例であり、終戦直後の復興から続く一連の経済成長は「東洋の奇跡」と言われた。

1973年の第四次中東戦争をきっかけに原油価格が上昇し、オイルショックに陥ったことで戦後初めて実質マイナス成長を経験し高度経済成長時代は終焉し、その後は安定成長期(1973年〜バブル崩壊の1991年まで)へと移行した。

高度経済成長時代の終わりは、第二次ベビーブームも終わらせ、1980年以後の日本は少子化の道を歩むこととなった。バブル崩壊以後も実質経済成長は続いており、右肩上がりの時代が終わったわけではないが、株価的には、1989年末からのバブル景気崩壊で戦後の右肩上がりの「高度経済成長」の時代の終了としても良いだろう。

私は、これらの一連の推移を「団塊の世代」と照らし合わせてみた。ちなみに「団塊の世代」と命名したのは、先日お亡くなりになりました作家の堺屋太一氏である。団塊の世代は、戦後の昭和22年から24年に産まれ、前後の世代に比べて極端に人口比が高く、第一次ベビーブームと呼ばれている。

彼らは常に競争の中にいた。同世代の人口が多いため、まず受験戦争に巻き込まれた。その後、その溢れるエネルギーは、安田講堂事件などの学生運動を起こし、そして最後に連合赤軍事件を起こした。ベトナム戦争反対運動やヒッピー文化など、社会に大きなインパクトを与えた。彼らは、古い既製の価値観や多くの社会の矛盾を追及した時代でもあったのかもしれない。とにかくエネルギッシュであった。

その後、彼らは社会に出て行った。しかし、そこでも競争が待ち構えていた。競争に落ちこぼれないように家庭も顧みず頑張った。彼らの頑張りで、日本の経済も高度成期には、世界から「ジャパン・アズ・ナンバーワン」とまで言わしめた。

そのような中、バブル崩壊が起きた。団塊の世代は40代の働き盛りであった。バブル崩壊まで、日本経済を高度成長させたのは、その前の世代の戦後復興を願った人達と、彼ら(団塊の世代)の競争から産まれた頑張りであったのではないだろうか。

団塊の世代は良く働いた。サバイバイルの中、会社人間となって夜遅くまで働き、休日も接待ゴルフなどで、ほとんど家庭も顧みず働いた。そのような中、産まれたのが「団塊ジュニア」である。

その後、団塊の世代も中年となり、その活力は失われつつ、それらと共にするかのように日本経済も活力を失われつつあった。会社人間となった団塊の世代は、その過程の中で何か置き忘れてきたものはなかっただろうか。家庭での団欒はあっただろうか。子供達とのコミュニケーションはあっただろうか・・・。

日本経済もバブル崩壊をもって高度成長は終了となった。そして世代交代となり、その後、団塊ジュニアが社会に出て行った。しかし、そこに待っていたのは景気低迷による就職氷河期であった。低成長経済下では、その収入も限られ生活水準も自ずと制限されてくる。

団塊ジュニア達は、このような状況下で、家庭を築くも多くの子供を持つこともできず、結果的に現在の「少子化」という問題につながってしまった。父親不在の生活を送ってきた団塊ジュニア達は、「ニート」「フリーター」などの社会現象を引き起こした。それだけではない。団塊ジュニアの親である団塊の世代がリタイヤし、高齢化となってくる。

年金問題もこのようなところから発生する。現在の社会の中心であろう団塊ジュニアは、現状では、リタイヤした団塊の世代の親達を支えることはできなくなり、今後の大きな問題となってくる。

振り返れば、景気循環説もさることながら、この半世紀、日本の社会、経済は団塊の世代と共に歩んできたとは言えないだろうか。これらの視点から、今後の日本経済を判断すると、自ずと結論が出てくるのではないでしょうか。

「ものづくりの日本」と言われて久しい。これらも団塊の世代が作り上げてきた。しかし、ここにきて団塊の世代も高齢者となり、社会の第一線から退くことになる。しかしながら、物は作れなくても、今まで競争の中で培ってきた知識や経験は十分にあるはずです。

これらを「知的財産」として、大いに活用してはいかがでしょうか。



   ≪ 数値と確率 ≫
2019/02/16(Sat)

2019/02/09 のコメントです。

市場の動向を判断する上では、日経平均の上げ下げのみで云々するのではなく、あらゆる角度からの総合判断が必要となってきます。投資家の主観や感覚的な判断ではなく、必ず公表された「数値」に基づいて判定を行っていただきたい。

一般的な投資情報は、今後の相場展開を予想する情報が多いようです。しかし、これらも結果的には、評論家やアナリストなどの主観的な判断に基づく内容も多く、強気派は万年強気、弱気派は万年弱気の傾向が強いようです。

評論家やアナリストなどの多くは、ファンダメンタルズをベースにその解説を行っているようですが、その基本姿勢は正しいと思います。しかし、公表されているファンダメンタルの情報は誰にも同じように、同じ数値で届くはずです。

同じ情報で同じ数値であっても、それぞれに判断を下すと、強気派、弱気派に分かれてしまうようです。インサイダー情報でも入手していない限り、その判定は同じようなものになるはずなのですが・・・。

もちろん、これらの判定も短期的な判断と長期的な判断では当然ながら異なってきますが、それであっても両極端にはならないはずではと思うのですが・・・。私が考えるに、もともと、ひも付きの評論家やアナリストは別としまして、その判断に彼らの基本的な考え方の違いや主観的な部分が多く織り込まれているのではないかと考えます。

投資家でも評論家でも一人の人間ですから、そこに感情が入るのもやむを得ないところでしょう。それはそれとして、投資においては、やはり、これらの主観や感情を排除して運用したいものです。

投資家であれば、新規に仕掛けに入る時は誰でも緊張するものです。これらの緊張も、元をただせば不安からくるものです。確定的な必勝法がない世界では当然かもしれません。では、絶対的なものがない世界で生きていくには何が必要であるか。

そもそも、我々の一般社会でも絶対的などというものはありません。そのため、将来に対する漠然とした不安などを感じるものです。絶対的なものがないとすれば、我々はどのような対応でその不安を軽減すれば良いのでしょうか。

それは「確率」ではないかと考えます。確率を高めることです。たとえば、株式投資では割安な銘柄を買い付けするということが基本です。では、割安とは何か。PERが40倍の銘柄を仕掛け(買い)ようとした場合、この40倍は割安なのか。そこで、東証一部全銘柄の平均PERを調べてみた。その平均は37倍であった。

PERが40倍の銘柄は、東証一部全銘柄の平均以上である。これでは割安とは言えない。つまり、PERが40倍の銘柄は買い仕掛けはできないという結論に達する。このような分析数値の多くを積み上げていけば、より高い確率での運用が可能となるのではないだろうか。

一般社会においても同様のことが言えると思います。たとえば、企業において、ある商品を売り出そうとした時、絶対売れるという保証はないものの、綿密な市場調査を重ねて、それらの数値をもとに分析して最終的には「いける」と判断し発売するものです。

ここでの市場調査も決して感覚的なものではなく、しっかりとした数値による分析を行うはずです。そして、それらの数値を総合的に判断して「売れる確率が高い」として商品を発売に踏み切るはずです。

つまり、投資においても企業経営にしても「確定した数値をもとに、確率を高める」ということに他ならないのではないだろうか。そこに、主観や感覚の入る余地はないはずです。

もし、この考えが正しいとすれば、投資の最高峰は「システム売買にある」ということにはならないだろうか。そのように考えるのは私だけでしょうか・・・。



   ≪ 「平均」という数値 ≫
2019/02/09(Sat)

2019/02/02 のコメントです。

一般に投資とは、これらの経済状況を織り込みながら今後どのように展開するのだろかと将来を見据え投資スタンスを決めていくのでしょう。投資ニュースの中で一番多い記事は、やはり今後の相場の展開であろう。

多くのアナリストや評論家は、今後の相場展開を真剣に考え論評している。その人達の中にも強気派、弱気派などさまざまです。それぞれの意見が異なることは良いことで、我々は、それらを客観的な立場から判断できます。

しかし、もし持ち株が現在大きくマイナスであった場合には、どのような対応をするのでしょうか。弱気派の記事は飛ばして、強気派の記事を真剣に読んで自分を納得させようとするはずです。その気持ちはよく理解できる。投資の世界は実のところそんなところです。

言葉では「相場では客観的な立場で」「自分を信じて」とは言うものの、感情を持つ人間であれば、また、相場に正しい答えがないということから考えれば、相場に振り回されることもやむを得ないのかもしれない。

ただ私は、これらの経済ニュースや相場変動に振り回されることは、そのパフォーマンスにおいてプラスの要因とならないことを知っています。そのために、システム売買で運用しているわけです。

システム売買は、投資の最終到達地点であると理解しているつもりでも、その長い運用期間においては、「これでいいのか?」と疑問を持つこともあります。システム売買だからと言って、すべてにおいて満足するものではありません。まだシステム自体が未熟なのかもしれませんが・・・。

このような中から、テクニカル分析において問題となる点をお話しましょう。テクニカル分析は、移動平均線をはじめ多くの分析指標が存在します。それらの多くの分析指標の共通点は何か。それは大なり小なり「平均」という数値を用いているということです。

平均とは、「大体(だいたい)は」「アバウトに」という意味です。ランダムな株価変動を捉えるには、これらの「平均」は適していると思います。これらの平均を利用しない手法は、テクニカル分析の中ではローソク足で分析する「酒田五法」ぐらいなものでしょう。

これらの「平均」を利用したテクニカル分析指標は、その平均値の期間の取り方にもよりますが、株価変動がスムーズな変動であれば、これらの指標も機能的に働きます。しかし、突発的なニュースや事件などで、株価が突然急騰、または急落した場合などには、平均値を採用しているため、その対応が遅れます。

08年のリーマンショックの大暴落では、株価チャートを見ていただければ分かると思いますが、大暴落前には、それなりの下落の兆候が見られます。このような前兆があれば平均的なテクニカル分析でもその後の下落も捉えられやすくなります。

しかし、09年の大底からの上昇では急激な変化のため、一般のテクニカル分析では、その前兆を捉え難くなります。そのため、本来の買いのポイントが売りのポイントとなってしまったりすることがあります。例としてあげれば、移動平均線のゴールデンクロスが、結果的には株価の天井であった場合などです。

そこではまずいと考え、突然の急騰、急落にも対応できる分析システムを作ったとしても、今度は、通常の株価変動時には多くのダマシが発生してしまうなど、なかなか思うようにはなりません。

これらの対策はどうしたものか思案のしどころですが・・・。結論的には、通常相場用と急騰、急落用の二種類のシステムを平行して使用するという考えもありますが、一般的には、「発生する確率の高いシステムを採用する」ということになると思います。

つまり、通常相場用でよいのではないかと思います。もし、急騰、急落があって、システムが一時的にパフォーマンスが落ちたとしても、そこは「平均」を採用したシステムであるので、ここは少し我慢しようとするべきではないでしょうか。これらを理解していれば、冷静に嵐を凌げるのではないかと考えます。

ファンダメンタルズ分析においてもテクニカル分析においても、それらが万能ではないということを知ることです。これらを理解していないから、少しパフォーマンスが落ちると、この分析手法はダメだと考え込んで、また「青い鳥」を探しに長い旅に出て行くのです。

分析システムを構築することは大変な作業となります。苦労して作り上げたシステムで運用したとしても、結果がシミュレーションと同等とならず思い悩みます。そしてまた新しいアイデアで分析システムの構築に励みます。

これらの分析システムの構築においても、その多くは失敗に終わります。しかし、それらの失敗と努力を続ける姿勢は、必ず正しい方向に向かっているはずです。



   ≪ 今、自分にできること ≫
2019/02/02(Sat)

2019/01/26 のコメントです。

世界は常に問題を抱えながら変動しています。米中貿易問題、北朝鮮問題、ヨーロッパの移民問題、イギリスのEU離脱問題、中国の経済状況。日本では消費税問題や移民問題、対韓国、対中国、対ロシア問題、少子高齢化問題など、これから先にはさらに多くの難題が待ち構えています。これらの世界の潮流の中、我々は投資活動を行っいかなければなりません。

我々投資家は、このような先行き不安の中どのように考え、どのように対処していけば良いのでしょうか。しかし、これらの問題は、あまりにも大きすぎて、一投資家には如何ともし難い。「そんなの関係ねえ」とでも言うのでしょうか。

このようなことから、これから先の自分の人生と照らし合わせると非常に不安になるものです。将来が不安だからお金を使わない。お金を使わないから物が売れない。物が売れないから物価が下がる。そしてデフレに・・・。

最近、今後の経済に対する不安や自分の将来に対する不安、投資に対する不安など、諸々の不安をメールで訴えてくる投資家も多くなってきています。当研究所は、「よろず相談所」ではないのですが、これらに対して、私の体験の範囲内でお答えしています。その答えが正しいかどうか疑問は残りますが・・・。

私自身も、今後の日本の財政や世界経済に対しては漠然とした不安はあります。しかし、これらの問題の対策として、次のように考え対処しています。

このような状況時には「今、自分にできることからする」という考えで対処しています。「悩んだら基本に戻れ」と言われるように、あまり先のことを考えて不安をがらず、原点に戻り、今、何をなすべきか、その最善の方法は何かと考え行動するようにしています。

あまりにも問題が大きく対処できない場合には、一時的にパニックに陥ってしまうこともあるかもしれませんが、投資の世界と同様にパニックになれば正しい判断はできないことになります。

よく考えてみると、我々がどのような状況に置かれたとしても「今、自分にできることからする」以外にはないのです。そして、「今、考えられる最善の方法で対処する」以外にはないのです。

投資の世界では、暴落などにより多くの投資家はパニックに陥ります。そして、頭を抱えて右往左往します。誰でも同じことです。しかし、失敗しない人間などいません。人間の価値は「失敗の処理の仕方により決まる」とも言われています。

失敗においては、できるだけ早く冷静さを取り戻し、今、自分にできることは何か、そして、その最善策はと何かと考えるべきです。しかしながら、そのときに最善策と信じ実行したとしてもすべてうまく行くとは限りません。

その最善策との判断は結果的に間違いであったということもあるかもしれません。これらは、後になってから分かることであって、その時点では最善策として判断したわけです。多くの人達は、「こうれば良かった、ああすれば良かった」と悔やみます。これらは、投資の世界でも同じです。

しかし、その判断時点では最善策として決断したわけですから、それはそれで正しいのです。これを受け入れるべきです。受け入れることにより、それらが経験として生きてくるのです。失敗をいつまでも拒否しているから、その経験が生きてこないのです。

世の中の成功者は、多くの失敗を重ね、その都度「今、考えられる最善の方法で対処」して、そこから多くのものを学び、成功を勝ち取ってきたのではないでしょうか。

投資の世界などは失敗の連続です。熟練者であっても同じです。しかし、初心者と熟練者の大きな違いは、その失敗の処理の仕方にあります。熟練者は、多くの体験から学び取った最善と考えられる失敗の処理の方法を身につけています。

不安や悩みは誰でも抱えています。しかし、これらは考え込んでも何も解決しません。考えれば考えるほど、正しい解決方法から遠ざかっていくものです。

これらの経済状況により、投資市場も大きな波乱を含んでいると思われます。今後、投資家も不安を抱えながらの運用となります。そのような時こそ「今、自分にできることからする」「今、考えられる最善の方法で対処する」ことではないでしょうか。



   ≪ 投資哲学(その5) ≫
2019/01/25(Fri)

2019/01/20 のコメントです。

今回は「投資哲学(その5)」として「売買のシステム化」について解説いたします。

◆売買のシステム化

仕事や投資において、その収益を上げるためには日々努力し、継続的に運営を行わなければなりません。当然ながらその過程において紆余曲折もあるでしょう。企業であれば、特に景気低迷期においては苦難と試練の時期となることもあります。

何事も一朝一夕では成就しないものです。当然ながら投資の世界でも同様です。投資でも収益を上げ続けるには「長期間にわたる継続的な運用」となります。そして「長期間」の間には、歓喜する時も恐怖におののく時もあるはずです。投資では、それらを乗り越え長期間継続して売買を繰り返さなければなりません。

新規参入した投資家の寿命は4、5年と言われています。これでは投資の目的である収益を上げることも叶わない。そのような結果になってしまう原因は何だろうか。

それは、当然ながら矢折れ刀尽きるまで戦い、努力もむなしく壮絶な立ち往生を遂げた結果ではないだろうか。投資家が退場する第一の要因は、やはり「負けてしまった」に尽きるのではないでしょうか。退場する直前まで投資家は、苦悩し続けていたに違いない。しかし、相場の世界とはそのような世界でもあるのです。

退場する理由としては、その売買技術が劣っていたということもひとつの要因かもしれませんが、一般的には、売買技術は経験に比例して上達してゆくものです。しかし、そのほかにも要因はあると思います。たとえば、損切りルールなどを決めておいても、暴落時などでは、それがことごとく実行できなかったなど・・・。

ルールを決めても、それが実行できないということは、投資家自身の問題であり、これだけは誰も助けてはくれません。私も以前に裁量的な売買をしていた時期には、これらの問題で大いに悩んだ経験があります。

投資の世界には、超えられない大きな壁があります。それは売買における「感情のコントロール」です。株式投資は欲を持って参入するものの、欲を出しすぎると負けることになります。まったく相反し矛盾するものです。これらの矛盾は、株式投資を続けていく限り必ず影のように付きまといます。

それが投資家の判断を狂わすのです。このように、相場の世界では、この「投資家の感情のコントロール」が魔物のように付きまとい、投資家に襲いかかるのです。
投資家であれば誰でも体験することであり、投資家は、今でもその魔物に取り付かれ苦悩し続けているのではないでしょうか。そして今後も・・・。

私自身も今、株価チャートを見ながら裁量的な売買をすると感情(欲と恐怖)が邪魔をして負けてしまうと思います。主観や感覚、感情は、人間の本質にかかわる問題
でもあり、努力すれば誰でも克服できるというものではない気もします。その点、昔の相場師は偉かった。これらの問題を血のにじむような努力と鍛錬を重ね、強い
精神力でこれらを乗り越えてきたのではないかと想像します。しかし、私にはそのような真似はできません。無理です。

私自身も過去において、このような状況に長い期間悩み続けてまいりました。なぜこのような苦しみが続くんだろう、何とかこのような苦しみから解放されたい。そ
の原因は何だろうと長い間、自問自答する日々を送っていました。これらが「投資家の感情のコントロール」にあることを理解したのは、だいぶ後になってからのこ
とでした。そこで私は、唯一解決できなかった問題である「投資家の感情のコントロール」を必要としない株式投資法を考えたのです。

誰でも一度は「つもり売買」をしたことがあると思います。つまり、実際に売買しないで、買ったつもり、売ったつもりの売買のことです。「つもり売買」は非常に
うまくいくものです。しかし、実際に売買するとうまくいきません。机上の空論と化してしまいます。どうしてでしょう。

このギャップは「投資家の感情」によって説明できると思います。仕掛け銘柄に利が乗ってきたものの高値恐怖症になり早めに利食いしてしまった。暴落時に、ここ
は底値だと考えるものの仕掛けを躊躇してしまったなど。「つもり売買」では、これらを一切無視して淡々と売買することができます。「つもり売買」では、感情移
入がありませんから・・・。

これらから、投資の収益を妨げるのは投資家の感情が多くの部分を占めるということが言えると思います。翻って言えば、投資家の感情を排除すれば「つもり売買」
のように、収益を上げることができるのではないでしょうか。

そこで、私は「投資家の感情のコントロール」を排除した株式投資法を考えたのです。それは「売買のシステム化」でした。銘柄選択から仕掛け、決済ポジションま
ですべてルール化して売買するものでした。しっかりとバックテストも行いました。

しかし、しかし、「売買のシステム化」による売買においても、システムが指示した売り、買いが、ことごとく私の考えと反対の指示をしてくるので、これらの指示
に従うことが困難となってしまったのです。自分が散々苦労して作ったシステムでさえも・・・。結局、元の木阿弥です。

「売買のシステム化」以外に、投資で収益を上げる方法はないと信じるも実践ではやはりうまく対応できなかった。私は、ここで大いに悩んだ。これから行く道が閉
ざされたかのようだった。

そこで私は一考し、今まではシステムが指示した売り、買いサインを株価チャートを見て確認していました。株価チャートを見るからあれこれ考えてしまうので、こ
れをやめてみようかと・・・。システムが指示しているのに、改めて株価チャートなど見て確認する必要などないのではと。そのための膨大なバックテストではなか
ったのかと。

そこで、不安はあるものの株価チャートを一切見ずに売買を始めました。すると不思議にシステムの指示通りの売買がスムーズにできるようになったのです。損益は
分かるものの、個別の銘柄の株価水準や売買ポジションは視覚的に分からないためなのか、あれこれ悩むこともなく売買が進みました。

現在は、多くの銘柄に分散投資をしていますので、なおさら個別銘柄を云々するようなことはありません。どのような銘柄を持っているかさえもリストを見なければ
分からないくらいです。このようにして、投資家が一番難しいとされる「投資家の感情のコントロール」から開放されることになったのです。

このような経過を経て「売買のシステム化」に、ついにたどり着いたのです。しかし、誰でもシステム売買になじむとは思いませんが、投資とは「長期間にわたる継
続的な運用」であり、これらに沿った運用では「売買のシステム化」による運用がベストではないかと私は考えます。

システム売買のメリットは、その売買の一貫性を保証し、一定の条件によって指示されるシグナルに従う。このことは重要なことであり、どのようなシステムであっ
ても、その売買に一貫性がなければ、いずれ大きな損失を被ることになります。

システム売買のデメリットもないわけではありません。投資家自身が構築したシステムならいざ知らず、他人の作ったシステムをどこまで信用していいものなのかな
ど・・・。また、システム売買は事務的な処理となるため、その売買は、ひとつも面白くありません。このように、何事にもメリットだけということはないわけです。

また、これらのシステムの指示に従うことにより、投資家はリスク管理の手段を持つことになります。売買にはリスク管理は絶対必要で不可欠のものです。リスク管
理を持たないシステムでは、一度の失敗(大きな)で悲惨な結果をもたらすことも少なくありません。適切に設計されたシステム売買には「損切りルール」が付帯し、
大きなトレンドが発生した場合には、それらに追従し、適正なポジションでそれらを反転させる機能を有しています。

適切に機能するシステム売買では、まずい売買が積み重なって損失を出すことがあっても、一回か二回の売買によって投資金のすべてが吹き飛んでしまうということ
は避けられます。

システム売買がすべてに優るとは申しませんが、投資では、その売買に一貫性がなければいけません。多くの投資家は、この点で悩み続けます。いつも述べています
ように、あるシステムで何回か売買して、うまく行かないとすぐやめてしまう。これらは、投資家が確固たる投資理論や売買手法を持ち合わせていないということに
も起因しています。売買システムを確立できず、あれこれ悩んで売買しているうちに、投資金はどんどん目減りしていきます。

システム売買で運用することは、その売買自体は簡単なことなのですが、実際の運用では感情が邪魔をして継続できないこともあるでしょう。しかし、システム売買
には、投資の基本である「長期間にわたる継続運用」を行うための「売買の一貫性」があり、また、投資家の大敵である「ストレス」から開放されるという利点もあり
ます。投資に必要不可欠な「リスク管理」も可能であるため、非常にメリットが多い投資手法と考えます。

私は、投資手法の究極の到達点は「システム売買」に行き着くと考えています。



   << 投資哲学(その4) ≫
2019/01/20(Sun)

2019/01/11のコメントです。

今回は「投資哲学(その4)」として、「リスク管理(ヘッジ)」について解説します。

◆リスク管理(ヘッジ)

相場の世界は、予想もつかないサプライズがいつでも起きます。投資家は、これらを承知?の上で市場に参入してきているはずです。しかし、それらの対策(危機管理)を講じて参入してきているのでしょうか。

リスクの対策をせず市場に参入すれば、投資不適格者としてペナルティを受けることになります。そのペナルティにも懲りずに市場にいると、いつかはレッドカードで強制退場となります。

通常の相場変動であれば、リスク対策などは足かせとなってパフォーマンスを下げることになりますが、大暴落などの場面では、せっかく積み上げてきた利益も一瞬に吐き出すことになります。利益がなくなるならともかく、元金まで大きく目減りするような結果になります。

「株式投資は長期間にわたり継続して運用する」ものです。市場に生き残っていなければ本来の目的を達成できません。そのためにはリスク管理は必須です。暴落場面では、リスク管理がいかに重要であるか痛感されたと思います。

リスク管理の方法はいろいろあり投資では、ロスカットが一番のリスク管理となります。ロスカットができずに市場にとどまることはできません。ロスカットルールを持たずに市場に参入するなど話の外です。投資には不可欠なロスカットができているという前提で下記の解説に入ります。

一般に、買い一辺倒の場合に暴落となれば、すべてロスカットとなります。それでは、市場から一時退場し、再度、仕掛けのチャンスを探さなければなりません。ここぞチャンスと思って仕掛けに入っても、いつもうまくいくとは限りません。

投資家であれば、収益はともかく常に売買を繰り返し、右肩上がりの収益を望むものです。相場暴騰時にも暴落時においても安定した収益を上げ続ける売買手法はないものでしょうか。

その答えは「ヘッジ(保険)をしながら売買する」ことです。いかなる場合でもヘッジをしてき、相場変動に振り回されず、継続的な売買を実践したいと願うならばヘッジを取り入れた売買が不可欠です。

安全性、安定性を増すためリスクヘッジという方法を必ず取り入れるべきと考えます。買い一辺倒、売り一辺倒では、その持ち株は100%リスクにさらされてしまうでしょう。では、どのようにすればそのリスクを軽減できるのでしょうか。

新規参入者が運良く上昇相場からスタートしたとしても、その後、4年、5年と売買を続けて安定的した収益を上げ続けることは困難でしょう。まず、数年、売買を続けてもヘッジの重要性、必要性に気づくことはないと思います。

もし、暴落で大きく損を被っている投資家であれば「その投資手法が間違っている、あるいは、何かが欠けている」と言えます。「自分は長期投資だから」と言う投資家もいるかも知れませんが、心中穏やかではないと思います。

暴落は投資家の資質が問われる良い機会です。大きく元金を減らし、散々打ちのめされて、初めてリスク管理の重要性を痛感するものです。「儲けは少なくてもいい、大きく負けないで売買を続けられる方法はないものか」と・・・。

ここからが投資家の真価が問われることになります。一歩踏み出すか、一歩後退するか、それとも退場するか。人間は追い込まれた時に、普段は見られない、その人間性や人格が出てくるとも言われています。真価が問われる時です。

もし、株式投資に今でも関心があるのなら一歩踏み出すべきです。投資の世界では、たとえ失敗しても多くのことを学ぶことができます。私は、投資の世界は人生の縮図であると思っています。

失敗により「リスク管理(ヘッジ)」の重要性、必要性を理解されれば未来は明るくなるでしょう。今までは、「いかに大きく儲けるか、いかに勝率を高めるか」のみに没頭してきたが、これらがいかに愚かであったかと・・・。ここで投資とは、そのようなものではないことを初めて理解するのです。

暴落は、投資人生に素晴らしい発見とチャンスを与えてくれるのです。私が常々申し上げています「人生に無駄は無い」ということであり、また、失敗から多くのことを学び取る事ができるということでもあります。何も心配することはありません。失敗は今後の投資活動に大いに貢献し、更なる飛躍の礎となることは間違いないからです。

多くの投資家は「リスク管理(ヘッジ)」を理解せず、入場、退場を繰り返しているのです。そして、多くの無駄な時間を費やすのです。「何かいい情報はないか、いい材料はないか」と・・・。

繰り返しますが、投資戦略において最も重要となるのは、一貫したリスク管理です。投資の世界は、「投資は長期間継続して運用」するという理論からスタートするのです。投資手法の選択は「長期間継続して運用」できる手法、つまり、「リスク管理(ヘッジ)」を取り入れた投資手法にあることに尽きると考えます。

具体的には、相場変動により売りと買いの両建てにしたり、その売り買いの資金量に変化をもたせ、さらには先物なども組み入れて、保険をかけながら継続した運用を行います。これらにより、投資を「売買」から「運用」というステージにランクアップさせることができるのです。

どのような相場状況においても常にヘッジを導入し、臨戦態勢で挑み、市場がどのような方向に展開しようとも、継続的な運用を可能とする投資体制を維持します。このような投資手法が、投資をビジネスと捉える手法なのです。

リスクヘッジは「継続的運用」には絶対欠かすことのできないアイテムです。しっかりと理解し、実践においては、リスク管理を採用した運用を行っていただきたいと考えます。

今後の相場の行方など知る者なと誰もいません。そのために、しっかりとシートベルト「リスク管理(ヘッジ)」を締めて乗り切っていきましょう。

■リスク管理(ヘッジ)の具体的な手法につきましては、拙著「ロング・ショート戦 略」等を参考に構築していただきたいと思います。



   ≪ 投資哲学(その3) ≫
2019/01/11(Fri)

2019/01/06のコメントです。

今回は「投資哲学(その3)」として、「分散投資」について解説いたします。

◆分散投資

相場格言に「卵はひとつの籠に盛るな」ということわざがありますが、これらは投資における分散投資の大切さ、必要性を的確に表しています。分散投資の大切さは、株式投資だけに限ったことではありません。

日本では「資産の三分法」などと言われ、預貯金・土地・株式などに資産を分散するという考え方も、また分散手法のひとつでもあります。投資は、株式をはじめ債権や商品、為替、ファンドなど多くの投資先がありますが、ここでは、株式投資に限定して解説してまいります。

分散投資は、投資家により向き不向きがあるようです。これらは投資家の性格によるところが大きいようです。ある投資家は「分散投資など面倒臭くさい。投資するなら、ここぞと決めて集中投資だよ」と唱える。それはそれで良いと思います。

当研究所では「投資とは、長期間にわたり継続して運用する」という前提のもとに分散投資をお奨めしています。それは、リスク分散を主な目的とするものの、分散により、その他多くのメリットを享受できることから、できるだけ多くの銘柄に分散することをお奨めしているのです。

「分散投資は、資金効率が悪いのでは」と、多くの銘柄に分散投資することを嫌う投資家もいます。たしかに集中投資して当れば、そのリターンも大きなものとなります。しかし、大きなリターンの裏には、大きなリスクをはらんでいることも忘れてはいけない。

分散投資は、リスクの分散以外にもうひとつの利点もあるのです。それは、多くの銘柄を保有することにより、投資家の精神的なストレスの分散にもなるということです。それはどういうことかと申しますと、もし、多くの銘柄を保有していた中の一部の銘柄が損切りとなったとしても、投資家の受けるプレッシャーは軽微なはずです。

一銘柄に集中投資して損切りを迫られた場合や信用取引で追証など、投資家は、かなりのプレッシャー、勇気、決断を要することになります。投資の世界で一番難しいことは「感情のコントロール」であり、また、投資とは継続していくものであるため、その圧力に耐えられるでしょうか。集中投資はこれらをマスターした後に実践すればよいのです。

投資の世界は「歓喜と恐怖の世界」と言われています。私自身も今まで、このような体験をイヤというほど味わってきました。そのことで疲れ果ててしまい、今後投資活動を続ける自信をなくしてしまった時期がありました。そして考えました。株式投資を一般のビジネスと同じようなスタンスでできないものかと・・・。

大きなプレッシャを受けながらも投資効率を選ぶか、できるだけ穏やかな精神状態で運用していくかの選択は、投資家の投資に対する考え方や投資資金量に依存するところです。当研究所の投資スタイルは、後者を目的として構築されています。つまり、株式売買というより、ポートフォリオ的な株式運用というスタイルです。

集中投資も小資金で売買されている間はあまり問題はないのですが、投資金が大きくなると、いざというときに損切りするのは大変なものです。体験すると良く分かります。また、株式投資では、株価が安いからなどといって集中投資したものの倒産してしまうという可能性だってあります。

当研究所の分散投資の意味には「買いも空売りも」という意味も含まれています。それは、ただ単に買い銘柄のみに広く分散するというだけではなく、買い銘柄にも空売り銘柄にも幅広く分散する(ヘッジ比率などを利用して)という意味も含まれています。

分散投資は、そのリターンは小さくなるものの安全性、安定性は増してきます。株式投資は長期間にわたる継続的な運用という視点から、またリスクの軽減という立場から、そして投資家の精神的安定などを考えると、やはり分散投資は避けては通れないのではないでしょうか。

以上、株式投資では投資資金の安全性、そして収益の安定性に重点をおいた運用手法が、最終的に投資家を勝利に導くものであると考えます。

当分析システムは、このような考えの下に分析システムが構築されており、これらに沿った運用を行っていただきたいと願うものです。



   投資哲学(その2)
2019/01/06(Sun)

2018/12/30コメントです。

今回は、「投資哲学(その2)」として、「トレンド・フォロー戦略」について解説いたします。

◆トレンド・フォロー戦略

投資家は、市場に対して常に高いパフォーマンスを求めるものです。トレンド・フォロー戦略とは、そのニーズにこたえる手法であり、今後の資産運用戦略として、ハイレベルな投資法として位置づけることができます。

トレンドとは、「相場の流れ」であり、その方向性を示すものです。トレンドを川の流れにたとえると、川の流れに沿って泳げば、楽に泳げるし、自分の能力以上の距離を泳ぐことができます。

川の流れに逆らって泳げば、疲れるだけで能力も出し切れません。「流れに掉させば流される」と言うように、相場においても、その流れ(トレンド)に逆らっては、「労多くして功少なし 」となります。

つまり、逆張り的な発想ではなく、相場の流れに素直についていくという売買手法をとるべきと考えます。しかし、日本人の投資家の多くが利用している「逆張り」的な手法を否定しているわけではありません。私自身は、完全システム売買で運用しているため、その運用において「逆張り」は、なじまないということです。

トレンド・フォロー手法にも問題がないわけではありません。トレンド・フォロー手法は、トレンドが発生してからの売買となるわけですから、その仕掛けポジションが株価チャートなどで後から見れば、いかにも仕掛けや決済のタイミング遅くなっているように感じられます。「もう少し安いところで仕掛けられたらなあ・・・」と。

また、トレンドの判定も容易ではありません。そのトレンドをどのくらいのスパンで判定するか。トレンド転換をどのような基準で判定するかなど多くの問題が残ります。

相場格言に「頭と尻尾はくれてやれ」とあるように、ある意味では、トレンド・フォロー手法のように、ある程度トレンドが確認できてから出動することが正しいのかもしれませんが・・・。

トレンド・フォロー手法は、流れに沿った売買であるため、当然ながら相場上昇期には、買い仕掛けとなり、また相場下降期には空売り仕掛けとなります。

相場には必ずサプライズが付いて回ります。そのような場面でも難なく運用を継続していくためには、どうしてもトレンド・フォロー手法の考え方が必要となってきます。

もし、相場急落時に「チャンス到来」と言って、流れに逆らって逆張りを実践したらどのような結果になっていたでしょうか。逆張り手法は、相場急落時には多くの買いサインが出るはずです。その買いサインに従って全資金を投入したら・・・。考えただけでもゾッとします。

相場もちあい期には、逆張り手法は効果を発揮しますが、相場のサプライズでは、今までコツコツと稼いできたものが一瞬で消えてしまうこともありますので、逆張り手法の投資家は、常日頃からこれらの対策を講じておくべきです。

皆さんは「慣性の法則」をご存知でしょうか。辞書で調べると、慣性の法則とは「静止している物体は静止し続ける。ある速度を持って運動している物体はその速度で運動し続ける」と言うことらしい。

「慣性の法則」を分かりやすく説明すると、ボールをテーブルの上に置くと、そのボールは、そこに静止し続ける。またボールを転がすと、そのボールはいつまでも転がり続けるということです。しかし、実際には、そこに「摩擦」が発生し自然と止まってしまいますが・・・。

これらを相場に当てはめてみると(かなり強引と思いますが)、まず、相場は常に変動しているため「静止している物体は静止し続ける」ということは当てはまらない。次の「ある速度を持って運動している物体はその速度で運動し続ける」は、ある意味では、トレンドの発生および、その後のトレンドの継続を意味しているとも考えられます。つまり、ある一定の方向性(トレンド)が発生すると、それらは継続されるという
ことです。

「ある速度を持って運動している物体はその速度で運動し続ける」は、実際には「摩擦」によって運動し続けることはないように、相場においても、そのトレンドが永久に続くことはありません。まだまだトレンドが続くと考える投資家と、これは行き過ぎだと考える投資家との圧力(摩擦)によってトレンドが転換することになります。

このように、トレンド・フォロー手法もある意味では、自然界の法則に近い手法なのかも知れません。投資の必勝法は「損小利大」であり、これらに沿った売買手法は、トレンド・フォロー手法が最適であると思うのですが・・・。

現実的には、そのトレンドの転換を判定することは困難を極めますが、トレンド・フォロー戦略は、理にかなった考え方であると思います。


追伸

数学者 秋山仁氏の言葉
私は、才能がないのにあきらめが悪く数学を続けてきた。でも、あきらめないで努力を重ねていると、才能は後からそっと続いてくるんだね。

私のひとり言
私は、才能がないのにあきらめが悪く株式投資を続けてきた。でも、あきらめないで努力を重ねていると、才能は後からそっと続いてくるんだね。(笑)



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