2024/03/08 のコメントです
◆「私の投資人生を振り返って・・・」をテーマに、ある投資会社のインタビュー に私が答えた内容です。
投資の分析手法は、大きく分けるとファンダメンタルズ分析とテクニカル分析とがあるが、私はテクニカル分析を選んだ。
その理由として、私は投資で生計を立てていこうと考えていたので、売買も短期的な売買でないと月単位での生計が立てられないと考えた。それにはテクニカル分析手法が適していると考えた。
そこで、売買が短期になればなるほどファンダメンタルズの要素は薄れていくのではと考えた。確かに、デイトレードなどではファンダメンタルズの要素はほとんど無視しても売買できるように・・・。
テクニカル分析では、分析要素が少ないということも私にとっては好都合であった。ファンダメンタルズ分析のような専門的な知識も必要なかった。テクニカル分析の要素は「株価」「出来高」「信用残」くらいのものでしょう。
その後、相場で生計を立てるため、くる日もくる日もコンピュータによるテクニカル分析のシミュレーションに没頭した。何の仕事もせず3年間続けた。現在公開されているテクニカル分析指標のほとんどを検証した。検証期間は過去20年程度であった。
これから自分の生計を立てるために必死になって分析を行った。その結果、すべてのテクニカル分析指標は長期に運用すればするほどマイナスとなった。一時的に利益を上げることもあるが、長期に使い続けるとすべてマイナスとなる。すべてマイナスとなるわけだから、どのようにテクニカル分析指標を組み合わせても結果はマイナスとなる。
この結果に、私はこれからの自分の生計の道を絶たれたと大いに落胆した。自暴自棄になりウツ状態になった。それはひどいものであった。ストレスが極致になると、耳鳴りがする、目はかすむ、吐き気がする。町に出ると、私がこんなに苦しんでいるのに、どうしてみんな楽しそうに歩いているんだろうと恨んだりした。このような状況に陥ると、自殺する人もいるんだろうなとも考えた。
それから1、2年相場から離れ自分探しをした。毎日、書店に行って片っ端からあらゆるジャンルの本を読んだ。最後にたどり着いたのは心理学であった。あらゆる心理学の本を読んだ。これが後に投資活動に大いに役に立った。また、このときの苦しみが、その後の私の人生を大きく変えていったような気がする。
現在の投資手法にたどり着くまでには多くの紆余曲折があった。ひとつ頭に残っていることは、体験的に投資で生活していくためには投資金を枯渇させるようなことがあってはいけないということ。つまり、投資で「勝負はしない」ことである。一発勝負では勝つときは大きいが、負けるとゼロ。投資はギャンブルではないわけだから勝負はしない。
投資で生活するには「元金を減らさない」「勝負には出ない」などであろうが、そもそも私は気が小さい方であるから勝負する度胸もない。元金を減らさないためにはリスクを小さくするなどであるが、リスクを小さくすればそのリターンも少ない。
私はリターンは少なくてよいと考えている。リターンが少なければ投資金を増やして、そのリターンの絶対値の金額が多くなるわけだから、それでよいという考えである。
そのような考え方から、私は投資に保険をかけるという投資手法を考案した。通常、社会では危険なものには保険をかけることが一般的であろう。リスクの高い投資に対して保険をかける。つまり、買いと売りの両建て売買である。サヤ取りである。
当初はペアでの両建て売買でしばらく運用していたが、相場が大きく上昇したときなど、売り銘柄がなければ大きく儲かったのになあなどと考えていた。
そのようなことから、売りと買いの投資金量を変化させてみてはどうだろうと考えた。売りと買いの投資金量を変化させるためには、どうしても相場全体の変化を捉えなければならない。つまり、相場上昇時には買いの資金量を多くし、相場下降時には空売りの資金量を多くしなければならない。
そこで私は、相場全体の変動を捉えた「ヘッジ比率」を考案した。このヘッジ比率に合わせて、相場上昇期には買い方の資金を多く、相場下降期には売り方の資金を多くすることを可能にした。これで資金効率が改善された。
このヘッジ比率は0〜100の間で変化し、これらの指数の変化に売り買いの資金を配分するのである。私は、この売買で売り買いの銘柄を100銘柄程度で運用した。このヘッジ比率の考え方は、現在、私が運用している先物市場でもその効果は絶大である。
私はこの業界では今では年長組に入るだろう。最近は投資家の会合などに行くと、私より年上の人は見かけない。今まで投資家仲間もたくさんいたが、その仲間も現在では一人としていない。初心者として投資の世界に入り、そして退場していくまでは4〜5年と言われている。そして、相場での勝ち組(長期的視点)は3%程度と言われている。
そのような世界で私は今でも生き残っている。その理由を自分なりに考えてみた。私は初心者時代から実践していることが二つある。それは「情報・材料での売買はしない」、もうひとつは「ナンピンしない」のこの二つは今でも頑なに守っている。この二つが生き残りのすべての要因とは考えにくいが、私としてはこの項目だけは絶対譲れないところである。
もうひとつあるとすれば、それは「あきらめない」と言うことであろうか。現在に至るまでは何度やめようかと考えたことがあるか・・・。考えに考えた挙句、やはり自分にはこの道しかないと自分を奮い立たせ頑張ってきた。
私には投資に対するこだわりがある。それは投資の完全システム化である。なぜシステム化にこだわるかと言うと、長い話になるが・・・。
私の性格は気が小さく、結構ネガティブな性格をしているので、相場で負けるとすぐに落ち込んでしまう。私も投資を始めたころは皆さん(投資初心者)と同様に勝っては喜び、負けては落ち込むという有様でした。しかし、このような状態で投資で生計を立てていくにはストレスで自分自身が破綻してしまうのではないかと考えた。
また、このころ自分には投資の世界は向いていないのではないかと気づき始めていました。投資で一番難しいことは、先見の明や分析力、情報収集能力ではなく「投資家の感情のコントロールである」と気がつきました。投資とは「歓喜と絶望とストレス」の世界であると言われている所以ですから・・・。
投資の世界で私が一番重要に感じることは「ストレス」という問題です。ストレスをお金に換算することはできませんが、何がしかの金銭を得るために大きなストレスを抱えてしまう。このストレスと投資の利益を天秤にかけて比べた場合、果たしてバランスが取れているのだろうかと考えたことがあるだろうか。
ストレスとは恐いもので、大きなストレスが続くと人間破壊に陥る可能性もあるのです。ストレスなく投資活動を行っている投資家は皆無であると思いますが、投資家はこれらの点についても考えておく必要があります。
私もストレスの重圧で投資の世界は自分には向いていないから何度もやめようと思いました。では何をして生計を立てていくか自問自答しました。しかし、何度考えても「これしかない」という結論でした。
そこで、私は開き直って、感情が振り回されない、ストレスのない投資手法はないものかと考えた。そこで考え付いたのが「システム売買」です。私はコンピュータのプログラムも得意であったし、これを活用して投資のシステム化にまい進しました。
当時は「コンピュータで売買なんかできないよ。システム売買なんかもってのほかだよ。」と大いに笑われたものでした。現在は完全なシステム売買を行っていますが、それまでの道のりはまた険しいものでした。
私は投資の世界で生活をしているわけですが、決して投資の人生がすべてとは考えてはいません。人生という長いスパンの中で、投資はある一部であると考えている。今まで投資に多くの時間を費やしてきたが、投資は生活の糧であり、投資はひとつの手段と捉えている。投資で成功した先にはまた別の世界がある。だいぶ遠回りしたが、これが私の本当の目的である。
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