2022/11/04 のコメントです。
昨年末に「来年、儲からなければ株式投資をやめたほうが良い」とコメントしました。現在、株式市場は長期の往来相場となっていますが、このような相場状況でもで収益の大小はともかく、ある程度の利益を収められたのではないかと思います。
もし、今年の相場展開でも収益を上げられないならば、その投資手法なり、投資に対する考え方などに問題があるのではないでしょうか。何か根本的な間違いがあるのではないだろうか。
たとえば、マイナスとなった銘柄を切るに切れずにいつまでも持っている。あるいは、利益10%などとして小幅に利食いしてしまうなど、何らかの根本的なミスがあるはずです。
もし、これらの問題に気づかずに売買して収益が上がらないのであれば、まだ救いようがあります。なぜなら、その問題に気づいて改善すれば良いのですから。厄介なのは、これらの問題に気づいていながら実行できないことです。
投資の理論や手法を理解しながら、それを実践できない。これは投資家本人の性格に依存するもので、本人以外には解決できない問題なのです。損切りすべきことを理解しつつも実行できない。なぜできないのでしょうか。
私が見ている限りでは、「理解しつつも実行できない」という人の多くは、わりと教養の高い人に多いような気がします。なぜでしょうか。
それは考えすぎるということなのでしょうか。「ここで損切りすると、マイナス○○となり、投資金に対して何パーセントの損となる。これでは投資金が減少し、投資利回りの低下を招く、よって、ここでの損切りはするべきではない」などと。
少しオーバーな表現かも知れませんが、考えを巡り巡らせ行動にセーブがかかってしまうようです。いくら考えても、主役はマーケットであり、個人の都合など考えてはいませんし、明日のことなど誰にも分からないのですから・・・。自分で作成した「ルール」も守れないで、マーケットでは生き残れません。
これらの状況を表現した語録があります。「識者は行動せず、理論だけで結論を出したがる。やってみなければわからない。行動すれば新しい展開が見出せる。考えているだけでなく、ぶつかってみろ」。
損失が膨らんでくると、どうしてもマイナス思考になってきます。当然ではありますが、これらがあまり度を越すと収拾が付かなくなり、パニックに陥ることだってあります。マイナス思考とは、先のことを考え過ぎたり、物事の成否を考え過ぎたりすることにより、限界意識が先にたって起こるものです。過ぎたるは及ばざるがごとしと言ったところでしょうか。
考えることも大事なことですが、まずは自己ルールを実行してから、それらについて考えるべきです。ここで自己ルールを実行すべきかなどと考えているのはナンセンスです。自己ルールも守れなければ、最後には暴走し、崩壊を辿るだけです。
投資成果は「投資家の性格に起因する」ものです。もし、今年の相場状況でも収益を上げられなかったなら、投資手法もさることながら投資家自身の投資適正も見つめ直すことも必要なのではないでしょうか。
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