2022/07/22 のコメントです。
日本人はあまり投資には向いていないようだ。その理由は当欄で何度も解説してきましたが、多くの日本人投資家は「投資とはチャンスを見計らって銘柄を売り買いすることだ」と思い込んでいるようです。ですから、タイミングを見計らって株式市場に入ったり出たりを繰り返します。
たとえば、大きな下げの後には、さらに大きな下げが来るような気がして、心配性の投資家は市場から一時撤退します。下がるリスクを回避するためにの市場から退場です。これは誰も考えそうなことではありますが・・・。
そうした時に、意に反し急な反発があるものです。急落後の急騰です。大きな下げに「待ってました」とばかり買いに入ってくる投資家がいるのです。また、空売りの買戻しなども入って、市場は驚くほどの強さで上昇を始めます。
悲観的に考えて退場していた人は、自分の思惑と反対方向に相場が動いたとき、素直に買い出動できません。自分の予測が間違っていたとは、やはり考えたくないので、市場の変化に対してとっさには動けないのです。つまり、下落を恐れるあまりに、株価急騰という機会を失うことになります。
日本には「休むも相場」という相場格言があります。しかし、海外では、普通の人が確実にもうけるには、市場から頻繁に出入りをしてはいけないと言われています。市場に居続けることが、必然の恵みを受け取る最上の方法なのだとも言われています。また、海外には「タイミングを計ると利益を取り損なう」という相場格言もあります。
相場急落となると、その急落の大きさに恐れをなし、また損失の多さに失望し市場から一時退場します。しかし、急落の後の戻りは急速であり、また大幅となります。そのため、再起をかけようと考えながらも躊躇して仕掛けができず、乗り遅れることになります。つまり、継続していれば得られるだろう利益をを失ったことになります。
統計によりますと、その急騰を逃した場合、機会利益の90パーセント以上を失うとされています。皆さんも急落の後、タイミングを見計らって待機していたら、急騰してしまい、仕掛けのタイミングを失ってしまったことはありませんでしたか。これが機会利益を失うということです。
では、これらの機会利益を享受するためにはどうするか。それは当然ながら、しぶとく市場に留まり続けることです。
もし、うまく儲けられない投資家が、一時退場して相場急落の後に絶好のミンクで底値を仕掛けようなどと考えても、通常でも儲けられないのですから所詮無理な話です。投資家の都合で市場に出入りしているようでは儲けられません。
市場には居座ることです。居座ることによってチャンスが来るのです。そして、そのチャンスを掴み取るのです。投資の原則は市場から退場しないこと。「ステイ・イン・ザマーケット(Stay in the market)」です。 |