2022/08/13 のコメントです。
投資家は誰でも右肩上がりの収益を期待して市場に参入してきます。しかし、投資市場はランダムであり、なかなか期待通りの収益を上げることができません。投資とは損の続くゲームであると言われています。
損が続いているときに投資家は何を思うか。多くは過去において大負けしたときのことを思い出し、そして現在の状況と対比して「もし過去のような最悪の状態になったら・・・」と、恐怖を感じます。
前回解説の「ギャンの投資理論」の第六条に「迷ったら手仕舞うこと。また、迷ったままのポジションを決して持たないこと」とありましたが、これは投資の常識であり誰でも知っていることです。
しかし、実践においては、知っていることや投資の常識、また自己ルールの実行ができません。なぜでしょうか。分かっているができない。ルールは絶対守ると誓ってスタートしたにもかかわらず・・・。
なぜ分かっているのにできないのでしょうか。それは追い込まれた状態で決断しようとするからです。ここで切らなければいけないことは理解していても、その損失の大きさに決断が鈍ります。過去の苦い経験がフラッシュバックのように蘇り襲いかかり投資家を追い詰めるのです。
このような状態で、ルール厳守、冷静な判断などと言っても聞く耳を持ちません。パニック状態です。このようなことは投資家であれば大なり小なり体験しているのではないでしょうか。完全に負けの状態です。
であるならば、このような状況に陥る前に何らかの手立てはないものでしょうか。何事にも予兆はあるものです。その予兆をすばやくキャッチして早めに対処すべきです。
同じく、前回解説の「ギャンの投資理論」の第二十七条に「損切りしたら、次の売買は資金量を減らすこと」とありますが、これらを当研究所の株式分析システムに当てはめて考えてみましょう。
すでにご存知のように、当研究所の株式分析システムはトレンドフォロータイプのシステムです。そのため、上昇であっても下降であってもトレンドが発生すれば効率的な運用が可能です。しかし、問題は「もちあい期」です。当システムはトレンドフォロータイプのシステムであるため、トレンドが発生しない時期や値動きがない時期には、その機能を発揮できません。もちあい期は当システムでなくても、なかなか取れないものですが・・・。
もちあい期が事前に分かれば苦労しないところですが、これは無理な話です。当分析システムから判断すると、もちあい期に入ると買っては下げられ、空売りしては上げられとなり損切りが続くことになります。
ここで判断すべきです。通常の損切り回数より損切りが多くなってきた場合は、もちあい期突入と判断して、新規の建玉を極力抑えていきます。つまり「手が合わないときは戦線縮小もやむなし」となるわけです。ですから、常に売買の状況を把握しておき、通常と異なる状況をもちあい期の予兆と判断し対処するのです。 |