2022/06/10 のコメントです。
投資家は投資市場に何を求めて参入してくるのだろうか。それは異口同音に「収益」と答えるであろう。私もそのひとりではあるのだが、では、収益を上げるためにはとのようなアプローチをすれば良いのでしょうか。
投資にはリスクが付いて回ります。リスクは避けて通れません。しかし、リスクを恐れていてはリターンもありません。リスクとリターンは投資家の喜怒哀楽を助長します。
投資家は、収益を上げるために投資ノウハウが必要だと言います。多くの投資家は武器なしで戦うことはできないため、理論武装して戦いに挑みます。しかし、市場は理論通りには動いてくれません。投資家のシナリオ通りに市場が展開しないため、投資家は大きなストレスやプレッシャーがかかってきます。
このようにサバイバイルの世界では、投資家はいつもジレンマに陥ります。投資に必要なことは投資理論も必要でしょう。技術的な手法も必要でしょう。また、メンタル面の対策も必要となってくるでしょう。これらは投資において収益を上げるための必須項目となります。
新規に投資市場に参入してくる投資家は「絶対儲けてやるぞ」と意気込んで参入してきます。かつての私も投資市場に夢を抱いて参入しましたが、年月を経て、現在では「いかに損をしないか」という考えに変わってきました。今では「損をしないシステム作り」を心がけています。ここで言う「損をしない・・・」とは、投資でまったく損をしないという意味ではなく、トータルで大損をしないという意味となります。
ジョージ・ソロスも言っていましたように「まず生き残れ」です。市場に留まってさえいれば、いずれチャンスがきます。であるから、投資家はいかに収益を上げるかではなく、「いかに市場に留まるか」に注視すべきではないでしょうか。
では、いかにして市場に留まるべきか。その答えは当然ながら「大損しない」ということであろう。大損の典型は「塩漬け」です。「決済していないから大損していない」という投資家もいるかもしれませんが、そんな話は話の外です。
儲けたいと上ばかり見ているのも結構なことですが、まずは足元の損失となった銘柄の対処です。損切りなくして利益なしです。
確かに損切りはいやなものです。損切りせずに済む方法はないものかと考えるも、遅かれ早かれ損切りは断行しなければなりません。しかし、あまりお勧めできる方法ではありませんが、買いで負けた銘柄に、反対売買の空売りを行うこともできます。これは「蓋をする」といって、蓋をした後は、同銘柄両建てとなり損益は、この時点でロックされた状態になります。
損益はロックされた状態になりますが、そのままいつまでも持っているわけにはいきません。信用の期日もきますし、どこかでこれらを解消しなければなりません。解消の方法は、相場展開によって、相場上昇となれば空売りを処分し、買いを持続する。相場下降となれば買いを処分して空売りを持続する。
これらの手法は「つなぎ売買」の原型ですが、上記のように、損切りしたくないあまりに両建てするのは、まだまだ初心者の範疇です。本来の「つなぎ売買」は、これらを計画的に行うものです。
この「つなぎ売買」を一歩進めて、つなぎを同銘柄ではなく、ほかの銘柄に反対のつなぎを入れてはいかがでしょう。つなぎが同銘柄ではないため、その管理は難しくなりますが、やり方によっては、面白い投資法となるでしょう。
実は、この投資手法の進化系が当研究所の両建て売買手法なのです。投資において損切りは避けては通れませんが、損切り時に精神的にあまり負担のない損切りとなれば、投資継続(生き残る)の可能性が出てきます。
負担のない損切りとはどのようなことか。それは、手持ち株の時価評価がプラスの状態ということではないでしょうか。損切りには抵抗があるが、時価評価がプラスであれば、たくさんの塩漬け銘柄を持ったままでの損切りより楽ではないだろうか。時価評価をプラスの状態にするには、結局、行き着くところは損小利大しかない。
時価評価をプラスの状態にして損切りを楽にする。損切りができれば市場に留まることができる。市場に留まることができれば、いずれチャンスがやってくる。そして、収益を上げることができる。
やはり、ジョージ・ソロスが言うように「まず生き残れ」「儲けるのはそれからだ」と言うことになる |