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   ≪ 投資の呪縛 ≫
2025/02/08(Sat)

2025/02/01のコメントです。

定年退職したので株でもと株式投資を始めている方が多い。そのような投資初心者に株式投資を始める動機を聞いてみた。「退職して時間があるので始めた」「利息が少ないので・・・」「少し経済の勉強しようと」など。

だいたいこのような方は4〜5年で市場から去っていく。投資市場を甘く見ているようだ。実践に入れば、一般社会より厳しいことはすぐ分かる。ある人は、千万単位でやられてしまったと言う。

私は皮肉をこめて彼に言ってあげた。「お金があるからやられるのであって、お金がなければやられないよ」と。「それは大いなる社会還元だよ。すばらしい」と。

また、「小遣い程度の利益が上がればいいよ」と言う投資初心者がいる。小遣い程度の利益では「損大利小」の売買となっているはずである。まず、継続的な利益は望めないでしょう。

誰でも経験する投資体験ではあるが、仮に100万円で株式投資を始めたとします。2〜3万円儲かったと思って強気に出たところ、90万円まで一気に値を下げ、焦って決済してしまった状態を考えてみてください。

このとき、「今自分は90万円の資産で売買をする」とだけ考えることは難しいでしょう。「100万円の初期投資額からマイナス10万円の状態にある」と考えてしまいます。これこそまさに投資の呪縛に陥っています。

「マイナス10万円」が頭にちらつく限り、投資で負けたお金を投資で取り戻そうとムキになってしまいます。まず、通常であれば可能かもしれない冷静な判断ができなくなります。株価の値動きそのものの判断に「10万円を取り戻す」という市場にはまったく関係ないところの判断をしてしまうことになります。

また、損失を蒙ると損失を急いで取り戻そうと考えてしまうのもです。そして、通常であればとらない高いリスクを選択するようになるからです。

競馬などでは、このような行動が如実に現れます。一日負け続けた競馬の最終レースでは、「今日のマイナス分を取り戻せる倍率の馬券」を選んでしまったり「今日のマイナス分を取り戻せるだけの金額」を突っ込んでしまったりします。

実際、競馬の倍率を調査したところ、最終レースは大穴狙いに馬券が偏るそうです。つまり、大穴狙いのメリットは薄れています。しかし、個人の勝手な思惑に世の中が応じてくれるはずもなく、たいていの場合は傷口を広げます。こういうミスは避けるべきです。

投資ではまず負け方を考えてから臨むこと。損を出してからではなく「損を出す前」に準備できていることが必要です。現在の状況からどれくらいのマイナスが生じうるか、それは許容できるものかを事前に把握しておくことです。損をしたとき冷静でいられる投資額に設定することです。

投資においては素人向けハンディキャップはありませんから、自分でリスクの低いものを買うか、金額を抑えるしか対策はありません。それでもうまくいかないことはありうるわけで、手痛い経験をして学ぶという「授業料」を少しは設定しておくこともよいでしょう。

誰でも陥る投資の呪縛から解放されるためにも、今のうちに、その対策を講じておくことをお勧めします。



   ≪ 常識は先入観 ≫
2025/02/01(Sat)

2025/01/25 のコメントです。

市場は合理的だと言われています。もし合理的だとするとすべての銘柄が適正な価格のはずだから、割高も割安もないことになります。自分のリスク許容度に合わせて銘柄を組み合わせれば、いつ買っても損はしないないということです。でもそんなことはあり得ません。実際には誰もがいつ何を買うべきか悩んでいます。

長期的には合理的だという解説もよくあります。確かに極端なバブルはいつか崩壊します。でも、それがいつなのかは分からない。バブルは何年も続いたあとあっという間に崩壊して、回復するまでにまた何年もかかるわけで、市場が冷静で妥当だった期間、合理的な水準に収束して安定している期間なんてほとんどありません。

巷には、○○投資モデルなどといって、いかにも高尚な投資手法であるとうたっている手法もあるようですが、投資家心理や市場の動きがモデルで捉えられないことは、自分で実際に投資をすれば研究するまでもなくすぐに分かります。

投資の常識などもその類かもしれません。たとえば「安いところで買って、高いところで売る」など。この常識を信じて投資活動をしている投資家も多いのではないでしょうか。

この常識を実践している投資家は大いに儲けているはずですが・・・。現実的には長期的に儲け続けている投資家は3%程度と言われています。この現実から考えると、はたして「安いところで買って、高いところで売る」ことは正しい投資の常識なのかと疑問が残る。

株式投資の常識を実践している投資家には申し訳ないのですが、私はどこで買ってもどこで売っても良いのではないかと考えています。問題はどこで売買するかという問題ではなく、仕掛け後の処置の問題であると考えています。

特に仕掛け後のリスク管理です。忠実な損切りやリスクマネージメントなどがしっかりしていれば、仕掛けのタイミングなど問題ではないような気がします。買い仕掛けは「高いところで買って、さらに高いところで売る」という投資家もいるのです。

以上のように、投資に限らず、一般的にも「常識」と言われることに対して盲目的に信じていませんか。もし、その常識が正しいとすれば、その結果も常識的になるはずてす。しかし、投資に関してはそのようになっていないような気がしますが、いかがでしょうか。

ここに、一般に常識とされることが本当は間違いであったという例を挙げてみます。

◆卵を食べるとコレステロール値が上がる。
レシチンの作用でむしろコレステロール値が下がる。他にもいろいろよい成分が入っているので、毎日1個以上の摂取が望ましい。一番消化されやすいのは半熟。

◆うどんは消化に良い。
柔らかいから消化に良いと思ってるだけで、本当はうどんの粉が消化に悪い。

◆牛乳を飲むと骨が丈夫になる。
牛乳消費世界一のスウェーデンで骨粗鬆症が非常に多いのがその証拠。牛乳にはカルシウムが多く含まれてはいるが、その吸収を阻害する成分もある。飲み過ぎはよくないってことです。

◆牛乳を飲むと背が伸びる。
牛乳飲んでも骨が太くなるだけで背は伸びない

◆豆腐は高たんぱく低カロリーの理想的な健康食品。
標準的な豆腐1丁に含まれる脂肪分は大さじ1杯相当と意外と多く、また、豆腐には実質的に食物繊維がほぼゼロ。

◆お茶で薬を服用してはならない。
薬の吸収にタンニンはほとんど影響しない事が判明した為、現在はお茶で薬を服用しても別に差し支えないとされている。

◆暗い所で本を読むと目が悪くなる。
成長の過程にあって近視が進行中の子どもの場合、余分な調整力を強いられると、近視がより進行する可能性がある。少なくとも近視の度数進行がすでに止まっている大人の場合は「目が疲れることはあっても、目が悪くなることはない」という考え方が一般的です。要するに、暗い所で本を読むと一時的に目の疲労が原因で見えづらくなったとしても、それが視力の低下には繋がらない

◆デジカメは画素数が増えるほど高画質になる。
A4サイズ程度のプリントなら300万画素と1000万画素の違いはほとんど分からない。むしろ、撮像素子(CCD、普通のカメラのフィルムに相当)上の1画素の面積が小さくなるため、受光量が減り、全体として画質が落ちる。

◆鼻血は上を向いて首筋を叩くべし。
鼻血出たときに上向くのは、鼻腔内の出血が喉を通って胃に流れ込んでしまうため、気分が悪くなることがある。上を向くことによって、止血にはなんの影響もない。首の後ろ叩きは、「指を怪我したので手を振り回している」と同じような状態。安静にしておいたほうが止血は早いから逆効果。

◆毛を剃ると濃くなる。
毛の根元は太いので、剃った断面が広く毛が濃くなったように見えるだけである。

◆指をボキボキ鳴らしたら関節炎になる。
関節炎の原因となるのは老齢や怪我、肥満と遺伝で、指をボキボキ鳴らしても関節炎にはならない。

◆脳細胞は減り続ける。
脳細胞は生まれてから減り続ける一方だという説は誤解である。多くの研究で脳の数箇所では新しい細胞を生成していることが証明されている。


常識を盲目的に信じるのではなく、たまには別の角度から見てみるのもよいのではないでしょうか。


拙者の格言

『人は固定観念や自己暗示によって行動している。何の疑問も持たず常識を鵜呑みにしている。これでは「烏合の衆」となる。既成概念を破れ』

『世の中はいつも間違っている。世の中は、本来あるべき正しい姿から常に乖離しながら変化している。よって、現在の常識はいずれ非常識となる。常識は先入観』



   ≪ 自分の性格を知る ≫
2025/01/25(Sat)

2025/01/18 のコメントです。

皆さん年末年始はいかがお過ごしでしたでしょうか。大いにエンジョイできましたか?。ストレスは発散できましたか?。初詣や観光地はどこも人が多く、また帰省ラッシュには車の渋滞で疲れてしまったという人も多かったのではないでしょうか。

休み明けから心機一転して頑張ろうと意気込んでいる投資家もいると思われます。そのような方に、気持ちが空回りしないように、いくつか注意点を申し上げておきましょう。

まず、株式投資で成功するには、単純に株式の知識だけではなく、投資家の心理も大きく左右することを理解しておくべきでしょう。しかし、気合だけでは勝てないことも理解しておくべきです。

投資家には常に強気派と弱気派が存在します。強気派には自分は常に周囲の情報を的確に把握していると自信を持ち、また投資技術においても自信を持つ傾向があります。元来持ち合わせた性格かもしれませんが、このような投資家は結構多いものです。これは、認知のゆがみと捉えることができます。

強気派は収益を上げたときの成功体験の印象を強く持ち続ける投資家である。投資成果はハイリスク・ハイリターンとなる。

一方、弱気派はすべての現象をネガティブに捉える傾向が強い。周囲の情報、関連する物事すべてがネガティブに見えてしまう。株式投資では、自分が大損してしまった銘柄を二度と見たくないという心境がはたらく。そのような心境は正しい判断の邪魔になる。

過去の失敗をいつまでも引きずるタイプの投資家である。投資成績はローリスク・ローリターンである。

強気派も弱気派も投資家の性格に起因するところが大きいような気もするが、一般的に、人の心にはさまざまな認知のゆがみや、偏ったメンタルの傾向などが見られます。ここでは強気派と弱気派のどちらが投資に向いているかという問題ではない。おそらく、どちらも投資には不向きであろう。

投資とは無機質なものであるが、そこに人間の感情を入れてもあまり良い結果は得られないのではないだろうか。投資では「冷静で、かつ客観的な判断」となるわけですが、人間である以上、大なり小なり感情が移入する。

市場が大きく乱高下すると、投資家の感情も大きく揺さぶられる。これは当然なことです。問題は次の行動です。強気派は「まだまだ大丈夫だ」と持ち株を持続する。弱気派は「もうダメだ」と損切りをする。結果は別として、パニックに陥ると感情(性格)によって行動する。

私は、投資で感情が強く出ると負けると思っている。パニックになって行動して、後になってから、どうしてそのような決断をしたのだろうかと思ったことはありませんでしたか。投資の世界でなくてもパニックになっての決断は正しいはずはありません。「あせりと緊張は失敗を招く」ということです。

しかし、これでは結局どうすれば良いのかと思い悩むところですが・・・。自分を投資向きの性格に直すことは無理があるので、まずは自分の性格を知ることから始めることです。自分の性格をモニタリングするのです。

過去の売買で、どのようなときにどのような感情であったかを記録することです。そして、これからも記録していくことです。株式投資を成功させるには、その記録に基づいて、感情に振り回されて、偏りに陥っていないかどうかを分析するのです。

投資では、投資スキルだけではなく、このような角度からのアプローチも必要となってくるのではないでしょうか。

自分の心の動きに注意を払うことが投資で成功する近道ではないだろうか。



   ≪ リスク対策 ≫
2025/01/18(Sat)

2025/01/11 のコメントです。

新年に入り株式市場は今年も大きく変動している、為替も円安となった。このような変動に投資家は休みどころではなく右往左往しているのではないだろうか。休みをとっても気が気ではない。

投資市場では常にサプライズは付きまとう。投資家は常日頃からその対策を講じておかなければならない。相場急変で「どうしよう、どうしよう」と、うろたえているようでは投資家失格である。投資市場では何があるかわからない。急騰、急落は常である。それを承知で市場に参入してきたのではないか・・・。

多くの投資初心者は相場が急落すると「何が原因なのだろう」と考える。しかし、何が原因であろうと現実は持ち株の評価損。現実に目を向けるのが先である。急落の原因を追究する前に手持ち株の対策を考えるのが先であろう。急落の原因など考えても何も始まらない。

急落によって手持ち株の評価損が膨らんでくると「どうしたものか」と考える。そして、次に考えることは「ここまで下がったのだから戻りはあるだろう」と期待する。または「ここは少し様子を見よう」等と考える。しかし、期待や様子見では現状は変わらない。こんなことではいつまでたっても投資での収益には程遠い。

投資とリスクは切り離せない。投資には常にリスクはつきものであることは誰でも知っている。誰でも知っているものの、ほとんどの投資家はその対策を行っていない。当然ながら「下げたら損切りするんだ」と強い意志で望んだものの、あまりにも大きな急落にただただ呆然として、損切りの実行ができない。この繰り返しである。

多くの投資家は投資リスクに対しての考えが希薄である。投資市場では必ず、急騰、急落はある。そして、さらに大きな○○ショックが起こる。これらを踏まえた上での投資市場への参入であったのではないだろうか。

リスクのある市場では必ずリスク対策が必要である。リスク対策には、損切りをはじめ、ヘッジやつなぎ、また、持ち株の増減など多様な対策があるはずです。それらを講じずに、ただ「様子を見よう」などは「逃げ」以外の何物でもない。投資市場は戦いの場である。戦いの場で逃げ回ってばかりいては負けるのは当然です。

戦いには武器が必要である。ウクライナ戦争でも最新鋭のドローンが活躍しているようだ。それも最新鋭の武器が勝利をもたらすことになる。投資家の武器は攻め込まれたときに、いかに攻めを防御し反撃にでるかが勝敗の分かれ道となる。

投資における防御とは、損切りであり、また、ヘッジやつなぎであろう。これらの対策を日ごろから構築し、あらゆるアクシデントに対応できる体制を整えておくべきでしょう。




   ≪ ボラティリティの大きい市場での売買法 ≫
2025/01/11(Sat)

2024/12/28 のコメントです。

最近ボラティリティが大きい。値動きの大きい要因は何であろうか。私はコンピュータによる高速取引が一つの要因ではないかと考えています。統計資料によると、発注数と成約数の差が開いていることです。つまり、市場への発注数は多いものの、その成約数は発注数に比べて少ないという現象です。

これは「見せ玉」、つまり「大量」の買い注文(売り注文)を約定させる意思がないのに出して、約定前に注文を取り消す行為です。大量の注文で、発注や取り消し、訂正を用いて取引が活発であるかのようにみせかけます。これを高速コンピュータで行うものです。

見せ玉を行うには相場操縦できるほどの大きな資金(数千万円〜数億円規模)が必要になります。見せ玉は相場を意図的に操作しようとする行為です。見せ玉は証券取引法で「相場操縦」として禁止されている行為なのですが・・・。

高速売買では、先物の細かな売買が一方向に続くことで値動きが大きくなるのだそうです。一方、個別では、テーマ(材料)を絞った短期売買の勝率が高いそうです。いずれにしても大きく動かしたいファンドによる先物売買が中心です。

以上のような取引は、当局が規制を行うとの噂もあるのですが、いずれにしても自由市場である株式や先物市場はフェアな取引を願うものです。

ボラティリティが大きくなれば、売買は必然的にハイリスク・ハイリターンとなります。このような状況での売買は当然ながら、ハイリスクの部分はロスカットで対処します。そして、ハイリターンの部分はできるだけ持続します。

しかし、これは理屈の上であって、実践ではなかなかうまく行かないものです。とは言うものの、実際には、これらの手法(損少利大)に近づけた売買を行わなければ利益を得ることはできません。

まず、ロスカットをどのように行うかですが、通常は投資家の資金量等によって、損切り幅を決めて実行することが一般的でしょう。しかし、以前にも解説いたしましたが、私は建玉の大小にかかわらず金額によるロスカットを行っています。

たとえば、100万円投資しても損切り金額は10万円、200万円投資しても損切りは10万円などとします。一般的に、投資金額が大きくなると、どうしても損切り金額が大きくなってしまうことがあります。

これを損切り金額を一定にして行うことによって、投資金が少ない時は損切りまでの幅が大きいですし、投資金が多い時は損切りまでの幅が小さくなり、早めの損切りとなります。金額での損切りはメンタル面でも楽になります。

そこで、損切り金額はどのように算出すればよいのでしょうか。もちろん、投資資金量により損切り金額を10万円、20万円などと固定値としても良いのですが、正しくは、その損切り金額にも理論的根拠が必要となってきます。

正しい損切り金額の算出方法は、投資資金量に対する市場のボラティリティとのバランスにより算出すべきです。市場ボラティリティが大きい場合は、その損切り金額もそれらに合わせて増額することになります。

また、ハイリターン市場での利食いは、簡便法ではありますが、できるだけ大きな利幅をとるために、上昇後の高値から何%下げたら利食いするなどの決済法が賢明かと思います。

現在のようなボラティリティの大きい市場では、以上のような売買手法で実践されてはいかがでしょうか。



   ≪ 後悔しないためにも ≫
2024/12/28(Sat)

2024/12/22 のコメントです。

東証に上場している上位50社のうち45社がタックスヘイブンを活用し、ケイマン諸島だけの活用に限っても、日本の大企業は55兆円で、アメリカに次いで世界第2位の規模だそうです。

タックスヘイブンを活用することによって世界第2位となる莫大な税逃れをしている日本の大企業から、まともな税金をきちんと払ってもらうことの方が消費税増税よりも優先すべきではないだろうか。

ある会合で株式投資の話題が出た。ある人が退職後に株式投資を始め、投資金は小額で短期売買であるという。5万円も利益が出れば喜んで売ってしまうと言っていた。またある人は、会社の社長で長期投資で配当を貰うのを楽しみにしいてる様子。

前者の投資家は退職後に何もすることがないので、日々の楽しみとして株式投資とバラの栽培をしているという。今までは会社勤めで好きなことができなかったが、退職後は好きなことができると笑顔で語っていた。

またある人は、退職後はのんびりしたいと思い、現在まで何もしていないという。しかし、最近は何もしないことが苦痛に感じてきたと話していた。確かにそのとおりだろう。忙しいのも辛いが、暇なことはもっと辛いものである。

統計に、退職後に何もしないという人は、退職後、7年前後で体調を崩すという統計資料がある。目的もなくただ過ごしていると老け顔になって、老人になってしまう。またまた、私の語録で恐縮ですが『夢を持たざる者は変化を恐れる。守りだけでは堕ち行くだけ。常に向上心を持つべきである。夢を失ったときに、はじめて老いる。』とある。まさしくこのことです。

何もしないということは、夢も目的もなく、日々の刺激もなく、気力も湧いてこない。このような状況では、社会的にも必要のない人間となって老いていくのではないだろうか。何か活動をしてみてはいかがだろう。たとえば、ボランティアとか。

人間は目的を持って、その目的に向かって突き進んでいるときが一番充実して、いきいしている時ではないだろうか。今までの自分を振り返って、自分が一番充実していた時を思い出してみては・・・。

統計資料に、人は晩年になって一番後悔することは何であろうかという項目があった。そのダントツは「チャレンジしなかった」との後悔が70%を占めていた。あの時チャレンジしていれば、今の自分も変わっていたかもしれないという後悔なのかもしれない。

前述の短期売買の投資家、そして配当取りの長期投資家、どちらも株価変動を注視し、成果は別として刺激的な日々を送っているのではないだろうか。楽しみのない人生ほどつまらない人生はないだろう。

私は、普段は投資についてのアドバイスはしないのだか、短期売買の投資家から、「利食いがうまくできないんだよなあ。売った後、大きく上げられて悔しい思いを何度もしているんだよ」と言うので、私は、トレイリングストップの手法について説明してあげた。彼は「いいことを聞いた」と喜んで帰っていった。


拙者の語録

『物事を始めることに遅い時はない。今から始めよ。ここから始めよ。チャレンジに年齢や時期は関係ない。』

『後悔しない人生とは、挑戦し続ける人生にある。』

『現在の自分の姿は、過去の決断の結果である。現在の決断は将来の自分の姿とな
 る。今、何かを決断しなければ将来は何も変わらない。』




   ≪ 饒舌は徳を乱る ≫
2024/12/22(Sun)

2024/12/13 のコメントです。

かなり以前ではあるが、「パナマ文書」流出に世界中がパニック陥り、史上最大のリークとなったことがあった。これらは、世界中の著名人たちが、主にタックスヘイブンにてどのように資産監理していたかを示すもの。名を連ねているのは、政治家や経済人、著名スポーツ選手など、日本人の名前もあった。いわゆる「世界トップの大金持ち」たちです。

パナマ文書は、簡単に言えば、資産隠しに利用されるタックスヘイブン(租税回避地)の顧客名簿が流出したということです。ファンドが税務負担を安くするためにタックスヘイブンを利用することはしばしばありますが、富裕層等が税金逃れのために利用するケースもあるため、バレるとまずいという方が世界中にいるということです。

世界の権力者や富裕層がパナマのタックスヘイブン(租税回避地)にペーパーカンパニーを設立し、資産隠しや麻薬・武器取引、脱税などに利用するためのアドバイスをしていたのではないかと疑われている。タックスヘイブンはパナマに限ったことではなく、ケイマン諸島など世界にはたくさんの租税回避地ある。

これらのスクープから思うことは、口では立派なこと(課税逃れ批判、腐敗撲滅、汚職没滅)を言っていても裏では私利私欲に走り、何をやっているのかわからない。庶民には関係ないことなのでしょうが、国民から税金を吸い上げておいて、国民に犠牲を強いて自分は・・・、というところが垣間見える。

この問題がスクープされて早々に辞任した首相もいる。あまり金銭には関係ないと思われる欧州サッカー連盟元会長の名も挙がっていた。おとなりの中国では汚職追放を叫んでいるにもかかわらず、パナマ文書には首脳やその親族の名が連ねている。

このようなことから、我々は何を信用してよいものかと考え込んでしまう。私は政治の裏側を見聞きしているので政治の世界には関心を持たない。政治家は話をすることが商売であり、その話し方もうまいし説得力もある。しかし、しかしである。

私の語録に「饒舌は信用に値しない。饒舌は自分の「非」を無意識に隠す行為である。知る者は言わず、言う者は知らず。巧言は徳を乱る。」とあるが、政治家などはそんな感じではないだろうか(すべてとは言わないが・・・)。私は、あまりおしゃべりな人は信用しない。

投資の会合などでは、必ずと言っておしゃべり(饒舌)な人がいる。ワンマンショーのようだ。たまに突っ込んでみると、そのはぐらかしもうまい。私は付いていけない。

皆さんも一度や二度は投資セミナーなどに出席されたことがあると思います。講師は慣れたもので理路整然と解説し説得力もある。しかし、それだけ投資に対する理解があるのなら講師などしないで自分で投資すればと思う。

投資セミナーの受講経験者には失礼であるが、投資についてあまり理解していない講師の話を聞いても実践ではあまり役に立たない。投資についてあまり理解してない講師とさらに理解していない受講者であるから、受講者は「うんうん、なるほど」と納得している。ある意味ではバランスが取れているのだろう。(失礼)

やはり、投資の世界は実践から学び取るべきでしょう。損失を出し、その辛さを体験し、初めて成長するものです。もちろん理論も大切ですが、実際に大きな損失が発生すると理論どころではないことは皆さんも体験済みでしょう。

少し話題が飛んでしまいましたが、要は、投資ではあまり人の話は鵜呑みにせず、自分で体験して学ぶべきです。



   ≪ 一番重要で難しいこと ≫
2024/12/13(Fri)

2024/12/06 のコメントです。

投資家であれば誰でも「トレードで生きていこう!」と考えるのは、ごく自然のことでしょう。また、人付き合いが苦手だから「トレードで生きよう!」などと考える人もいるかもしれません。しかし、株やFXだけで生活できる人は極めて少ない。たまたま追い風に乗って大きな収益を上げることもあるが、ならしてみればトントンかマイナス。その失敗も「認識の甘さ」からではないだろうか。

実際のところ「株やFXで生活できている人がどの程度いるか」といえば、それは極めて少ないものです。カリスマ投資家も時間が過ぎればただの投資家となる。投資では、ほとんどが失敗して、けっこう悲惨な境遇になったりする。

投資に向かうひとつの理由としては、会社などでの対人関係に嫌気がさして、自分ひとりでできるビジネスはないものかと考える。ネットビジネスはいかがなものかと考えるも、ネットビジネスも相手が見えないだけで、クレームの処理などで頭を痛めてしまう。

そこで、その行き着く先に残ったのが「株」や「FXトレード」ということなにる。私は、対人関係がうまく行かない人は投資の世界でもうまく行かないことが多いような気がします。

なぜなら、対人関係がうまく行かないということは、たとえば、相手の意見に反論せずに我慢してしまう、自分が意見すると相手はどのような気持ちになるか考えしてしまい、意見しないでしまうなどが多いのではないだろうか。つまり、気持ちが入りすぎてうまく対応できない。そして、ストレスが蓄積され対人関係に嫌気が差すといったところだろう。

また、あるときは自分が批判されると、我を忘れてキレてしまう。受け流すことができず、とことん攻撃してしまう。つまり、対人コミュニケーションが上手くいかない典型的なパターンは、感情コントロールができなくて、いわゆる「キレてしまう」ということです。

「感情コントロールができない・・・」。これは当欄で何度も解説しましたように、投資で一番重要で難しいことは、感情のコントロールなのです。投資の世界は歓喜と絶望の世界と言われるように、まさに感情が大きく揺さぶられる世界でもあるのです。

しかし、感情が揺さぶられれば投資の世界では負け組みに入ります。実社会でも同様ではないでしょうか。よって、対人関係がうまく行かないということは、ある意味では感情のコントロールがうまく行かないということでもあり、そのような方が投資の世界に参入してもうまくいかなということにならないだろうか・・・。

とは言うものの、実は私も人付き合いが苦手なひとりです。そのためか今まで相場の世界では散々苦労してきました。相場では、感情、欲と恐怖のコントロールができなければ最終的には負けることになります。

現在でも感情のコントロールは苦手な方ですが、できるだけ自分のメンタル面の弱さを理解し、感情にブレや歪みがないかを確認しながらトレードを続けています。

投資家の皆さんも感情をうまくコントロールして、投資の苦しみを楽しみに変えるような状況を作り上げるべきです。投資技法などはその後ということになります。




   ≪ 作用・反作用 ≫
2024/12/06(Fri)

2024/11/30 のコメントです。

投資は難しいものです。「投資をすると勉強になるからやった方がいい」とよくいうけれど、そんな生易しいもんじゃない。そんなつもりならやめておいた方がいい。やるなら本気でやらないと。すべてを投げうって・・・。

市場は合理的だという考えがあります。もし本当に経済学の合理性がすべて成り立っているなら、すべての銘柄が適正な価格のはずではないだろうか。自分のリスク許容度に合わせて銘柄を組み合わせれば、いつ買っても損ではないということです。でもそんなことはありえない。実際には誰もがいつ何を買うべきか悩んでいます。

私は、株価は常に間違っていると考えています。かくあるべき正しい(実際には分からない)水準を軸として上下に変動している。正しい水準とはファンダメンタルズであると思いますが、その軸を正しく算出すべき手法が見当たらない。

一般的に、かくあるべき水準より下落している銘柄を割安株と呼び、かくあるべき水準より上昇している銘柄を割高株と呼ぶ。通常はこの割安株を買い付けすることになる。理論的にはこうなる。

要は、この正しい水準が分かれば良い訳で、そこで理論価格(株価)なるものを算出する計算する手法があるが、これが適正であれば誰もが飛びついて採用することになります。しかし、理論価格を誰もが採用すると株価は変動しなくなるはずです。

ここが投資の難しさでもあり面白さでもある。私は株価は常に間違っていると考えいますが、間違っているから正しい水準に戻ろうとして、結果的にそこに変動が発生すると考えています。

この考え方は、株価の変動に限らず、世の中の現象も株価と同様に変動していると捉えています。現在の世界は、かくあるべき正しい世の中(株価の適正と同様に実際には分かりませんが・・・)から常に乖離しながら変化しています。

世の中も株価も常に行き過ぎが発生します。そして株価は変動し、世の中は移り変わります。つまり、森羅万象「作用・反作用」の原理で動いているのです。

アメリカの大統領選挙でトランプ氏が話題となっていますが、その背景にはアメリカの閉塞感があるためです。今の閉塞感を打ち破ってほしいという期待感から、奇抜なトランプ氏が注目を浴びているのではないだろうか。閉塞感という作用により、トランプ氏の注目という反作用が働いているように思えます。

世の中、株価は「作用・反作用」の原理で動き。「作用・反作用」は、調和(バランス)が取れるまで続きます。つまり、バランスが取れたときが、かくあるべき正しい姿となります。しかしながら、本来あるべき正しい姿は、理論的にも体感的にも、その判断は難しいものです。

株式投資も、この「作用・反作用」の原理を利用した投資手法が正しいことになりますが、なかなか思い通りにはならないものです。人生も・・・。


拙者の格言

『森羅万象、「作用」「反作用」の原理で動く。与れれば与えられる。愛すれば愛される。恨めば恨まれる。騙せば騙される。「作用」「反作用」は、調和(バランス)が取れるまで続く。』



   ≪ 投資手法の検証 ≫
2024/11/30(Sat)

2024/11/20 のコメントです。

中国の証券監督管理委員会の主任は、出席した全国人民代表大会の部会で、集まった記者らに対して「株を買ってください。株を売らないでください」とパフォーマンスを披露したと言う。さすがにこれには中国メディアも「何を言いたいのか分かりますか? 私には分かりません」と酷評した。ほとんどが批判的だ。

米経済メディアのブルームバーグは、中国・上海株の暴落が加速していた時、習近平国家主席が手書きの文書で、株価維持を事実上命じていたことが分かった。異例の指令書で重大な危機感を示したにもかかわらず、国内外の投資家は総スカンで、株価対策も失敗に終わった。一方、人民元の国際通貨化も看板倒れで、当局は買い支えに必死という惨状だ。共産党一党独裁下の市場経済という大いなる矛盾が浮き彫りになっている。

中国当局は、株価も関係者を取り締まれば維持できると考えているのだろうか。市場経済は多くの人が自由な活動をすることで発展するもので、共産党の一党独裁体制で市場をコントロールすることなど不可能だろう。

『本来あるべき姿から乖離したものは、いずれ是正され、再び元の位置に戻される』と言う。結局、間違った手法は無駄であるということです。

さて、手法といえば、投資家はそれぞれの投資スタイル(手法)を持って投資活動に励んでいます。儲かる時もあるが損をする時もある。これが投資の世界である。巷には多くの投資手法が存在します。

しかし、あらゆる投資法を採用し投資に挑んだが結果はさっぱりという声が多いようです。これらについて私なりの考えを述べてみたい。

数多い投資手法の中で、明らかに使えない手法や間違っている手法がある。ひどいものには占いや星座から売買を判定するなどのいかがわしいものから、勝率80%などと謳った手法まである。

これらは論外であるが、投資とは「理論と実践」であるため、理論的根拠の希薄な手法は、まず除外するべきです。理論的根拠については投資家の判断に委ねられることになりますが、投資家自身が納得できる根拠であればよろしいと思います。勝率やパフォーマンスの良さに惹かれることなく、分析根拠を十分理解した上で採用するべきです。ただ実践で使える手法は、ごく一部でしかないことを理解しておくことです。

もし仮に、最終的には収益の上がる投資手法があったとします。その手法であっても常に勝ち続けることはないと思います。負けが続くこともあります。もし、収益の上がる手法と理解しつつも、連続して負けが続くと多くの投資家は止めてしまいます。これではいつまでたっても投資手法の確立はできません。

ここで私の提案ですが、もし、自分に合っている理論的根拠のある投資手法が見つかったなら、売買を最低単位で行い、相場の山と谷、つまり上昇トレンドと下降トレンドの両方について売買してみることです。

相場には追い風や向かい風があります。また、偶然やサプライズということもあります。そのため上昇だけ、下降だけの検証ではなく、相場の山と谷の両方において実践売買して検証するべてきです。これらによって、その投資手法が正しいか否かを見極めるのです。多くの投資家はちょっとかじっただけで「これはダメ」と結論付けしているようです。ある程度の期間は検証してみることです。

ここで、自分に合わない手法でも検証するべきかという問題が発生しますが、私は投資家に合わない手法は無理に採用する必要はないと考えています。なぜなら、投資の世界では極度のトレスが発生します。その上で自分に合わない手法の採用は更なるストレスとなる可能性があるためです。投資とは継続して行うものです。そのためできるだけストレスは最小限に抑えたいものです。



   ≪ 問題解決の極意 ≫
2024/11/20(Wed)

2024/11/03 のコメントです。

人は、何かうまくいったとたんに、ふと力が抜けて安心してしまうことはあるものだ。根を詰めて頑張ったら、あとはこのままうまく回ってくれるはず・・・。そんな気持ちにあぐらをかいてしまいたくなる。

あるいは、うまくいかなかった時には、やったところで・・・といった気持ちになることもあるかもしれない。成功するために精一杯の力を出すが、いったん成功するとその心地よさに身を任せて、それまでの努力を怠ってしまいたくなるものだろう。

投資でも同様なことが起こる。うまくいっているときは何をしてもうまくいく。うまくいかないときは何をやってもダメ、という経験された方は多いはずです。うまくトレンドに乗っているときはどのような投資手法でも儲かる。

一旦トレンドが反転するとすべてうまくいかなくなる。このような現象は投資家に投資技術がないことを証明するものである。なぜなら、投資家の技量で儲けているのではなく、たまたま偶然、トレンドに乗ったときだけ運よく儲かるだけである。そこに投資家の投資能力は存在しない。

もし、投資家に確たる投資技術があるならば、たとえトレンドが反転しても儲け続けられるはずである。よって、投資の世界で「投資の継続性」は、とても難しいものとなります。

投資家は常に儲け続けようと日頃から投資の継続に努力し、試行錯誤されているのではないだろうか。しかし、その努力に比例した成果が上がらない。努力は続けているものの、果たしてこれが正しい努力なのだろうかとふと疑問に思うときがある。「努力しても得られないこともある。しかし、努力しなければ何も得られない」という言葉が頭をよぎり、さらに苦悩は続く。

世間では「自分を信じて努力すること」などと言っているようだが、これがまた難しい。私自身も分かっているが実行することは難しい。
では、投資のアイデアを生み出すために何をどのようにすればよいのだろうか。これは私なりの考えですが、投資に限らずあらゆる問題解決に利用できるのではないだろうか。

まず、あらゆる角度から発想することが必要になる。一見関係がなさそうな事物の間に関係性を見出す力を養うことで、こうした作業がやりやすくなるだろう。

私の場合はテクニカル分析が専門であるが、テクニカル分析は過去の数値を検証、分析することにある。過去の検証は「歴史」と言うことにもなる。私は日本の歴史や世界の歴史なども勉強することがある。一見相場には関係ないように思われるが、「過去の検証」という共通した事柄でもある。アイデアを生み出すためには、あらゆる角度から発想することが必要になるのではないだろうか。

問題解決や新しい発想をするときには、その解決策を思いつくままに自分の中に、アイデアのもととなる情報をインプットし続けることです。ここで大事なことは、そこにインプットした情報をもとに問題を解決しようとしないことです。常に情報だけはインプットして、いったんそこから思考を離してみることです。

問題解決のアイデアの元となるあらゆる情報を頭の中に箇条書き的にインプットしたらあとは何もしないことです。この「何もしない」ことがポイントです。

人は歳を取ると、ある人の顔は思い出しても名前が思い出せないときがある。しかし、あるときフッと思い出すときがある。これは脳内のデータベースへのアクセスに時間がかかったためである。

これらと同様に、ちっとも生み出せないはずのアイデアが、忘れたようなときにフッと湧き出ることがある。これはいきなり生まれた考えではなく、自分の中のあらゆる情報が結びつき、うまい具合に成熟した瞬間となる。これが「ひらめき」というものであろうか。

これらの現象を分かりやすく説明すると、アイデアの発想はジグソーパズルに似ている。問題解決のアイデアの元となるあらゆる情報をジグソーパズルのピースとする。そのピースを組み合わせて最後にジグソーパズルが完成する。

ここで、ピースを組み合わせを脳内のデータベースにアクセスしながら組み合わせの完成を待つのです。自分で考えたりしないことです。脳内のデータベース(蓄積された過去の体験)から最適な結果が生み出されるのを待つのです。

問題が大きい場合は、そのピースも多いということになります。ピースが多ければその組み合わせ時間も長くなります。すべての情報をインプットしたら、あとは焦らず待つことです。必ずひらめきます。

どんなことでも関心を持ち、できるだけいろいろなことに挑戦し、少しでも疑問にはチャレンジしてみること。そのような姿勢を持つことによって、いつもそのことを考えているわけではなくとも、いずれ関連することを常にインプットし続けた成果が自分に現われるのです。


拙者の格言

『問題解決の極意:その問題について、考えられるあらゆるすべての事項を頭にインプットする。そして、その問題を解決しようと考えず、その問題からいったん 離れる。しばらく時間をおくと必ず正しい解決策がひらめく。自然に正しい方向に進む。焦るな。』




   ≪ 変化に沿った売買 ≫
2024/11/03(Sun)

2024/10/28 のコメントです。

我々投資家としては、G7やBRICS等で経済の見通しやその対策などの声明はあるが、その内容が持ち株にどのように反映するか、また、その対策はと聞かれても「まったく分からない」と言ったところではないだろうか。漠然とは理解できるが明日の持ち株の予想はつかない。

世界情勢がめまぐるしく変化しているのは分かるが、今後の相場展開を自分の売買にどのように結び付けていくか分からない。確かに、このところの株価の変動を見ていると株価の変化が著しい。

これらの株価変動をテクニカル的に分析してみた。一日の株価の変動を過去6ヶ月間にわたりTOPIX採用銘柄(2000銘柄程度)を調査してみると、最近の株価変動は通常の変動より5割り増しの変動となっていることが分かる。

TOPIX採用銘柄の一日の始値、高値、安値、終値をみて、始値に対してどのぐらい変動しているかを調査([高値−安値]÷始値)してみると、通常の変動は0.8%前後であるが、最近は異常に高くなっている

このように最近の株価変動は大きく乱高下しているのが分かる。これらも世界各国の声明にあるように世界経済の不安定さを物語っていることが、株価変動によっても読み取れるのではないだろうか。

上記のように、最近の株価変動が大きいため理論的にもテクニカル的にも損切り幅もそれらに準じたものにしなければならない。つまり、損切り幅を従来の損切り幅の5割り増しにすることです。今までは10%で損切りと決めていたものを最近の相場では15%で損切りにしなければ相場に沿った売買とはならない。

相場が大きく変化しているのに、分析指標や損切り幅もいつも同じでは収益には結びつかない。今までは順調に収益を上げてきたのに、突然収益が落ち始めたなどは、相場が変わったことに気づかず従来の分析指標を使い続けているためでもある。

我々には今後の世界情勢などは分からないものの、通常のテクニカル分析でもその変化は捉えられるものです。以前にも申し上げましたように、常に相場のボラティリティに注意を払い、それらに沿った売買を目指すべきです。

相場はあらゆる情勢を織り込み常に変化しています。「流れに棹させば流される」とあるように、その変化に沿った売買を行うことが成功への近道ではないだろうか。



   ≪ 人間とコンピュータ ≫
2024/10/28(Mon)

2024/10/20 のコメントです。

株価の乱高下はファンダメンタルズだけでは判断できない外部的要因が大きく影響します。やはり、投資世界は内外のあらゆる要因が複雑に絡み合って市場を形成していくものです。難しいものです。

さて、最近のニュースに「人工知能(AI)による株式投資」と題した記事があったので読んでみました。その記事によると。

『将棋や囲碁の世界でプロを撃破する人工知能(AI)が、株式市場でも存在感を見せ始めた。株価指数の騰落 予想における的中率は現在7割近くとなっており、将来的には8割まで 確率を上げることが可能、とAIモデルを研究するストラテジストは言う。投資の的中率について「上がるか下がるかなので50% が基準になり、そこからどれだけ高められるか。今まで出てきたモデルは57−58%で、今回70%近くまで持ってきたのは飛躍的な進歩」と話す。精度の向上に関しては「人工知能の動きがちょうど株価の動きに合っている」とみている。

もっとも、AIによる予想は計算量が多く、コンピューター の能力に左右されるため、現時点では取り込むデータに限界がある。良いモデルを選ぶことはできているが、それを選ぶまでに1、2カ月 かかり、その間負けてしまう。良いモデルが選ばれたら、しばらく当たりだす」と。コンピューターの容量拡大などで改善が図られれば、前月比の高安を的中させる確率は「80%近くまで上がる可能性が十分ある」としている。』

このようにコンピュータ「人工知能(AI)」は日々進化し、近いうちに将棋や囲碁、チェスなどはコンピュータには誰も勝てないという時代が必ずくる。さらに近い将来、現在の職業の半分はコンピュータに置き換わってしまうと話もある。

人間とコンピュータの大きな違いは何だろう。それぞれに得意分野はあるだろう。コンピュータであれば計算能力や処理速度であろう。人間であれば想像力や感情であろうか・・・。

では、株式投資にとってはいかがだろうか。上記の記事に「精度の向上に関しては人工知能の動きがちょうど株価の動きに合っている」とあるように、コンピュータはON、OFFの世界、投資は売り、買いの世界。どちらも二者択一の世界であり、相性が良いのかも知れない。

人間とコンピュータの違いに感情の有無がある。人間には感情があり、勝てば嬉しくテンションも上がる。これだから相場はやめられないという投資家も多いのではないだろうか。ただ、感情と勝敗は相反するような気もするが・・・。

それにひきかえ、コンピュータには感情が一切ない。プログラムで指示された通りの仕事をこなす。勝とうが負けようがお構いなしに指示を出す。しかし、コンピュータもそのプログラムも人間が作ったもの。その指示が間違っていれば結果も間違うことになる。この問題をクリアしようと、上記の記事のように日夜奮闘しているのでしょう。

いずれにしても、コンピュータの進化は早く、いずれほとんどの仕事はコンピュータに置き換わってしまうでしょう。それであっても人間ではなくてはできないことはあるはずです。それは想像力でしょう。

これからの投資家は想像力を駆使し、投資をシステム化して、その構築のプロセスの中に楽しみを見出し、そして、その成果に喜びを味わうべきでしょう。


『想像力を働かすことは、知識を得ることより格段の価値がある。知識は我々を後押ししてくれるが、想像力は道を切り開き、未知の領域に導いてくれる』



   ≪ 様子を見る ≫
2024/10/20(Sun)

2024/10/13 のコメントです。

世界経済は混沌としており、リーマンショックを彷彿とさせるような荒れた相場が続き日経平均株価は大きく乱高下しています。

日本とアメリカとでの公定歩合の引き上げ、引き下げの駆け引きがあり、この状況を打破できるか悪戦苦闘しているようです。さらに中国経済の経済崩壊が懸念されてきており、新興国に暗い影を落としている。

このような中、投資家は、自分の買った銘柄が下落しても、それを認められず、買った自分を正当化しようと必死になる。それでも株価の下落が止まらないと投資家は耐えられなくなり、損切りを迫られる。最後まで下落相場を受け入れなかった投資家がついに保有株を手放したとき下落相場は終息する。

通常、最後まで諦めなかった投資家が大量の投げ売りが出ると出来高は通常よりも多くなり、これにより売りが出尽くしたと判断できる。そして新たなトレンドが生まれる。投資の際は、買い残と出来高の両面に注視したい。

以上が通常の相場の転換点となるのだが・・・。しかし、現状を見てみると世界経済はあまりにも不安材料が多い。最近の中東問題、長引くロシア、ウクライナ戦争、最近はドイツ経済の不安説なども出てきている。やはり、何と言っても中国経済の危機であろう。一説では中国経済のクラッシュは、リーマンショックの4倍以上となるだろうと言われている。

このようなことから、我々個人投資家は不安でいっぱいです。荒れ狂う相場の中で、新規に仕掛けてもすぐに損切りとなってしまう。頭を抱えている投資家も多いのではないだろうか。

確かに、現在の相場はボラティリティが非常に高い。しかし、このボラティリティ対策をしっかり講じて売買すれば特に問題はないうな気がしますが、いかかでしょうか。我々は「買い」だけではなく「空売り」という手法も利用できるわけですから・・・。空売りは怖いなどと言っているようでは荒れた相場を乗り切れません。

もし、多くの銘柄を保有していまさら引くに引けないという投資家もいるでしょう。長期投資だから我慢しなければという投資家もいることでしよう。そのような投資家も現在の混沌とした金融市場を見ると心穏やかではないはずです。

このように状況に追い込まれた投資家は、保有株をそのままにして、ヘッジ(保険)をかけてみてはいかがでしょうか。もちろん日経先物でも良いでしょうし、株式市場に上場されている225の投信などでも良いでしょう。しっかりとした対策を講じることです。

投資において一番いけないことは、窮地に追い込まれたときに「もう少し様子を見よう」という考えです。投資家の多くは、この「様子を見る」ことで、現状の窮地から逃げているに過ぎないのです。自分に対する方便でしかないのです。そして、結局は保有株が塩漬けとなり動きが取れなくなるのです。

「様子を見る」なら、何らかの対策をとってから様子を見るべきです。たとえば、損切りをするとか、ヘッジをするなどしてから様子を見るべきです。損失を恐れるあまり何の対策も講じないで、ただ様子を見ようなどとは初心者以下に成り下がっていることです。

もし、しっかりとした自分の売買ルールを持ち合わせていたなら、上記のような「様子を見る」ということはなくなるはずです。

投資市場は自由市場です。どのような売買しても自由です。しかし「自由」とは、規則があっての自由です。規律やルールのない自由は暴走し、最終的には崩壊を辿ることになるのです。自己ルールに忠実であれ。



   ≪ 辿ってきた道にその答えがある ≫
2024/10/13(Sun)

2024/10/06 のコメントです。

総裁選や為替の変動、中東情勢などで市場は大きく動揺しています。そのため、値動きは激しく運用難が続くと考えられます。そして、金融市場のボラティリティは高くなっています。

このような市場環境下で高いリターンを求めるには、やはり、ある程度のリスクを受け入れるしかありません。現在のようなボラティリティの高い展開では適正にロスカットを入れておいてもすぐにロスカットに引っかかってしまいます。

そこで投資家は大いに悩みます。今まで順調だったのに・・・。何が悪いのか、現在の投資手法がまずいのかなどと考え込みます。しかし、その原因の多くは、現在のボラティリティの高さにあるのではないだろうか。

以前にも解説しましたように、常に市場のボラティリティを計測しておくべきです。そして、ボラティリティの変化に合わせて投資のロジックを変化させるべきです。

市場が大きく変動すると、さらなる慎重な銘柄選択も必要でしょうが、市場全体が大きくブレる状況下では、今後の企業業績の優劣より、目先的な相場全体の変動に振り回されることになります。そのためには、ロスカット幅を少し大きく取るなどの対処も必要となってくるでしょう。

日本の株式市場はボラティリティが高く、リスクがあるとの考えから海外の投資は
いかがだろうかと考える投資家も多いようです。しかし、グローバル化した投資市
場では、その変動も似たようなものとなりますです。

まず、海外投資では為替という問題があります。まず、為替変動を予測し、さらに投資物件の分析と二重の分析が必要となってきます。結果的にはハイリスク、ハイリターンとなります。であるならば現在の東京市場と同じではないだろうか。

昔から「知らないものに手を出すな」という格言があります。日本市場での運用も難しいのに、ましてや海外市場での運用などさらに難しいものです。。

現状がうまくいかないと、その原因も追究せず他のものに目が移りやすいものです。しかしなから、目の前の問題も解決できず、他に移っても成功するはずもありません。結局、現状の辛さから逃げ回っているに過ぎないのです。

「失敗した人の多くは、あきらめた時に、どれだけ成功に近づいていたのかに気付かなかった人たちである」という話もある。逃げてもまた元のところに戻るだけです。少し休憩しても、現在の問題点を分析して、次の投資活動に役立たせることです。今まで自分が辿ってきた道に、その答えがあるはずです。



   ≪ メンタルとルール ≫
2024/10/06(Sun)

2024/09/29 のコメントです。

9月27日、自民党の総裁選で石破茂氏が選出された。決選投票の結果が分かった時点で株式市場はもう閉まっていたが、動いていた日経平均先物が急落した。これは株式市場が新総裁を望んでいないということを意味します。

急落では、売り方はロスカットとなってしまう。今までには「ロスカットしなければ良かったなあ」と思うこともあったでしょうが、サプライズにより反対に展開しただけであって、その確率は50%であるからやはりルールに従って実行するべきです。

勝率50%の世界で勝利するにはロスカットだけです。前回解説しましたように、ロスカットすることにより投資収益は倍増するわけですから・・・。

以前、ある会合でキャンブラーと称する人に会った。彼は世界のギャンブル場を回ってギャンブルで生計を立てているという。にわかに信じられなかったが話を聞いてみた。

「ギャンブルで勝つには何が一番大切か」と聞いた。彼いわく「勝とうとする強い気持ちと自分なりのセオリーを持つことである」と。これを私なりに解釈すると「メンタル面」と「ルール」となる。投資はギャンブルではないが相通ずるところがある。

ギャンブルだってサイコロを振ったときのように、その確率は50%程度ではないだろうか。確率が50%程度で、その中で勝ちに行くにはどうするべきか。やはり勝ちたいという強い気持ち(メンタル)とセオリー(ルール)なのだろうか。

株式投資を客観的に見て、たとえば10銘柄を買い仕掛けしたとする。確率50%とすれば、5銘柄上昇して5銘柄下降となる。下降となった銘柄をロスカットする。その後上昇となった銘柄も適切に利食いしなければ、今回のサプライズのように買値を割れてロスカットとなる可能性もある。よって実践では勝率が50%を下回ることになる。

投資でロスカットを忠実に実行すると、後はいかに利食いを的確に行うかである。この点が投資では利食いが一番難しいと言われる所以であろう。損が続いていると、気持ちも萎縮してしまい、少しでも損を少なくしようと、どうしても利食い幅が小さくなってしまう。これが人間の共通した意識であろう。

しかし、このような時ほど上記のギャンブラーが言うように「強い気持ち」が必要になってくるのだろう。強い気持ちとは「相場に対する万年強気」とは異なる。

投資の世界では、やはりメンタル面(感情のコントロール)が一番重要だろう。戦う前から弱気では、すでに戦う前に負けている。そして、次に来るのはやはり自分なりの売買ルールであろう。

多くの投資家は、どのような手法で売買すれば儲かるのかと、投資技法に走りやすいようですが、やはり投資の基本をマスターしてからの投資技法であることを理解するべきでしょう。



◆ SPS研究所の短期相場観測指数 ◆ (毎日更新)

更新日時 2024年09月27日 19時19分 ( 日経平均 39.830 )

∞∞∞∞∞∞∞∞∞< 短期相場観測指数 >∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

・相場判定 買い  ( ロスカット@ 39.719 )
  ・ボリューム 63.2 ポイント ( ロスカットA 39.582 )

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞"




   ≪ 損切りの多様性 ≫
2024/09/28(Sat)

2024/09/22 のコメントです。

アメリカのFRBはインフレが落ちついたとして利下げに踏み切りそうです。これが予想以上の混乱を引き起こしているようです。金利動向は常に経済に変化をもたらすものです。

現在の悪材料を列挙すると、中国経済不安、ロシア・ウクライナ戦争、円の乱高下、中東における地政学的リスク、アメリカ経済の公定歩合の不透明感、大幅減益になるかも知れない米企業業績、移民が押し寄せる欧州経済、ロシアの経済危機など。これらの要因を織り込みながら相場は変動しているわけです。

原油安は日本において好材料ではないかという意見もありますが、原油の輸入だけを考えればそのとおりかもしれません。しかし、経済がグローバル化した現在では、産油国の収入減や世界経済の低迷となれば日本でも経済減速は免れないでしょう。

さて、以上のような世界経済の混乱の中で株式市場も大荒れの状況です。一日の値幅が驚くほど大きくなっています。寄付き値も何百円も飛んで寄り付いています。これでは投資家も市場に振り回されてしまいます。

現在のような大荒れな市場でも勇気ある投資家は、ここがチャンスとばかり果敢にチャレンジしています。しかし、現在のような市場では、従来のテクニカル指標などは役に立たないのではないでしょうか。たとえ、テクニカル指標を現在の相場動向に合わせてうまくいっているように見えても、それらの指標が今後も利用できるという保障はありません。

大荒れの相場状況下で投資家が取る対策は、まず初心者であれば戦線を縮小する。損切りは確実に行う。自分の売買ルールに忠実に従うなどでしょう。また、今回の相場でたまたま大儲けしたからといって戦線の拡大は慎むべきです。

市場が大きく変動する状況では、小手先のテクニックなどは通用しません。損切りラインをしっかりと決めて確実に実行することだけです。

損切りの基準は投資家それぞれであると思います。多くは何%損失になったら損切りするなどが一般的であると思いますが、以前、当欄で解説しましたように金額での損切りも効果的であると思います。

100万円の投資で10%損切りは10万円の損となります。1000万円では100万円の損となります。つまり、パーセントの損切りでは投資金が大きくなればなるほど損切りの金額が大きくなります。そのため投資金が大きくなればその分プレッシャーも大
きくなってきます。

それに変わり金額での損切りは損切り金額が常に一定です。たとえば損切り金額を30万円とした場合、100万円投資した時は30%での損切りとなり、1000万円投資した時は3%の損切りとなります。

損切り金額が常に一定しているということは、投資家にとってあまり大きなプレッシャーとならず平常心で投資活動ができるのではないだろうか。一度体験してみなければ分からないとは思いますが・・・。損切りにも多様性があってもよいのではないでしょうか。



   ≪ 勝率30% ≫
2024/09/22(Sun)

2024/09/15 のコメントです。

最近の異常な相場は、実践している投資家は分析指標に頼らずとも体感的に理解されていると思います。たとえば、当日の寄付値が前日の終値から大きく乖離して寄り付いたり、驚くことに日中の変動幅が1000円もあったりして通常の株価変動とは明らかに異なることは分かるはずです。

現在も異常な相場展開となっていることは、テクニカル分析指標でキャッチできていますが、その原因までは分かりません。大きな世界情勢の変化などが要因なのかなと思っていますが・・・。

相場波乱の要因は別として、このような相場展開の中、個人投資家はどのようなことに注意をして売買を継続していけばよいのでしょうか。

市場のボラティリティが非常に大きいため、少し戦線を縮小するのもよいでしょう。また、ロスカットを確実に行うことも不可欠となってきます。現状の相場展開ではロスカットも頻繁に行わなければならなくなります。頭の痛いところです。

ここでロスカットについてもう一度考えて見ましょう。投資家は自分なりのロスカット基準で持ち株の処分などを行います。ロスカットはそれなりに痛みを伴うものですが、ロスカットなしに投資の継続は不可能であることは周知の通りです。

ロスカットの回数は勝率にリンクしてきます。ロスカットが多いということは勝率が下がることになります。もちろん勝率は高い方がよいのですが・・・。

では、一般的な適正勝率はどのくらいなものでしょうか。当欄でも何度も解説していますが、相場の上げ下げの確率は長期的に見れば50%程度でしょう。多少、上昇、下降のトレンドが発生してもいずれは50%前後に収斂してきます。

では、勝率は50%を目指して売買を続ければよいのでしょうか。一般的な売買では「損少利大」の売買でなければ利益が上がらないことは何度も解説しています。「損少」についてはロスカットで対処します。ロスカットを行うから「損少利大」となるわけです。

勝率50%前後とはロスカットなしでの一般的な概念です。では、ロスカットを入れて「損少利大」にすると勝率はどの程度となるのでしょうか。統計上のデータでは、ロスカットを入れて「損少利大」にすると勝率は30%前後になってしまいます。残念ながら投資の世界における勝率は30%前後が通説です。

もし「この分析システムの勝率は30%前後です」と言ったら利用する投資家は皆無でしょう。よって「この分析システムの勝率は80%あります」という、うたい文句で分析システムを販売することになるのです。投資家は3回も続けて失敗すると「この分析システムはダメだ」と言って他の分析システムを探し回ります。これが現実でしょう。

上記の理論からすると勝率30%前後は揺るがないところです。もちろん短期的な相場では勝率80%となることもあるでしょう。厳選した銘柄での売買では勝率も上がるでしょう。しかし、投資とは継続して長い期間売買を続けなければ収益は上がらないということからすると、勝率30%前後は揺るがないところとなります。

現実問題として、勝率30%前後は投資家にとってはかなりシビアです。「投資とは損の続くゲームである」と言った投資家がいましたが、勝率30%前後は、まさにこのことを言っているのでしょう。

投資家は長期間運用を続けるという前提に立つと、投資の原理、原則に背を向けて運用を行っても長期的には良い結果は得られないことになります。よって、現実、事実には正面から対峙して、これらを取り込んで売買システムの構築に取り組むべきです。



   ≪ 何事にも落胆しないこと ≫
2024/09/15(Sun)

2024/09/07 のコメントです。

株式市場は波乱状態である。アメリカの公定歩合が多くの要因であろう。今後の日銀の金融政策を見極めたい。

しかしながら何が株価に影響するか分からないものです。政府の決定事項、特に金利政策は経済や金融市場に徐々に反映してくるものです。情報や材料といった株価変動要因も株価にどのようにインパクトを与えてくるのか分からない。株価に即反映してくるのか緩やかに反映してくるのか分からない。

これら株価変動要因の反映が早くなろうが遅くなろうが結果的には織り込まれるわけですが、この遅いか早いかは投資家にとって重要な問題となる。このあたりの読みが難しい。

私は相場の先読みは一切しないので、株価変動要因の反映の分析などはまったく行わない。行わない言うより分からないからしないと言った方が正しい。よって情報や材料で振り回されることはない。

しかし、このところの相場の乱高下には振り回されている。日経平均の寄り付き値が前日の終値から大きく離れて寄り付いては、短期的な相場の流れを判定することも容易ではない。

これらも夜間取引での米国市場の影響が大いに関係しているようです。米国の利上げの影響などもあって、しばらくはこのような状況が続くのではないかと思われます。まだまだボラティリティは大きい状況にあります。

投資家は負けが続くと一時中断しなくもなるものです。私も友人に「そんなに損が続くのになぜ止めないのか」と言われたことがあります。「止めたくもなるが、これが私の仕事であり、投資を生業としているので逃げ場がない」と返事した記憶があります。

投資家であれば誰でも負けが続けば投げ出したくもなります。そこで踏ん張って売買を続けられるには何が必要でしょうか。強い気持ちでしょうか。強い気持ちがあっても、みるみるうにち減っていく投資金を見れば気持ちも折れてしまいます。

このように状況に追い込まれたとき、投資家は何を心のよりどころにするのでしょうか。何を信じて売買を継続していけばよいのでしょうか。

一般的に、追い込まれたときには「自分を信じて・・・」という言葉をよく耳にしますが、現実的には、なかなかできることではありません。私のような凡人には所詮無理な話です。ここで投資家は大いに悩むのです。

私の語録に『「力」とは繰り返しの結果である。目標と信念と情熱を持って、良い時も悪い時も、ひたすら続けることである』とありますが、まさに継続は力なりです。しかし、投資では上記のように継続できないという問題が多く発生し、結果として「力(成果)」が発揮できないということになります。

このような問題に対しては、以前から当欄で「投資金を最小単位にしても継続すべき」と解説してきました。投資の世界では「もうギブアップ」という状況はたくさんあります。しかし、売買を一度中断してしまうとまたスタートラインからとはじめることになります。

やはり、私の語録に『逃げては何も残らない。逃げてもまた元のところに戻るだけ。今逃げたら、明日はもっと大きな勇気が必要となる。逃げずに困難に立ち向かえ。』とあります。実際にはこの言葉のようにはいきませんが、気持ちだけでも落胆せず前向きにしたいものです。

話は戻りますが、私は現在でも負けが続けば落ち込みますし、投げ出したくもなります。しかし、そこで踏ん張れるのはシミュレーションの結果です。実際の成績はシミュレーション通りにはなりませんが、少なくても継続運用すればプラスになるという結果を心のよりどころとしてがんばっています。


拙者の格言

『成功するための極意、何事にも落胆しないこと。あくまでもやり続けること。 決して断念しないこと。』
"




   ≪ 金額での損切り ≫
2024/09/07(Sat)

2024/08/31 のコメントです。

さて、株式市場は42000円を高値として、その後10000円ほど急落して現在戻り基調にある。このような状況下、乱高下して投資家も心穏やかではないでしょう、

相場の上昇期から下降期に転換する時の売買は難しいものがある。そこで、ひとつの投資手法(損切り)について述べてみたいと思います。

たとえば、株価1000円の銘柄を1000株買い付けしたとします。売買代金は100万円となります。そこで損切り幅を設定します。損切りを10%に設定すると損切り金額は10万円です。株価が900円になったら損切りします。

これは一般的に損切りと考えられますが、もし株価が1100円に上昇し、さらに買い増し(1100円で1000株)した場合の損切り基準はどのように設定すべきでしょうか。

1000円と1100円での買い付けで2000株。それぞれを10%で損切りすると、21万円(10万円+11万円)の損となります。これらの方法で買い上がりや買い下がりを行っても投資金に対する損切りは10%となります。これらが一般的な損切りに対する概念でしょう。

これらは「率」によって損切りとなりますが、もうひとつの方法は「金額」での損切りです。たとえば、損切り金額を10万円とします。株価1000円の銘柄を1000株買い付けした場合、損切りは10万円なので株価が900円になったら損切りします。これは上記の10%損切りと変わりません。

もし、この「金額」での損切りで買い増しした場合はどのような処理をするのでしょうか。「金額」での損切りは、損切り限度額が10万円ですので、たとえ建玉が増えたとしても損切り金額の10万円は厳守します。

株価1000円と1100円で合計2000株買い付けしたとします。この場合の金額での損切りはやはり10万円です。投資金は210万円となりますが、これらに対して10万円の損が出たら損切りします。

同じ銘柄での買い付けのため、株価1000円も1100円も同じ幅で変動します。そこで、投資金は210万円で損切り10万円は株価がいくらの時か逆算します。逆算すると株価1000円での損切りとなります。(1000円での買い付けは損益0、1100円での買い付けは損益−10万円)

投資において投資金の増減はあるものです。投資金が増えてくると投資家も緊張してきます。なぜなら、万一、損切りが発生すると損切り金額も大きくなるからです。緊張が続くと投資判断も狂いがちです。

もし、金額での損切りであれば投資金が増えたとしても、あまり緊張せず気楽な投資ができるのではないでしょうか。「損はこまめに切る」という投資基本にも合致してきます。一考されてはいかがでしょうか。



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