2019/12/14 のコメントです。
投資家は、大いに夢を膨らまして投資市場に参入してくるものの、市場の厳しさを体験するのに時間はかかりません。そして、苦悩しながら退場していきます。これらの様相は昔も今も変わりません。
散々打ちのめされて退場した投資家が、二度と市場に戻ってこないかと言いますと、そうでもないようです。市場が活性化し、ニュースなどで取り上げられると、すでに傷が癒えたか血が騒ぐのかムラムラしてきて、再び市場に参入してきます。
市場が活況を呈しているということは、相場水準もおおむね高値圏で推移していることが多く、そのような時期に再度参入してきても結局は高値掴みとなってしまいます。確たる投資技術も持たない投資家は、いつもこの繰り返しとなります。
投資知識も乏しく、投資技術も未熟な投資初心者であればやむを得ないところでしょう。最初は誰でもそのような道を辿ってくるのです。しかし、投資技術は、時間の経過とともに、それなりに身に付いてくるものです。
問題はそれからです。退場者を含め一時撤退者には復活には時間がかかります。もし、再起したとしてもそのブランクは大きなものとなります。
一般的に、一時でも退場して再度もとの状態に戻るには、ブランクの期間の三倍の時間が必要であると言われています。そのようなことから、私は、市場からの全面撤退ではなく、最小単位の売買でもよいから継続して市場に参加し続けることをお奨めします。
市場に参加し続けることによって、常に相場に注意を払うことができますし、そこから何らかの経験を得ることもできるはずです。今なお投資に関心があるなら市場にとどまるべきです。
何事もやめることは簡単です。しかし、続けることは容易なことではありません。楽な方に逃げても何も残りません。残るのは屈辱と後悔だけです。今までの努力が無に帰することになります。初めて市場に参入した時のことを思い出してください。
相場に限らず、何事でも目的を成就するためには困難はつきものです。人生においても困難の連続です。壁に突き当たって苦悩します。しかし、目標だけをしっかり見定めておけば必ず困難を振り払い壁は乗り越えられます。あきらめないことです。心新たにして頑張りましょう。
小学校の教科書的ではありますが、下記に苦難を乗り越えた偉人達のルーツを取り上げてみました。
◇エイブラハム・リンカーン(アメリカ国民に最も愛された大統領) 1832年の春にビジネスのトラブルから無職になり、その後1835年には恋人のAnnを亡くし、かなりの打撃を受ける。1832年に州議会に立候補したが落選し、それから数えて合計8回の選挙に落選する。結婚してからは次男を病気で亡くしている。
◇チャールズ・ダーウィン(進化論の方向性を確立し、生物学で重要な功績を残した自然科学者) 医師の道になじめずあきらめた時、彼の父親に「動物を捕まえることしか脳がない」と言われた。彼自身の自伝にはこう書かれている。「父親や師範からはごく平凡な子供と思われ、どちらかというと一般の知性レベルに達していないと思われていたようだった」と。
◇トーマス・エジソン(発明王の異名を持つ発明家) 彼は小学校の教師に「学習する知能がなさすぎる」と言われ、仕事は2度「生産性がなさすぎる」と解雇され、電球の発明に1000度の失敗があった。後にインタビューで記者に「1000回失敗したという気持ちはどういうものですか」と尋ねられ、「1000度の失敗をしたわけではない、1000のステップを経て電球が発明されたのだ」と答えた。
◇アルベルト・アインシュタイン(相対性理論を築きあげた理論物理学者。20世紀最大の天才) 彼は4歳になるまで話すことができず、7歳まで文字が読めなかった。両親は彼の知能が低いと思い、先生の一人は彼のことをこう表現した。「精神的に遅れており、社会性はなく、いつまでもとりとめのない空想にふけっている」学校を退学になったあとチューリッヒの学校から入学を拒否されている。後になんとか読み書きができるようになった。
◇ヘンリー・フォード(自動車会社フォード・モーターの創設者) 自動車会社が成功するまでに7度の失敗、5度の破産をしている。
◇ベーブ・ルース(アメリカのメジャーリーグで、34年間ホームランの最高記録保持者) 子供のころは非行少年で両親もお手上げで、矯正学校に入れられた。ホームラン記録を作るまでは三振記録も持っていた。714本のホームラン記録に対して、1330回の三振をしている。
◇チャーリー・チャップリン(「喜劇王」と異名を持つ、俳優であり、脚本家であり、そして映画監督) 父親はアル中で死去、母親は精神病にかかり、孤児院や貧民院を転々とする。ハリウッドは当初チャーリーのパントマイムをナンセンスだと酷評した。
◇ゴッホ(「ひまわり」などで知られるポスト印象派の代表的画家) 牧師をしていたがみすぼらしいと、伝道師の仮免許を剥奪される。奇行が目立ち精神病院に入れられる。生きている間に描いた絵は800余りほどあったが、生前は一度しか絵が売れたことがなく、その一つも友だちの妹がたった400フランク(約5700円)で買った。
『成功しないのは、成功するまでやらないからである。成功とは、意欲を失わずに失敗に次ぐ失敗を繰り返すことである』
『「あきらめ」とは、成功一歩手前のことを言う。あきらめれば、それまでの努力 がすべて無に帰す』
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