2020/05/09 のコメントです。
投資市場において、偉大なトレーダー達は投資手法より、マネー・マネージメントが重要であると述べています。市場から退場を余儀なくされた投資家の多くは、リスク管理を盛り込んだ戦略を取っていなかったために大損に見舞われ消えていった。
リスク管理では損切りは最も重要な項目ですが、リスク管理はこれだけではありません。保守的で優秀なトレーダーは、1回当りのトレードは、総投資額の3%程度としていると言います。この3%は、理論的にリスク逓減するためには、30〜50銘柄に分散するべきであるという理論と一致するものです。
さらに、リスク管理には、もし当初の投資金額の一定割合を失った場合には、いったんポジションを手仕舞って、どこが間違っているか検証し、これらを解決した後に再度チャレンジするという方法もリスク管理の範疇となります。
また、明確な投資戦略(売買ルール)を持って、それらを確実に実行していくことも重要です。多くの投資家は、本当の困難に直面したときには、投資家自身の基本的な投資哲学なしには、自分のポジションもその運用の維持もできなくなるとも言われています。
投資家自身のコントロールも必要となってきます。これらは常々申し上げています投資家の感情の問題です。投資家自身の自制心の問題です。これらもまた、リスク管理の前提となります。
自制心は、投資家自身の投資手法を実践する上で、その判断の迷いを少なくする効果もあります。多くの迷いの後の決断は間違ったほうを選ぶからです。なぜなら、迷いの後の決断は安易なほうを選びがちとなるからです。投資において、「良いほうに見えるのは、往々にして悪いものである」という言葉があります。
多くの投資家に対し膨大な研究を行った心理学者は、勝ち続けるトレーダーは「戦う前から勝っている」と述べています。確信を持っているトレーダーは、パニックに陥らない強さを持っているとも述べています。
これらから、投資の世界で成功するためには明確な投資戦略、リスク管理、投資家自身のコントロールなどが上げられますが、これらは基本的なものであり他にも多くのクリアしなければならない問題もあります。
これらの問題を私自身に当てはめて見ます。まず、投資戦略ですが、これらに対しては、ある程度方向性は見出したものの未だ納得できるものではありません。しかし、リスク管理においては、確実に実践しているつもりです。そのためか、現在でも市場に留まっていることができています。
「投資家自身のコントロール」については、全くできていないと思っています。私は小心者であり、性格的には相場の世界には向いていないことを自覚しています。「相場の世界には向いていない」と分かっていながらどうして、という疑問がわいてくるでしょう。
「相場の世界には向いていないのに、なぜ相場の世界に」、これらの理由については割愛しますが、詳しくは拙著をお読み下さい。
私は、これらの矛盾を私自身がどのように克服して行ったかは、すでに当欄でも解説してきましたが、これらの問題を「売買のシステム化」により解決し、感情移入のない運用を目指したわけです。長い時間をかけ、紆余曲折を経て現在に至っています。
私は、現在の運用において、その売買の判定をシステムにまかせ、その執行時にも株価チャートなどほとんど見ることはありません。一番注意をしてチェックしているところは「ヘッジ比率」です。ヘッジ比率にポジションを合わせることです。その際に、個別銘柄の詳細についてはあまり検証していません。ランキング上位から選択しているだけです。
売買の判定とその執行には、何も考えずシステムの指示に従うわけですから、相場に向いていない私にも運用が可能となるわけです。こうして現在でも完全なる売買のシステム化を目指しています。
◆ヘッジ比率(相場観測指数)の使い方
ヘッジ比率は買いと空売りの投資金額の比率です。たとえば投資金が1000万円であったとします。現在のヘッジ比率が、買い70、売り30であった場合、買いに700万円、空売りに300万円となります。
ヘッジ比率の変化により、銘柄を入れ替えて買い、売りの投資金を現在のヘッジ比率に合わせながら運用することを基本とします。ヘッジ比率は日々変化しますので厳密に合わせなくても傾向を見て、それらのヘッジ比率におおむね合うようにします。
また、銘柄入れ替え時に新規仕掛けの適切な銘柄がない場合があります。たとえばヘッジ比率に合わせるため、新規の買い銘柄を建てようとしたが適切な銘柄がない。そのような場合は、無理に買い銘柄を探すのではなく、反対に空売り銘柄を決済してヘッジ比率に合うように調整します。 |